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東南アジア市場は、急速な経済成長とデジタル化の進展により、越境ECにおける注目エリアとなっています。特に、インターネットの普及やSNS利用率の高さが、消費者の購買行動を大きく変えています。
本記事では、東南アジア市場の特徴や成功のポイント、主要プラットフォームについて解説します。越境ECでのビジネス展開を検討する事業者の参考になれば幸いです。
東南アジア越境ECが注目される理由
東南アジア市場は、爆発的な経済成長とデジタル化の進展が進む、新たな成長市場です。これに伴い、越境ECのビジネスチャンスも急拡大しています。
著しい経済成長
東南アジアの2025年の実質GDP成長は平均4.7%と予測されており、中国の4.5%を上回る勢いです(出典:ジェトロ「ビジネス短信」、2024年)。
特に、ベトナムとフィリピンは東南アジアの中でも経済成長率が高く、2025年はそれぞれ6.3%と6.2%の見込みです。また、インドネシアは2億7000万人を超える人口を抱えており、特に若年層が多いことが消費活動の活発化につながっています。
東南アジアは今後も人口増加が見られる国が多く、それに伴う購買力の拡大が期待されている市場です。
インターネットの普及
コロナ禍での行動制限を背景に、東南アジアではEC市場が急成長を遂げました。インターネット普及率が高まり、ECプラットフォームを通じた購入が一般化しています。
東南アジア主要6カ国(インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム)で、デジタル市場規模を表す流通取引総額(GMV)は、2023年は2,180億米ドル(前年比11%増)、2024年は2,630億米ドル(前年比15%増)と試算されています。
さらに、2027年のGMVは2,800億ドルに達するとの見込みです。過去一年以内にECサイトで購入したことがある15歳以上のデジタル消費者は、2022年の82%(3億7,000万人)から2027年には88%(4億200万人)になると予測されています。
(出典:ジェトロ「ビジネス短信」2022年、2023年、2024年)。
SNS利用率の増加
SNSを活用した購買行動が一般化し、企業はSNS広告やライブコマースを活用した戦略を展開しています。
例えば、シンガポールでは85.0%の人が、マレーシアでは83.1%の人がSNSを使用しており、日本の78.1%を上回っています(Digital 2024)。特にTikTokやYouTubeなど、動画コンテンツのプラットフォームが人気です。ライブ配信で商品を直接紹介し、購入につなげる形式が多くの消費者に支持されています。
東南アジアの越境EC事業者の約7割がSNSマーケティングを実施しているとの調査結果もあります(出典:Shopee、2024年)。
中国市場と東南アジア市場の違い
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中国は世界最大のEC市場であり、2023年のEC市場規模は2兆9,875億米ドルを記録しました。一方、東南アジアのEC市場規模は2023年に2,180億米ドルでした。(出典: 地域・分析レポート ジェトロ 2024、日本経済新聞)。中国の14億2,589万人と東南アジアの6億7,945万人(2022年)という人口を加味しても、市場規模の差は依然として大きいです。
しかし、東南アジア市場は成長率が非常に高く、2025年のGDP成長率は中国を上回ると予測されています。この成長性は、新規参入企業にとって魅力的なポイントです。さらに、多国籍市場である東南アジアは、多様なターゲット層にアプローチできるポテンシャルを秘めています。
配送はECサイトの運営でも重要なポイントです。中国は地理的に日本に近く、国内の物流ネットワークも整備されています。一方で東南アジアは日本から距離があり、各国のインフラ状況や言語も異なります。特に、さまざまな島で成り立っているインドネシアでは物流コストが高くなりがちです。
しかし、東南アジアはASEAN諸国との自由貿易協定や日本との経済連携協定(EPA)により、輸出入の障壁が比較的低いという利点があります。また、越境ECプラットフォームによっては独自の配送ルートを作り出し、配送コストを抑えているところもあります。
東南アジア向け越境ECで成功するためのポイント
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東南アジア市場で成功するためには、現地の文化や消費習慣に適応した戦略が必要です。各国の特性を理解し、適切な販売チャネルと商品展開を選択することが重要になります。
