
この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。
海外市場への挑戦は、日本の事業者にとって大きなビジネスチャンスです。越境ECなら、海外に支店がなくても、インターネットショップを通して海外向けに商品販売ができます。越境EC市場はアジア圏を中心に、急速に成長しています。
本記事では、越境ECの参入方法や成功ポイント、効果的な集客方法、成功事例などをご紹介します。越境EC参入時に解決すべき課題と解決策についても解説していますので、これから越境ECに取り組む事業者の参考になれば幸いです。
越境ECの参入方法・必要な集客方法とは?

越境ECは「国境を超えた電子商取引」を意味し、海外に向けて商品販売を行うECサイトのことです。
世界全体の越境EC市場は2030年までに7兆9,380億USドル に達すると予測されており、これは2021年の10倍以上にあたる規模です。東南アジア市場では、2024年には81.3% の企業が前年よりもECでの売上が増加したとの報告も出ています。
国内市場の飽和、アジア圏での日本製品への高い評価、デジタル技術の進展により、中国・東南アジア・韓国市場への参入が日本企業の新たな成長戦略として注目されています。特に、高品質な日本製品への海外消費者の信頼と需要が、越境ECの大きな追い風となっています。
越境ECを始めるには、主に以下の3つの方法があります。
越境ECの参入方法 | 特性 | おすすめの集客方法 |
自社で越境ECサイトを構築する | ECサイト構築・運用には技術力とコストが必要。自社製品の独自性やブランドイメージを重視する企業向き。 | ・SEO対策 ・SNSマーケティング ・インフルエンサーマーケティング ・コンテンツマーケティング |
現地のECモールに出店する | すでに現地で認知され、集客力がある。迅速に越境ECを始めたい企業向き。 | ・ECモール内広告 ・レビュー戦略 ・ECモールのセールイベントへの参加 ・ターゲティング広告 |
現地法人・支店を設立する | 物流やカスタマーサポートの円滑化が可能。長期的にその国で事業を展開する予定の企業向き。 | ・トレードショー出展 ・BtoBマーケティング ・メディア関係構築 ・オフライン販促 |
集客方法にはSNSやWeb広告の活用から、現地のイベントへの参加までさまざまです。それぞれの方法の詳細については、後ほど解説します。
越境ECの成功ポイント

越境ECで成果を上げるためには、単にサイトを構築したり商品を販売したりするだけでは不十分です。ここでは、成功するための具体的なポイントを紹介します。
「日本製」であることが価値となる商材の選定
越境ECにおいて、日本製であることが付加価値になる商材を選ぶことが重要です。
例えば、日本の伝統的な食品や工芸品や、高品質な化粧品は多くの海外消費者にとって魅力的です。これらの商材を選定する際には、現地での市場調査を行い、ニーズの有無を確認することが重要です。
商材に応じて適切な参入方法の選択
商品の種類や認知度、販売目標によって、最適な参入方法は異なります。適切な参入方法を選択することが、初期投資の回収スピードに直結します。
例えば、認知度が高く大量生産が可能な商品であれば、検索需要も見込める現地モールでの展開が効果的です。一方で、ニッチな市場を狙う場合は、潜在ニーズと商品を結びつける訴求が重要になるため自社サイトの構築が適しています。
現地言語への対応
現地言語での対応は、越境ECの成否を分ける要因の一つです。商品説明やサイトのナビゲーションを現地語に翻訳することで、購買率を大きく向上させることができます。また、現地語でのカスタマーサポートを用意することも信頼性向上につながります。
配送手段・物流パートナーの選定
スムーズな配送も、越境ECにおける課題です。消費者が望む配送スピードやコストに応じた選択肢を提供することで、購入意欲を高めることができます。信頼できる物流パートナーの選定も重要です。
対象国で主流の決済方法の導入
海外では、国ごとに主流の決済方法が異なります。例えば、中国ではAlipayやWeChat Payが人気であり、東南アジアではクレジットカードやデビットカードでの支払いを好む消費者も多いです。
すべての消費者が利用できるように、複数の決済方法を導入することがおすすめです。いざ商品を購入しようとした際に普段よく使う決済方法がなければ、購入に至らない可能性があるからです。
決済代行サービス「KOMOJU」を利用することで、中国・東南アジア・韓国などで利用されている多様な決済方法が一括で導入可能です。初期費用・月額費用が完全無料で、すぐに利用開始できます。
ShopifyのECサイトをご利用の場合は、クレジットカード決済の他にも国内で人気のコンビニ決済やスマホ決済と16の海外ローカル決済方法を一括に導入可能です。そのほかで開発なしで導入可能なECプラットフォーム一覧はこちらをご覧ください。もしくは、開発者向けのAPIなどで65以上の国内外の決済方法を一括導入できます。
顧客満足度を向上させる一つの手段として、以下から詳細をご覧ください。
対象国に適した集客方法の採用
集客方法は、対象国の消費者の行動特性やトレンドに基づいて選ぶ必要があります。SNSの利用頻度や商品の購入経路などの市場調査や競合の分析を行い、最適な手法を見つけることが成功の鍵です。
越境ECで効果的な集客方法8選

