越境ECとは?メリットや決済方法をわかりやすく解説

越境ECとは?メリットや決済方法をわかりやすく解説

目次

商品を海外に販売していきたい際に活用したい手法が「越境EC」です。ECサイトと聞くと国内向けの販売サイトをイメージされる方が多いかもしれませんが、越境ECを活用することで、日本にいながら海外在住者に向けて商品を販売することが可能です。

本記事ではこの越境ECについて概要や仕組み、メリット、始める手順などを解説していきます。越境ECに興味がある方、海外へ販路を拡大したい方はぜひ一読してみてください。

越境ECとは?

越境ECとはインターネットを使って日本から海外に商品を販売していく電子商取引のことです。これまで日本で展開しているECサイトは、主に国内向けに商品を販売していました。ただAmazonやShopifyなどグローバルに展開するECプラットフォームの進化により、越境ECに取り組む企業が増えてきています。

国内のみならず、海外在住者を対象として商品を販売できる点が、越境ECの特徴になります。日本に本拠を構えながら手軽に海外へ向けて商品を販売可能です。

越境ECの市場規模

越境ECで販売する商品

越境EC市場は年々拡大を続けています。経済産業省が公表している「令和元年度内外一体の経済戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査) 」によると、2020年時点の世界における越境ECの市場規模の推計値は「9,123億USドル」となっており、2027年には「4兆8,561億USドル」まで成長すると予想されています。

日本企業の越境ECでの販売先は「中国」「アメリカ」が上位を占めています。市場規模で見ると中国が「19,348億USドル」、アメリカが「5,869億USドル」です。今後もこの2か国を中心に日本の越境EC市場が拡大していく可能性が高いでしょう。

越境ECの仕組み

越境ECは海外在住のユーザーをターゲットにするため、「多言語サイト」「多通貨決済」「海外発送」の3本軸が必須になります。

多言語サイトでは複数の言語でサイト表示を行います。現在ではネットの自動翻訳でサイトページを自動で翻訳してくれますが、翻訳の精度は正直クオリティが低いです。商品情報や会社情報が誤って翻訳されてしまう可能性もあるので、言語ごとにサイトを構築する方が安心です。サイトから注文が入って決済・発送を行う点は国内ECと同じです。

ただし、越境ECでは海外通貨に対応した決済手段を導入する必要があります。ターゲットとする国が多数になるほど対応通貨の種類も増えてきます。クレジットカード決済がすべての国で普及している訳ではないので、各国通貨ごとの決済代行は必須です。

海外発送では送料・配送日数が国内発送と大きく異なってきます。国の流通事情によっては送料が商品価格以上にかかることも少なくありません。国ごとに送料が異なってくるので、各国への送料を加味して価格設定をする必要があります。

越境ECのメリット

越境ECを活用するメリット

越境ECのメリットとして下記の3点が挙げられます。

  • 販路を海外へ広げられる
  • 店舗運営のコストがかからない
  • 販売商品の種類を増やしやすい

メリット1:販路を海外へ広げられる

越境ECを利用することで販路を海外へ拡大することが可能です。販路を海外に広げることで海外ユーザーを取り込み、一気に売上を伸ばすことも十分狙えます。

メリット2:店舗運営のコストがかからない

越境ECでは店舗運営のコストがかかりません。海外で実店舗を設けて商品販売するとなると、賃貸費用・仕入れ費用・人件費など様々な費用が発生してきます。慣れていない土地で店舗運営をするストレスも大きくかかってくるでしょう。これらの点を踏まえると、海外で販売経験がない企業が、いきなり店舗を海外に設けるのは失敗するリスクが高いです。

越境ECであれば海外に店舗を設けずに商品販売を行えます。日本に本拠を置きながら海外に商品を販売できる点が、越境ECの強みです。

メリット3:販売商品の種類を増やしやすい

越境ECでは販売する商品の種類も増やしやすいです。店舗を持たずに手軽に商品を発送できるので、様々な商品を試して販売していくことができます。販売した商品の中から海外ユーザーの需要が高い商品を絞っていけば、より効率よく商品販売を進めることが可能です。