ターゲットの文化的背景を理解したブランディング
文化や宗教、生活習慣を深く理解し、ターゲットに合わせたマーケティングを展開することが重要です。
インドネシアやマレーシアではイスラム教徒が人口の過半数を占めるため、イスラム教で禁じられているものが製品やサービスに含まれていないことを証明する「ハラール認証」の取得が必要になることがあります。また、ラマダン明けは、断食後初の食事(イフタール)に向けた食品の需要が高まり、この時期に合わせたプロモーションが効果的です。
シンガポールやマレーシアのように、中華系、マレー系、インド系など多様な民族で構成されている国もあります。特定の文化や宗教に偏らないインクルーシブなマーケティングアプローチが求められます。
ターゲットの国に合わせた人気の日本製を選定
東南アジアの消費者は、品質と信頼性を重視する傾向が強く、日本製品に対して極めて好意的です(出典:ジェトロ「ASEAN3カ国の消費者座談会」)。これは効果的なブランディングを行う上で大きなメリットとなります。東南アジア特有の熱帯気候に合わせ、耐湿性も考慮すると良いでしょう。
以下のカテゴリーは特に東南アジアでの人気が高く、需要が見込めます。
- 美容・化粧品:日本製のスキンケア製品、日焼け止め、美白化粧品
- ベビー用品:おむつ、粉ミルク
- 電化製品:携帯電話、家電製品
- 食品:健康食品、お菓子、インスタント食品
- ファッション:軽量で通気性の良い衣類、アクセサリー
関税や禁止されている製品の確認
各国の関税制度や輸入禁止商品などのルールを遵守することが必要です。特にインドネシアでは食品や化粧品に対する規制が厳しく、輸入時に特別な許可が必要な場合があります。
インドネシア
- 化粧品は事前にBPOM長官への申請が必要
- 食品はハラール認証が原則必要
マレーシア
- アルコール類は輸入者の特別なライセンスが必要
- ソーセージのや保存処理した昆虫類などは、ハラール認証が必要
- 医薬機器は事前承認が必要
シンガポール
- 医薬品・健康食品は厳格な規制
- チューインガム・タバコは輸入禁止品
ECプラットフォームを慎重に選定
東南アジアでは、各国で主要なECプラットフォームが異なります。Shopee、Lazada、Tokopediaなど、複数の大手プラットフォームが存在し、それぞれに特徴があります。
進出する国のマーケットシェアや利用者層、手数料体系、物流サービスなどを総合的に比較検討し、自社の商品やターゲット層に最適なプラットフォームを選択することが重要です。
後ほど東南アジアで代表的な越境ECプラットフォームをご紹介します。
現地に合わせた決済方法を導入
東南アジア各国では、主流となる決済手段が異なります。近年では電子マネー決済の利用が増加していますが、インドネシアではDANA、フィリピンではGCashなど、国によってよく使われるデジタルウォレットが異なります。現地の決済習慣に合わせて決済手段を導入することが重要です。
決済代行サービス「KOMOJU」を活用することで、東南アジア各国で主流の決済方法を一括で導入可能です。初期費用・月額費用が完全無料である点も大きなメリットです。詳細は以下をご覧ください。
東南アジアで代表的な越境ECプラットフォーム
東南アジアで代表的な越境ECプラットフォームをご紹介します。
Shopee
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画像引用:Shopee Japan
「Shopee(ショッピー)」は、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナムなどの東南アジアと台湾で展開する最大級のECプラットフォームです。
Shopeeの最大の強みは、ゲーミフィケーション要素を取り入れた独自のユーザーエンゲージメント戦略です。Shopeeのモバイルアプリを使ってゲームができ、ゲームで得られたShopeeコインは買い物にも利用できます。
また、インフルエンサーマーケティングとの親和性が高いライブストリーミング販売機能や、配送コストが抑えられる独自の物流ネットワーク「Shopee Express」のほか、英語を中心とした自動翻訳機能も整備されています。
対応国 | シンガポール、台湾、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム |
初期費用 | 無料 |
手数料 | 販売手数料:3.21〜11% 決済手数料:2〜5% ※販売先の国によって異なる |
日本語サポート | あり |
Lazada
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画像引用:Lazada Japan
