【ECサイト運営の基本】業務内容や担当者に必要なスキルを解説

ECサイト 運営
最終更新日:2023 年 06 月 14 日

目次

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。

ECサイトを効率よく運営するには、業務の内容や性質を知っておくことが大切です。いつどんな業務が発生するかわかれば担当者ごとに役割分担しやすく、ECサイトの運営を最適化できます。

「複数人でECサイトを運営したいが、どう役割分担するべきか?」

「そもそもどんな業務が発生するべきか?」

「ECサイトの運営にどんなスキルが必要か?」

このような悩みを抱えている事業者に向けて、本記事ではECサイト運営に必要な基本的な情報をご紹介します。業務内容はもちろん、運営を成功させるためのポイントや費用なども解説するので、お役立てください。

ECサイトの運営業務は2種類ある

ECサイトの運営業務

まずは、ECサイトの運営業務を解説します。業務は「フロントエンド業務」と「バックエンド業務」とに分けることができ、それぞれ役割が異なるので注目しておきましょう。

フロントエンド業務

フロントエンド業務とは、ECサイトのうち直接ユーザーの目に触れる部分を設計・構築・カスタマイズする業務です。

ECサイトを立ち上げたばかりのときは、知名度を上げるためにユーザーの流入増加を意識します。プロモーションやキャンペーンを打ってユーザー数を増やしたり、魅力的な目玉商品を扱ってユーザーの関心を引いたりすることが大切です。

また、サイトデザインに工夫を凝らすのもフロントエンド業務の一環です。流入してきたユーザーを離脱させることなく、商品の購入や相談などコンバージョンへとつなげるには、デザインの工夫が欠かせません。わかりやすくシンプルなデザインはサイト内を移動しやすく、オリジナリティあるデザインはブランドイメージや企業理念が伝わります。

バックエンド業務

バックエンド業務とは、ECサイトのなかでもユーザーの目には触れない部分を設計・構築・カスタマイズする業務です。具体的には、サーバーやデータベースの管理、ECサイト全体の保守・運用・点検などが含まれます。

また、ユーザーの住所やクレジットカード番号など貴重な個人情報を管理するのもバックエンド業務の一環です。安心して利用できる、セキュリティレベルの高いECサイトにするにはバックエンドに関する優れた知識が欠かせません。ECサイト運営を陰から支える業務だと理解しておきましょう。

ECサイト運営におけるフロントエンド業務の内容

ECサイトのフロントエンド業務

ここからは、フロントエンド業務とバックエンド業務の代表的な仕事内容をお伝えします。まず、フロントエンド業務について解説するので、チェックしてみましょう。

1. 商品企画

ECサイト運営で特に重要視される商品企画は、「どんなターゲットに向けて」「どんな商品を」「いくらで販売するか」を考えるのが業務です。ユーザー像を洗い出し、ユーザーのニーズに応えます。また、トレンドや競合他社の動向をリサーチするなど、マーケティングの知識を活用することも多いです。

時にはキャッチーな目玉商品をラインナップに加えて新規ユーザーの獲得に貢献したり、リピーター割やクーポンの発行を企画してリピーターを増やしたりすることもあります。柔軟なアイディアと発想力があると、商品企画がやりやすくなるでしょう。

2. 仕入れ/製造

企画に合った商品の仕入れ・製造計画を作成し、安定した供給ができるよう対策します。利益を出せる仕入れ額になるよう取引先と交渉したり、競合他社と比較して優位になるような価格設定にしたり、さまざまな戦略が求められます。

また、急なトラブルに備えて仕入れ先を複数確保するなど、リスクマネジメントも求められるのがポイントです。モノを扱うECサイトとして安定した運営ができるよう、対策していきましょう。

3. ECサイト制作・管理

ECサイトを制作・管理するのも、フロントエンド業務に含まれます。ユーザーの目を惹きやすいトップページになるようデザインしたり、直観的に操作できる使いやすい作りにしたりすることがポイントです。デザイナーやライターなどの専門職と連携しながら、ユーザーファーストなECサイトになるようテストを繰り返します。

また、取り扱い商品の登録・スペックやサイズ感など詳細の追記・写真撮影なども重要です。ユーザーが必要な情報へ確実にアクセスできるよう工夫しておけば、顧客満足度の向上やクレームの減少に役立ちます。

