KOMOJU の開発初期から関わり、現在は CTO としてエンジニア組織を率いるラムズデン・リチャード氏。日本文化への憧れを胸にカナダから来日し、エンジニアとしてのキャリアを築いてきました。本記事では、彼のキャリアや KOMOJU の強み、今後の展望についてお話を伺いました。
日本への憧れからエンジニアへ
学生時代から日本文化に魅了され、「日本で暮らすこと」を夢見ていたリチャード氏。大学ではコンピューターサイエンスを専攻し、エンジニアとして日本で働く道を選びました。
卒業後、仕事が決まっていない状態で来日。日本語も話せず、ビジネスビザも持たない状況でしたが、エンジニアとしてのスキルを活かし、クラウドファンディングサービス「CUUSOO」の開発に携わることに成功。ここで Ruby を使った開発経験を積み、日本でのエンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。
Degica 入社と KOMOJU 開発への関わり
当時、日本のビザ制度の関係で起業は難しく、企業への所属を選択。しかし、エンジニアの待遇が厳しい職場も経験し、より良い環境を求めていたときに Degica と出会いました。
リチャード氏が入社した頃、Degica はソフトウェア販売を中心とした企業であり、KOMOJU の開発はまだ初期段階。プロトタイプの品質向上が課題となっていた中、彼はその修正を担当し、わずか2カ月でリリースに漕ぎつけました。
KOMOJU の強みとは?
KOMOJU の最大の強みは「ユーザー視点での開発」にあります。もともとは自社ECサイト向けの決済モジュールとして開発されましたが、その品質の高さが評価され、多くの企業が利用するようになりました。
特に、世界的なPCゲームプラットフォームが日本市場に参入する際、KOMOJU を採用したことは大きな転機となりました。海外企業にとって、日本市場の商習慣や決済インフラは複雑ですが、Degica の持つ技術力と日本市場への深い理解が強みとなり、信頼を得ることができました。
また、Degica は少数精鋭のチームでアジャイル開発を進めており、市場やテクノロジーの変化に迅速に対応できる点も競争優位性の一つです。
どんなエンジニアと働きたいか
リチャード氏が求めるのは「テクノロジーへの強い関心を持つエンジニア」。FinTech の知識は必須ではなく、IT エンジニアとしての開発経験があれば、入社後にスキルをキャッチアップできます。むしろ、異分野のエンジニアが新たな視点をもたらすことを期待しています。
また、Degica のエンジニアは単に与えられた要件を実装するのではなく、課題を見つけ、解決策を考えながら開発を進めるスタイル。受け身ではなく、主体的に取り組む姿勢が求められます。
注目するテクノロジー
現在、リチャード氏が注目しているのは「ブロックチェーン」「AI」「3Dプリンティング」。特にブロックチェーンは FinTech と相性が良い技術ですが、オンライン決済への本格導入にはまだ時間がかかると見ています。
また、AI分野では統計を学び、実践的なスキルを磨いているとのこと。プライベートでは 3D プリンターを活用し、日用品を自作するなど、新しい技術への探求を続けています。
ラムズデン・リチャード氏の挑戦と成長は、KOMOJU の進化と共にあります。彼のリーダーシップのもと、デジカのエンジニアチームは今後も最先端の決済ソリューションを提供し続けていきます。