2012年に設立され、2016年にAlibabaグループの傘下となった「Lazada(ラザダ)」は、東南アジア主要6カ国(シンガポール・インドネシア・マレーシア・タイ・ベトナム・フィリピン)で展開する大手ECプラットフォームです。月間アクティブユーザー数は約1.6億人(2023年)です(出典:Lazada プレスリリース)。
Lazadaは、Alibabaグループの先進的な技術基盤を活用し、越境EC専用の物流ハブを整備しています。一度の商品登録で6カ国での販売が可能になるのが魅力です。配送手続きも、国内のLazada仕分けセンターに送るだけで済みます。
また、「LazMall」と呼ばれる正規品保証制度や、英語から現地の言語への自動翻訳機能などもあり、ブランド価値を重視する消費者からの信頼を獲得しています。
対応国 | シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン |
初期費用 | 無料 |
手数料 | 販売手数料:1〜4% ※商品カテゴリによって異なる 決済手数料:売上総額の2% |
日本語サポート | あり |
Bukalapak
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「Bukalapak(ブカラパック)」は、インドネシア発のECプラットフォームで、特に地方都市や中小企業との取引に強みを持ちます。
Bukalapakの最大の特徴は、インドネシア国内の実店舗との連携「O2O(Online to Offline)」戦略です。インドネシアには「Warung(ワルン)」と呼ばれる、屋台などの小規模店舗が多くありインドネシア経済を支えています。インドネシアで銀行口座を持っていない成人は23.7%(カケモチ株式会社 2024年)にも上りますが、Warungに決済や在庫管理のデジタル化を促したのがBukalapakです。これにより地方都市への独自の配送網を構築するなど、新たなビジネスチャンスを生んでいます。
また、イスラム教徒向け商品の品揃えが充実しており、現地の主要な決済手段にも幅広く対応し、現地の消費者の利便性を高めています。
対応国 | インドネシア |
初期費用 | 無料 |
手数料 | 1.5〜6% |
日本語サポート | なし |
TikTok Shop
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画像引用:TikTok Shop Partner Center
2023年に本格展開を開始した「TikTok Shop」は、SNSとECを融合させた新しい形態のプラットフォームです。東南アジアでは特にインドネシア、タイ、ベトナムで急速に成長しています。
TikTok Shopは、インフルエンサーマーケティングとの親和性が極めて高く、商品の魅力を動画で効果的に伝えることができます。TikTokユーザーの70%がTikTokで新しいブランドや商品を発見しており、83%が購入に影響を与えると回答しています(出典:TikTok Shop)。
TikTokは特に10代後半から20代の若年層への強いリーチ力を持っており、若年層が多い東南アジアでは今後も重要なマーケティングツールとなることが予想されています。
対応国 | インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム |
初期費用 | 無料 |
手数料 | 利用国ごとに異なる |
日本語サポート | なし |
Shopify
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画像引用:Shopify
世界175か国以上で使用されている「Shopify」は、50以上の言語と130を超える通貨に対応しているため越境ECを始めやすいECプラットフォームです。
海外発送の際の送料設定や関税・税金の計算、送り状やインボイスの作成などの手続きを簡単に行えます。
また、強力なマーケティング機能を備えており、Facebook広告やGoogle広告と連携しながら広告を自動作成することも可能です。海外展開を進めて売上を増加させることを目指せます。
対応国 | 175か国以上 |
初期費用 | 0円 |
手数料 | 利用国ごとに異なる |
日本語サポート | あり |
決済代行サービス「KOMOJU」は、ShopifyなどのECプラットフォームと簡単に連携できます。ただし、一部のECプラットフォームには連携できない場合がありますので、対応可能なプラットフォームについては以下をご確認ください。
東南アジア各国の特徴
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各国の市場特性や消費者特性を理解することで、より効果的な市場参入戦略を立てることができます。