4. プロモーション

ユーザー獲得のために、プロモーションやキャンペーンを打ち出すこともあります。Web広告への出稿からインフルエンサーとのコラボレーションまで企画内容は幅広く、自社のターゲット層に響くプロモーションにすることが大切です。Web広告やSNSなどユーザーの流入経路であるチャネルについて詳しい人が担当するとよいでしょう。

実行の際は、プロジェクト全体のスケジュールや予算も管理します。マネジメントやリーダーシップも求められる業務であり、ディレクターとして活躍することも多いです。

ECサイト運営におけるバックエンド業務の内容

ECサイトのバックエンド業務

次に、バックエンド業務の詳細を解説します。直接ユーザーの目に触れないからこそイメージしづらい業務が多いので、下記をチェックしておきましょう。

1. 受注管理

受注管理では、注文内容の確認から出荷の指示までの全てを担当します。「注文してから商品が届くまで」をスムーズかつスピーディーにするのが大きな役割と言えるでしょう。

また、注文確認メールを自動送信するシステムや、注文内容と在庫状況をリンクさせるシステムを開発するのも重要な業務です。納品書の自動生成などにも取り組んでおけば業務を効率化しやすく、少ない工数で最適なECサイト運営ができるようになります。

2. 在庫管理

常に最新の在庫状況を把握し、商品の発注に役立てます。過剰な在庫を抱えて収益を圧迫したり、反対に慢性的な在庫不足で機会損失になったりしないよう、販売戦略に合わせて在庫を確保するのが大切です。

時にはフロントエンド業務担当者と売れ行き情報を共有し、販売戦略を立案することもあります。何がいつどんな人に売れているか、反対に売れていない商品がないかフィードバックすることで、より精度の高い計画が立てられるようになるのです。

3. 出荷・梱包

スピーディーかつ丁寧な出荷・梱包をおこない、顧客満足度を高めます。倉庫から商品を取り出すピッキングから配送会社との連携までをシステム化し、誤配送や遅延のないよう努めます。

無数のECサイトがある今の時代において、安心・安定の出荷システムがあることは大きな強みとなります。「梱包が丁寧で高級感がある」「スピードが早くて急ぎの注文でも使いやすい」など競合他社と差別化するポイントになることもあるので、コスト面とのバランスを考えつつ対策していきましょう。

4. 配送

梱包した商品を配送会社へと引き渡し、確実にユーザーの元へ届けるシステムを構築します。ECサイト立ち上げの際は配送会社の選定・交渉に参画することも多く、その後の収益に大きく関わってきます。

ユーザーが事務局に問い合わせることなく配送状況を確認できるよう工夫するなど、システム面で利便性を向上させるのも役割のひとつです。

5. アフターフォロー

顧客満足度を上げてリピーターを獲得するためには、万全のアフターフォローも欠かせません。ユーザーからの問い合わせ対応・アフターフォローメールの配信・リピーター割クーポンの発行など、内容は多岐に渡ります。

また、ECサイト上でのレビューやSNSへの口コミ投稿を促進する施策も効果的です。ファンや新規ユーザーを獲得するきっかけにもなるほか、今後の商品ラインナップや開発計画に活かすこともできます。

ECサイト運営にかかる費用

ECサイト運営費用

ECサイト運営には、主に下記の費用がかかります。

項目

費用の目安

システム開発費用

50万円~

サーバー費用

月額1,000円~10万円

ドメインの取得費用

年額2,000円~1万円

SSLサーバー証明書の取得費用

年額1,000円~15万円

決済代行会社への手数料

売上額の3%~5%

人件費

1人当たり月20万円~50万円

構築するECサイトのボリュームにより、費用は異なります。

また、実務を専門の代行会社に外注する場合やコンサルタントにアドバイスを求めたりする場合は、別途コストが生じるので注意しましょう。ECサイトを始める際は、初期費用だけでなく成長後のランニングコストも視野に入れておくことが大切です。