越境ECのデメリット

越境ECを活用するデメリット

越境ECにはメリットのみならずデメリットもいくつか生じてきます。以下が越境ECを実施するデメリットです。

  • 海外言語に対応する必要がある
  • カード決済が利用できない国もある
  • 国際輸送、外国の法律の把握が必須

デメリット1:海外言語に対応する必要がある

越境ECを行うためにはターゲットとなる国の言語に対応する必要があります。サイト表示の言語はもちろんのこと、ユーザーからの問い合わせに対しても海外言語で対応しなければなりません。海外言語に精通した人材が必要になってくるため、人材確保の費用や人件費もかかってきます。

デメリット2:カード決済が利用できない国もある

主要先進国であればクレジットカード決済が普及していますが、発展途上国の場合だとクレジットカードが普及していない国もあります。ターゲットとする国でカード決済が普及していない場合は、現地で普及している決済手段を導入しなければなりません。

デメリット3:国際輸送、外国の法律の把握が必須

越境ECでは国外へ商品を配送するため、国際輸送の知識は必須となります。現地の物流事情・配送手段についても知っておく必要があり、正確な情報を把握するまでに時間を要することもあるでしょう。

また、現地のビジネス関連法律についても把握しておく必要があります。扱う商品によっては現地での販売が制限されていることもあるので要注意です。

越境ECの始め方

越境ECを始めて商品を販売する

越境ECは大まかに下記のステップに沿って始めていきます。

①商品の準備

②ターゲット国の選定

③法律・各国事情・配送手段の確認

④越境ECプラットフォームの選定 or ECサイトの構築

⑤配送方法の決定

⑥販売スタート

ステップ1:商品の準備

越境ECを始める際は、まず商品の準備から取りかかりましょう。国内向けに販売している既存商品を越境ECで扱う場合は、どの商品が海外ユーザーに刺さるかリサーチすることが重要です。最初は商品を絞りすぎずに複数の種類を扱って、海外ユーザーからの人気度をチェックするものおすすめです。

ステップ2:ターゲット国の選定

次にターゲット国の選定を行います。国の人口や年齢構成、流行、生活習慣などを総合的に加味してターゲット国を決めていきます。日本人の感覚のみだと海外の文化的な部分までは見えづらいので、現地の情報を仕入れたり、アンケートを活用したりして情報を集めましょう。

ステップ3:法律・各国事情・配送手段の確認

ターゲット国を選定したら、具体的な法律・各国事情・配送手段の確認を行いましょう。特に法律に関しては日本と異なる内容であるケースが多いので注意してください。自社ですべて確認するのが難しい場合は、専門家に相談して確認するのがおすすめです。

ステップ4:越境ECプラットフォームの選定 or ECサイトの構築

越境ECで実際に商品を販売していく際は「越境ECプラットフォーム」を利用するか、もしくは自社でECサイトを構築する必要があります。越境ECプラットフォームには様々な種類があるので、ターゲット国やユーザー層に合わせて選定することが重要です。有名どころのプラットフォームだと、中国の「天猫国際(Tmall Global)」や東南アジアの「Lazada」、欧米の「eBay」などが挙げられます。

自社でECサイトを構築する場合は、海外ユーザーに対応した多言語サイトを構築する必要があります。手軽に越境ECを始めたい場合は、越境ECプラットフォームを利用した方が手間がかからずおすすめです。

ステップ5:配送方法の決定

次に配送方法を決めていきます。越境ECの配送方法は「日本郵便」と「クーリエ便(国際宅配便)」がメジャーです。日本郵便は世界120か国への郵送に対応しています。配送料も比較的安いので、費用を抑えて配送したい場合におすすめです。ただし日本郵便では配送できるサイズ・形状に制限があるので、利用前に確認するようにしましょう。

クーリエ便は日本郵便よりも配送料が高いですが、高額商品の補償制度が付いているので万が一の事態に遭遇しても損失を出さずに済みます。またサイズ・形状の制限もクーリエ便にはありません。費用が多少かかっても利用のしやすさにこだわりたい場合はクーリエ便の方が良いでしょう。

ステップ6:販売スタート

配送方法が決定したらいよいよ販売スタートです。販売を進めていく中で配送トラブルや商品トラブルが少なからず生じてきますので、すぐに対応できる体制を整えておきましょう。

