
この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。
近年、世界的な環境意識の高まりを背景に、リサイクル・リユース市場は急速な成長を遂げています。循環型社会への移行が進むなか、日本の企業にとって新たなビジネスチャンスが広がっています。
日本のリサイクル・リユース市場規模は環境意識の高いZ世代やミレニアル世代の台頭により2023年に3兆円を突破し、2030年には4兆円まで拡大する見通しです。海外市場では「ユーズド・イン・ジャパン」というブランド価値も確立されつつあります。
今回の記事では、「世界的なリサイクル・リユース市場の現状」「越境ECで人気の商品」「サステナブルな事業戦略」をまとめました。さらに、「将来の市場展望」「成功事例として実際に越境ECでリユース品を販売している事業者の体験談」も紹介します。
本記事を読めば、越境ECにおけるリサイクル・リユース市場の現状や可能性を深く理解できます。まずは世界的なリサイクル・リユース市場の動向を把握し、自社の強みを活かせる商品カテゴリーを見極めましょう。
日本のリサイクル・リユース市場の成長と背景

参考:環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室「令和3年度リユース市場規模調査 報告書」、リユース経済新聞リユース業界の市場規模推計2023(2022年版)、環境省「リユース等を取り巻く社会動向とこれまでの環境省の取組」、DGコマース「リユース業界の市場規模は4兆円に拡大する?最新動向と将来性2024」
日本のリサイクル・リユース市場規模は2009年から14年連続で拡大を続け、2023年には3兆円を突破しました。リサイクル・リユース市場の成長の背景には、SDGsやエシカル消費に対する消費者の世界的な意識の向上があります。
SDGsは、2030年までに達成することを目指す17の持続可能な開発目標で、環境問題や貧困などの解決に向けた国際社会の指針です。エシカル消費は社会・環境・人権などに配慮し、フェアトレード商品・リサイクル品・地産地消の商品を選ぶ倫理的な購買活動です。
SDGsやエシカル消費の浸透により、各国では大量生産・大量消費・大量廃棄の社会から循環型社会への転換が進んでいます。その結果、2025年には日本のリサイクル・リユース市場規模は3兆2,500億円に達し、2030年には4兆円規模まで拡大する見通しとなっているのです。
リサイクル・リユース需要増加の背景-環境と経済の要因

若い世代の意識の変化と円安などの経済的な要因により、リサイクル・リユース市場は急速に拡大しています。
環境意識の高まりを示す一例として、若い世代の60%以上が環境配慮型商品を積極的に購入する傾向があげられます。GfKの調査によるとアメリカのZ世代は環境配慮型商品に対し、通常価格の2倍までなら支払う意欲があるとのことです。Z世代・ミレニアル世代の意識変化が、環境に優しくサステナブルなリサイクル・リユース市場が拡大している理由のひとつです。
また、タイをはじめとする海外市場では、日本製の中古品が「ユーズド・イン・ジャパン」というブランド価値を確立しています。さらに、日本製品は品質が高く状態が良好であるため、実用性と価格のバランスの面でも高い評価を得ています。
くわえて、円安によって日本からの輸出品が海外ではリーズナブルな価格になるのも市場拡大の要因です。さらに、インターネットインフラの整備や機械翻訳の精度向上により、海外からの商品購入がより容易になりました。
参考:オルタナ「日米のZ・ミレニアル世代、高い環境意識浮き彫りに」,note「タイで日本の中古品が爆買い|織原松治」,DIAMOND online「‘Used in Japan’ trend boosts ‘Japan brand’ in overseas markets」
越境ECで売れるリサイクル・リユース商品