ECサイト運営担当者に必要な4つのスキル

ECサイト運営に必要なスキル

ECサイト運営担当者には、市場のトレンドやターゲットの属性を理解したうえで販売戦略に落とし込む、高いスキルが求められます。

ここでは、特に身につけておきたい4つのスキルを紹介します。フロントエンド業務でもバックエンド業務でも必要なスキルなので、自身のスキルと比較してみましょう。

1. Webマーケティングスキル

Webマーケティングスキルとは、マーケティング・Webの特性・Web構築・情報収集・Web広告運用についての知識力や技術力のことです。Webマーケティングスキルがあると、ECサイトの最適化に必要な下記の情報を確実にピックアップできるようになります。

  • ユーザーの流入経路(どうやってECサイトまでたどり着いたか)
  • 離脱率(どのくらいのユーザーがECサイトから離れたか)
  • 回遊率(ユーザーが同じサイト内での他のページに、どのくらいアクセスしたか)
  • 検索キーワードごとのボリューム(検索エンジンでECサイト内のキーワードがどのくらい検索されたか)
  • 競合他社の情報
  • 市場トレンド

 

Webマーケティングスキルによって得た情報をもとに販売戦略を立てたり、SEO施策を考案したりすることもでき、よりユーザーを獲得しやすくなるでしょう。効率よく自社ECサイトの知名度を上げたいときや、コンバージョン率を上げて収益につなげたいときには、Webマーケティングスキルは必須です。

2. クリエイティブスキル

操作性が高くわかりやすいECサイトにするためには、クリエイティブスキルも求められます。画面上のどこにどんなテキスト・画像を配置するか、どんな流れでページを組み立てるかなど、ユーザー目線で考えながらECサイトを構築します。

画像加工・デザイン・ライティング・コーディングなどのスキルがあると、業務を外注することなく内製化できます。PhotoshopやIllustratorなどデザインに役立つソフトを駆使し、バナーやアイコンを作るスキルも大切です。

3. 商品企画スキル

競合他社より優位性のある商品を企画し、注目を集めるスキルも重要です。他にはないオリジナリティあふれる商品があればリピーターを獲得しやすく、ファンも育成しやすくなるでしょう。

自社のECサイトをどのように成長させたいか、長期的な戦略を反映しつつ商品企画にするのが大切です。

4. 顧客対応スキル

限られたコミュニケーションのなかでも、ユーザーが何を求めているか瞬時に理解し、アフターフォローに反映させるスキルも必要です。例えば、クレームに対しスピーディーかつユーザーファーストな対応ができれば好印象が残せて、リピーターの獲得につながるかもしれません。

また、担当者ごとに対応が変わることがないよう、組織全体で顧客対応のレベル感を合わせる必要もあります。個人のスキルはもちろん、組織のスキルを向上できるよう、マネジメントに力を入れていきましょう。

ECサイトの運営を成功させるためのポイント

ECサイト運営を成功させるポイント

ECサイトは、ただ開設して商品数を増やすだけでは発展しないことがほとんどです。ユーザーニーズや競合の情報を分析し、確実にECサイト運営に役立てていきましょう。

下記では、ECサイト運営を成功させるためのポイントを解説します。

1. 中長期的な視点でEC戦略策定する

ECサイトは、一朝一夕で爆発的な伸びを見せることが少ないのが特徴です。ユーザー数が安定するまでには時間がかかります。中長期的な戦略で運営コスト計画を立て、リピーター数を増やすことが得策です。

ユーザーを増やすには、ECサイトの立ち上げ期にはWeb広告への出稿やキャンペーンの連発など露出を多くします。少ないユーザーでも一人一人を大切にすることが、リピーターの増加やよい口コミにつながります。よい口コミが出回れば、コストをかけることなく新規ユーザーを呼び込めるでしょう。

2. 顧客や競合の分析

自社のターゲットとなるペルソナを設定し、顧客のニーズを可視化しましょう。普段どんな悩みを持っているのか、他にどんなサービスを使っているのか、生活リズムやSNSの使用状況などがわかれば施策を打ちやすくなります。

また、競合他社について分析し、自社の強み・弱みを浮き彫りにすることも大切です。自社ECサイトにしかできないことや優位性を増やしていけば顧客の離脱を防げます。分析ツールを活用し、短時間で効率よくデータを収集できる環境を作るのもおすすめです。

3. 購買に繋がる施策をおこなう

ECサイトの目標はあくまでも「コンバージョン(=購買)を獲得すること」であり、流入数を増やすだけでは収益に貢献できません。ある程度の流入数が確保できたら、購買につながる施策も立案しましょう。具体的には、下記のような施策が考えられます。