シンガポール|高い経済力と消費力
シンガポールは、約590万人 という比較的小規模な人口ながら、一人当たりGDP約84,734米ドル(2023年)という高い経済力を誇り、東南アジアのEC市場を牽引しています。
デジタル化が進んだシンガポールでは、インターネット普及率が人口の約96.9%で、84.7%がSNSを日常的に利用していることも特徴です(出典:Digital 2023 Singapore)。YouTubeとLinekdlnのユーザーが多く、決済方法もクレジットカード・PayNow・GrabPayなどの電子決済が一般的です。
また、多言語・多文化社会で英語が広く普及しているため、ビジネスコミュニケーションが比較的容易です。中華系・マレー系・インド系など多様な民族で構成される社会特性は、他の東南アジア諸国への展開を見据えた際の貴重なテストマーケットとしても機能します。
さらに、シンガポールは物流インフラが充実しており、通関手続きも比較的シンプルです。例えば、CIF価格が400シンガポールドル以下の場合は免税となるため、中小規模の越境EC事業者にとって参入障壁が低いという利点があります。
マレーシア|成長する富裕層と中間所得層
約3,300万人 の人口を擁するマレーシアは、一人当たりGDP約12,570米ドル(2023年)を誇り、着実な経済成長を遂げている新興市場です。特に、富裕層と中間所得層の拡大により、品質の高い日本製品への需要が急速に高まっています。
デジタル化の進展は目覚ましく、インターネット普及率は96.8%です。特にSNS利用率は78.5%と高く、TikTokとYouTubeのユーザーが多く占めています(出典:Digital 2023 Malaysia)。
イスラム教徒が人口の約60%を占め、民族もマレー系・中華系・インド系と多様で、ニーズの幅が広いのが特徴です。日本のポップカルチャーへの関心が非常に高く、特に若年層の間で日本製品のブランド価値が確立されています。
インドネシア|世界第4位の人口を誇る巨大市場
約2億8,160万人 という世界第4位の人口を有するインドネシアは、一人当たりのGDPは約4,920米ドル(2023年)です。その成長性から、東南アジアにおける最も重要なEC市場の一つとなっています。
インターネット普及率は77%に達しています。全人口の60.4%がSNSを活用しています(出典:Digital 2023 Indonesia)。YouTube・TikTok・Facebookのユーザーが多いです。また、EC化率も中国とイギリスに次ぐ世界第3位で、今後もECでの活発な取引が予想されます(電子商取引に関する市場調査 令和5年度)。
イスラム教徒が人口の約90%を占めることから、ハラール認証製品への需要が高いのが特徴です。また、平均年齢が約30歳と若い人口構成を活かし、SNSを活用したマーケティングが効果的です。特にTikTokやInstagramでのライブコマースは、売上の大きな原動力となっています。
フィリピン|若く、デジタルネイティブな消費者層
約1億903万人 の人口を持つフィリピンは、一人当たりのGDPは約3,868米ドル(2023年)です。平均年齢24歳(2024年)という若い人口構成が、デジタル消費の急速な普及を後押ししています。
ECサイト利用率は54%、インターネット普及率は73.1%と着実に上昇しており、人口の72.5%がSNSを利用しています(出典:Digital 2023 The Philippines)。また、モバイル決済の普及でオンラインショッピングの利便性が大きく向上しており、今後EC市場の成長が加速すると予測されています。
英語が第二言語のため、日本企業にとっては出店しやすいのもポイントです。FacebookやYouTubeなどの利用者数が多く、インフルエンサーマーケティングが特に効果的です。
まとめ|各国の特徴を理解し越境ECで東南アジアへ進出
東南アジアのEC市場は、若い人口構成、デジタル化の進展、中間所得層の拡大により、今後も持続的な成長が期待されます。東南アジア市場で成功するためには、各国の市場特性や現地の文化、消費習慣を理解し、宗教的な禁止事項にも配慮することが大切です。
その上で、適切なECプラットフォームを選択し、現地に合わせた決済手段を導入しましょう。決済代行サービス「KOMOJU」は東南アジアで利用されている決済手段をまとめて導入できます。初期費用・月額費用が無料で、すぐに利用開始できます。あわせてご検討ください。
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KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。