各国で若い世代の93%が物価高騰を理由に中古品の売買を選択しており、リユース商品の需要は着実に拡大しています。
たとえば、欧州市場では、リユース商品の取引全体に占める割合が現在の10%から14%まで上昇すると予測されています。スマホなどの電子機器分野では、リユース品とリファービッシュ品をあわせて11%のシェアを獲得する勢いです。
また、日本製の家電製品やカメラには耐久性と性能の高さから、アジア市場を中心に安定した需要があります。フィギュアやゲーム機などのホビー関連商品にはコレクターズアイテムとしての価値が認められ、世界的に活発な取引が行われています。
参考:eClear「Cross-border Re-Commerce marketplaces in Europe」
越境ECにおけるリユース品販売のサステナブルな事業戦略
越境ECにおけるリユース品販売は、環境配慮型の包装材と持続可能な輸送方法により、サステナブルな事業展開を実現できます。
たとえば、堆肥化可能な封筒や再利用できる梱包材を採用すれば、環境負荷を低減した配送を実現できます。また、クラフト紙・更紙・ボーガスペーパーなどの再生紙を使用した緩衝材は、環境への配慮とコスト削減を両立させることが可能です。
国際宅配便サービス「DHL」はカーボンニュートラルを目指し、2030年までに輸送車両の60%を電動化する予定です。そのため、DHLを配送業者として選択すれば、環境負荷の小さい持続可能な配送方法を選んでいることになります。
海外展開を視野に入れた事業者は、環境配慮型の包装材とカーボンニュートラル配送サービスを組み合わせた戦略を展開しましょう。
参考:Shopify「サステナブルなエコパッケージのアイデア6選(2024年版)」,DHL「Yellow Goes Green:DHL「ミッション2,050」への取り組み」
サステナビリティ関連商品の販売の成功事例-越境ECで広がるリユース市場
サステナビリティ関連商品を販売している3つの事業者に、インタビューをしました。
- Normart(ノルマート)
- Collect ANTIQUE & VINTAGE
- 北欧食器Tacksamycket
サステナビリティ関連・リサイクル・リユース市場の将来性について、業界当事者の意見をぜひ参考にしてください。
Normart(ノルマート)
www.normart.jp
Q:サステナビリティ関連の商品を販売するに至ったきっかけを教えてください。
北欧諸国から、モノを大切に扱い次世代に受け継ぐ価値観の素晴らしさを学びました。モノを大切にする姿勢が心の豊かさにつながると実感し、日本の方々にもその思いを伝えていきたいという想いが原点です。
Q:サステナブルな商品を取り扱うときに、商品の基準としてもっとも重要視していることを教えてください。
商品が持つ価値を適切に伝えられるかどうかを最重要視しています。とくにヴィンテージアイテムは一点物という特性があり、製造上の理由以外にも、商品が持つ背景や価値を的確に伝えられるかが買い付け時の重要な判断基準となっています。
Q:今後、サステナビリティ関連の商品ビジネスについて、どのような展望をお持ちですか?
現在、ヴィンテージ品は「贅沢品」というイメージが強いかもしれません。しかし、日常生活に取り入れると暮らしがより豊かになり、やがて必要不可欠な存在となります。そのため、ヴィンテージ品をより身近に感じられる取り組みを積極的に展開していく予定です。暮らしに溶け込むヴィンテージの魅力を、より多くの方々に体験していただけるよう努めていきます。
Collect ANTIQUE & VINTAGE
collect-antique-vintage.jp
Q:サステナビリティ関連の商品を販売するに至ったきっかけを教えてください。
環境への関心が高まるなか、日本ではまだニッチな市場である海外ヴィンテージ家具の輸入販売に魅力を感じました。主な仕入れ先となるアメリカやヨーロッパでは、ヴィンテージ家具を生活に取り入れる習慣が当たり前になっています。
Q:サステナブルな商品を取り扱うときに、商品の基準としてもっとも重要視していることを教えてください。
商品のコンディションと年代物としての価値を重視して選定しています。また、一般のお客様から法人のお客様まで、業種を問わず幅広いニーズに応えられる商品かどうかを慎重に見極めています。
Q:今後、サステナビリティ関連の商品ビジネスについて、どのような展望をお持ちですか?
国内トップクラスの商品保有量を目指し、法人のお客様への販売やレンタル、リースの強化を進めています。また、ECサイトを入口として、より多くのお客様に認知していただけるよう、SNSや広告での宣伝活動も積極的に展開していきます。
北欧食器Tacksamycket
tacksamycket.jp
Q:サステナビリティ関連の商品を販売するに至ったきっかけを教えてください。
スウェーデンに滞在していた際、サステナブルな価値観が日常に根付いていることに気づきました。
特に北欧では、同じ食器を3世代にわたって受け継ぐ文化があり、耐久性の高いヴィンテージ食器が愛用され続けています。
一方、日本の消費者は新品の食器を好む傾向が強いため、リユースの価値観を広めることで持続可能な消費を促進できると考え、北欧ヴィンテージ食器の販売を始めました。
Q:サステナブルな商品を取り扱うときに、商品の基準としてもっとも重要視していることを教えてください。
日本の消費者心理を考慮し、できるだけ「新品に近い」状態のヴィンテージアイテムを選定しています。
そのため、使用感のあるものではなく、北欧で使用されずに倉庫に保管されていたデッドストック品を中心に仕入れるよう努めています。また、市場に流通しているヴィンテージアイテムとの差別化を図るため、希少性の高い商品を厳選し、価格競争を避けながら独自の価値を提供できるようにしています。
Q:今後、サステナビリティ関連の商品ビジネスについて、どのような展望をお持ちですか?
北欧ヴィンテージ食器を単なるリユース品としてではなく、芸術的価値を持つアイテムとして広めていきたいと考えています。そのため、商品の販売に加え、北欧のデザインや文化を伝えるイベントや情報発信を強化し、より多くの方にその魅力を知っていただく機会を増やしたいです。また、サステナビリティの観点からも、長く愛用できる商品の魅力を伝え、市場の拡大と消費者の意識向上に貢献していきたいと考えています。
越境ECのリサイクル・リユース販売の展望とビジネスチャンス
欧州のリユース市場規模は2021年には750億ユーロでしたが、2025年には1,200億ユーロと60%の成長が見込まれています。アメリカにおいても2020年には320億ドルでしたが、2025年には2,260億ドルと6倍以上に急拡大する見通しがあるのです。