  • わかりやすい位置にカートボタンを設置する
  • 属性や過去の購買履歴に合わせてリコメンドを表示する
  • 在庫数やお届け日数を表示する
  • 豊富な決済手段を用意する
  • 口コミやレビューを見やすくする
  • クーポンやお得なキャンペーン情報を届ける

 

「お得に使える」「便利に使える」という実感を与えるECサイトは、利用率が伸びていきます。気になった商品を見つけてから決済するまでのうち、途中でユーザーをサイトから離脱させてしまう要素がないかもチェックしましょう。

ECサイト運営ノウハウを学べる書籍3選

ECサイト運営ノウハウを学べる書籍

最後に、ECサイト運営に役立つ書籍を紹介します。初心者にも役立つノウハウや収益向上に向けた具体的な施策を紹介している書籍も多いので、ぜひ参考にしてみましょう。

中島郁・南茂理恵『いちばんやさしいEC担当者の教本 人気講師が教える新任1年目に身につけたい実務と知識(いちばんやさしい教本)』

いちばんやさしいEC担当者の教本

EC業界に関する基本的な知識から、ECサイトの構成・運営・マーケティング・ブランディングまで幅広く学べる1冊です。基礎を学びたいEC担当者向けに作られており、実務と知識をリンクできるよう工夫されているのがポイント。本記事でも紹介したフロントエンド業務やバックエンド業務にも触れられているので、業務内容をより詳しく理解したい方にもおすすめです。また、これから求められるEC担当者像についての解説もあり、将来的に向けた対策がしやすくなるかもしれません。

株式会社これから『図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書』

図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書

ECサイト運営に必要な業務から、売上アップのコツまで幅広く学べる1冊。未経験の方にも分かりやすいよう図やイラストを多く活用しており、視覚的な理解ができるのもメリットです。

また、SEO施策やSNSの活用戦略など、別のチャネルを活用したECサイトを伸ばすコツに触れられているのも大きなメリット。ECサイトの開業・運営の入門書としておすすめです。

三浦卓也『ひとりEC 個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営術』

ひとりEC 個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営術

組織ではなく個人でECサイトを運営したいときに役立つ1冊。ECサイト運営に関する基本的な業務を網羅的に紹介しているほか、膨大なマルチタスクをひとりで効率よく捌くコツまで学べます。

また、LINEを使ったオンライン接客やSNSを駆使したPR戦略も紹介しており、時代に合った対策を立てやすいのもポイント。会社のECサイト担当者が少なく、オペレーションに悩んでいる方にもおすすめです。

まとめ|業務内容や必要なスキルを可視化しておけばECサイト運営は最適化できる

今回は、ECサイトの運営に欠かせない業務や必要なスキルを紹介しました。

誰でも手軽にECサイトを立ち上げられるようになっている昨今、競合から頭ひとつ抜き出た「支持されるECサイト」を目指すことが大切です。そのためには、フロントエンド業務とバックエンド業務の役割をよく知っておくことです。ユーザーニーズを掴んだ魅力的な商品ラインナップや、丁寧かつスピーディーな出荷システム、親身なアフターフォロー体制があれば確実に伸びるECサイトにすることができるでしょう。

反対に、商品数が多く価格が安いECサイトでも、使い勝手が悪ければ定着することはありません。決済手法を増やすなど利便性も追及しながら、ユーザーファーストなECサイトになるようアレンジしていきましょう。

なお、KOMOJUではコンビニ決済やスマホ決済、キャリア決済など、多彩な決済方法を提供しています。ECサイト上での導入も可能なので、お気軽にお問い合わせください。

【この記事の監修者】

豊田 亮太

グロースマーケター

Shopify Japanの初期メンバーとして、日本市場におけるShopifyの普及に貢献。ECプラットフォーム、決済代行サービス等に関して豊富な知見を持つECのエキスパート。LinkedInページ:https://www.linkedin.com/in/ryota-toyoda-b45127138/

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。

関連する記事

Payment methods

All Payment Methods

日本の主要な決済方法を全て提供しています

韓国の主要な決済方法を全て提供しています

中国の3つの主要な決済方法を提供しています

ヨロッパーの主要な決済方法を提供しています