越境EC成功のポイント

越境ECを成功させるためには下記の4点がポイントになります。

  • 言語
  • 決済・通貨
  • 配送・物流
  • 関税

ポイント1 言語

越境ECを成功させるためには、ターゲット国の言語にサイトを対応させる必要があります。商品情報や各種説明、問い合わせなどを現地の言語で対応しなければなりません。ターゲット国が複数の言語を扱う国であれば、その分対応する言語数も増えてきます。

外国企業が運営する日本人向けECサイトを見ると分かりますが、不自然な日本語になっているサイトも少なくありません。ネイティブが見ても自然な言い回しになるよう、外国言語に精通した人、もしくはネイティブの外国人に多言語サイトの構築を任せた方がよいでしょう。

ポイント2 決済・通貨

ターゲット国に合わせた決済手段・利用可能な通貨で決済できるよう対応する必要もあります。国によってはクレジットカード決済が一般的でない国もあるので注意してください。現地通貨での決済に対応するためにも、越境ECに対応した決済代行サービスを導入するのがおすすめです。決済代行サービスを導入すれば、決済管理や売上金の出金も手軽に行えます。

ポイント3 配送・物流

ターゲット国への配送方法や物流事情についても正確に把握しておきましょう。物流ネットワークが整備されていない地域だと、実際に商品が購入者の手元に届くまで時間を要してしまいます。また配送料も変わってくるので要注意です。

コスト削減重視か、それとも配送スピード重視かで選択すべき配送方法も変わってきます。どの配送方法を利用するか慎重に検討しましょう。

ポイント4 関税

海外へ商品を発送する場合、商品の種類・重量によっては関税が発生してきます。関税率によっては販売金額を見直さないと利益額が減ってしまう可能性もあるので注意してください。越境ECで扱う商品が課税対象になっていないか必ず確認しましょう。

また国によっても関税事情は異なります。複数の外国をターゲットに越境ECを展開する場合、各国の関税ルールをそれぞれチェックしてください。

越境ECの成功事例

越境ECの成功事例

次に越境ECの成功事例について見ていきましょう。今回紹介する越境ECの成功事例は下記の2つです。

  • SAMURAI STORE
  • Tokyo Otaku Mode

事例1:SAMURAI STORE

(引用元:https://www.samurai-store.com/)

SAMURAI STOREは日本の甲冑のレプリカを専門に扱っている越境ECです。SAMURAI STOREのサイトは2002年に開設されました。

日本の侍は外国人に非常に人気で、日本人以上に甲冑に興味を持っている人が大勢います。このようなニーズを狙ってSAMURAI STOREは甲冑の販売をいち早くスタートしました。

ニッチな分野ではありますが、外国人のニーズを的確に狙った越境ECの好例としてSAMURAI STOREは参考になります。現在はSAMURAI STOREと同様に甲冑を販売する越境ECも増えていますが、越境EC黎明期からサイトを展開していることもあり、今なお甲冑販売サイトとしての地位を堅持しています。

外国人のニーズを満たす商材をいかに見つけるか、そして他社に真似される前に展開できるかが越境ECの成功で重要なことが、SAMURAI STOREの事例から分かります。

事例2:Tokyo Otaku Mode

越境ECのTokyo Otaku Mode

(引用元:https://ja.otakumode.com/)

Tokyo Otaku Modeでは外国向けに日本のアニメ・漫画などのグッズを販売している越境ECです。アニメ・漫画のキャラクターとコラボした日用品やアパレル、キッチン用品などを販売しています。

漫画・フィギュアの購入もTokyo Otaku Modeで可能となっており、日本のアニメ・漫画カルチャーに興味のある外国人ユーザーのニーズを掴むことに成功しています。

漫画・アニメのグッズは通常のECサイトでも購入できますが、ポップカルチャーの商品を一つのECサイトに集約している点が、Tokyo Otaku Modeの強みといえるでしょう。

まとめ

越境ECに向けた戦略会議

越境ECを活用することで、海外ユーザーを対象に手軽に商品を販売することができます。海外に実店舗を設ける必要もないので、初期費用を抑えてEC展開することが可能です。国内のみならず海外へ販路を拡大していきたい場合は、ぜひ越境ECにチャレンジしてみてください。

KOMOJUのブログでは「越境EC」以外にもオンライン決済サービスの導入についてさまざまなトピックをご紹介していますので、ショップ運営の参考にしてください。

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