電気自動車関連では2030年までに120万個のバッテリーが寿命を迎え、リユース需要が96GWhとなると見込まれます。また、アジア市場では中国が電子廃棄物の70%を受け入れ、インド・パキスタン・マレーシア・ベトナムでもリサイクル需要が拡大傾向です。
越境ECを目指す企業は、リユース・修理・再製造などの循環型ビジネスモデルを積極的に導入しましょう。
参考:eClear「Cross-border Re-Commerce marketplaces in Europe」,メルカリ「メルカリUS 2023年度リユースレポート」,The International Council on Clean Transportation「Scaling up reuse and recycling of electric vehicle batteries: Assessing challenges and policy approaches, EZ On The Earth「How the Future of Recycling Will Transform E-Waste Management」
まとめ | リサイクル・リユース市場を見極めて越境ECを検討しよう!
世界的なSDGsやエシカル消費の浸透を背景に、日本のリサイクル・リユース市場は14年連続で拡大を続けています。環境への配慮と倫理的な購買活動はさらに広がり、2030年には4兆円規模まで成長する見込みです。
若い世代の60%以上が環境配慮型商品を積極的に購入する傾向があり、Z世代は通常価格の2倍までなら支払う意欲を示しています。また、物価高騰の影響で若い世代の93%が中古品の売買を選択し、欧州市場ではリユース商品の取引割合が14%に上昇する見通しです。拡大する市場でビジネスチャンスをつかむため、越境ECを目指す企業は、サステナブルな事業展開を意識しましょう。
越境ECを成功させるためには、信頼性の高い決済代行サービスの導入が不可欠です。「KOMOJU」は個人事業主から大企業まで、さまざまなEC事業者向けに便利で安心な決済代行サービスを提供しています。多通貨対応や強固なセキュリティ機能を備え、海外市場への進出をスムーズにサポートします。越境ECを始める際は、ぜひ「KOMOJU」の導入を検討してみてください。

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。