越境ECを成功させるには、適切な集客戦略を活用することが不可欠です。以下に、効果的な8つの集客方法を詳しく解説します。越境EC市場が伸びている中国・東南アジア・韓国での特徴やサービスもご紹介します。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、SNSを使って低コストで世界中をターゲットに訴求できる点が最大の魅力です。フード、ファッション、コスメ、ライフスタイル関連商品など、視覚的に訴えられる商品が適しています。リアルタイムに顧客からフィードバックを得られ、コンテンツの拡散も容易です。
一方で、プラットフォームの規制変更リスクや文化的誤解の可能性、継続的なコンテンツ制作の労力といった課題もあります。
また、国ごとに利用されるSNSが異なります。中国ではWeChat・小紅書・微博、東南アジアではYouTube・Facebook・Instagram・TikTokなどの動画コンテンツ、韓国ではYouTube・Instagram・カカオトークが代表的です。ターゲット国の人気プラットフォームを調査することが重要です。
インフルエンサーマーケティング
現地のインフルエンサーと提携することで、ターゲット消費者にリーチしやすくなります。商品の使用感やレビューを動画や写真で紹介してもらうことで、信頼感を高める効果があります。インフルエンサーのイメージと商品がマッチしていることが大切です。単発のプロモーションだけでなく、シリーズ化による長期的な関係構築も可能です。
一方で、適切なインフルエンサーの選定の難しさ、高額な起用コスト、予期せぬレピュテーションリスクといった課題も存在します。
中国ではKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる、専門分野に特化したインフルエンサーが起用されることが多いです。また、韓国では、芸能人やアーティストインフルエンサーの存在感が強いのが特徴です。
ライブコマース
ライブコマースは、SNS・自社のECサイト・ECモールなどを通したライブ配信によって、商品の魅力を伝える手法です。ライブコマースの一部がインフルエンサーマーケティングで、ライブコマースでは店舗スタッフや商品の制作者も商品を紹介します。食品を使った調理法や美容製品の使い方など、動画ならではのアピールが可能です。ライブ配信中に消費者と直接コミュニケーションをとることで、購買意欲を促すことができます。
中国ではライブコマースが盛んで、特に抖音(TikTok)や快手(Kuaishou)、淘宝(TaoBao)などのプラットフォームが人気です。東南アジアでもShopeeやLazadaというECモールやTikTokでのライブコマースが人気を集めており、インドネシアやベトナムで特に顕著です。韓国では、Gripというライブコマースプラットフォームが代表的です。
Web広告・SNS広告
Google AdsやInstagram広告などのWeb広告は、ターゲティング精度が高く、特定の属性や興味を持つ消費者に効率的にリーチできます。特に、検索キーワードや興味関心に基づいた広告配信を行うことで、潜在的な顧客層にリーチ可能です。新規参入時に商品のニーズがあるかどうかを検証する手段として活用することもおすすめです。
中国ではBaidu広告・微信(WeChat)広告、東南アジアではGoogle広告・Facebook広告、韓国ではNaver広告・Kakao Talk広告が主要なプラットフォームとして機能しています。各国でデジタル広告市場は急速に成長し、高精度のターゲティング技術が発展しています。日本よりも直接的な表現を好む国もあるため、各国の表現の傾向を知ることが必要です。
ECサイトのSEO対策
検索エンジンでの上位表示を目指すSEO対策は、長期的な集客効果が期待できる手法です。広告費用を継続的に投入せずとも、オーガニック検索結果から安定的に顧客を獲得できます。各国の言語で商品に関する解説コンテンツを定期的に発信するのが効果的です。コンテンツ作成には手間がかかり、短期的に効果を見込むことは難しいため、あくまでも長期施策と捉えて取り組むのがよいでしょう。
中国ではBaidu、東南アジアではGoogle、韓国ではNaverが主要な検索エンジンとなっています。各国の検索エンジンには独自のアルゴリズムや検索傾向があり、それぞれに最適化されたSEO戦略が必要です。
知名度のあるECモールへ出店
現地で認知度の高いECモールに出店することで、初期の集客がしやすくなります。モール内でのプロモーションやセールイベントへの参加も効果的です。また、モールが提供する物流支援、決済システム、マーケティングサポートが大きなメリットとなります。
一方で、高い出店手数料、厳格な審査基準、激しい価格競争、モールのアルゴリズム変更リスクなどがデメリットとして挙げられます。また、自社ブランドの独自性を際立たせることが難しいという課題もあります。大量生産可能な一般的な商材が向いているでしょう。
中国では淘宝(Taobao)、天猫(Tmall)、京東(JD.com)、東南アジアではLazada、Shopee、韓国ではクーパン(Coupang)が主要なECモールとして知られています。これらのモールは、信頼性の高い既存のプラットフォームを活用できる点が最大の魅力です。
現地のトレードショーへ出展
現地の業界トレードショーに出展し、商品の展示やデモンストレーションを行うのも集客方法の一つです。BtoBおよびBtoCの両方での顧客獲得が期待できます。商品を実際に手に取ってもらったり、直接商談したりできるため、信頼感を得られるのも大きなメリットです。
出展にはコストと手間がかかりますが、長期的な信頼関係構築や市場調査の観点から非常に価値のある活動といえます。
中国の広交会(Canton Fair)、シンガポールのInnovfest Unbound、韓国のKOTRA主催の各種展示会など、各国で多様な業界イベントが開催されています。
現地のアンテナショップの活用
アンテナショップは、現地消費者に直接商品を体験してもらえる貴重な場所です。商品の質感や特徴を伝えられる点が最大の魅力です。消費者から得られたフィードバックを基に、商品改良にもつなげられます。アンテナショップは地元ならではの魅力をアピールする場であるため、海外のアンテナショップでは日本らしいものを紹介するのが一般的です。焼酎や工芸品など日本の特産品が適しているでしょう。
課題としては、地理的な制限、運営コスト、継続的な商品展示の難しさなどが挙げられます。単発的なイベントで終わらせないよう次につなげるための戦略が必要です。
日本貿易振興機構(JETRO)が運営する海外アンテナショップや、民間の展示販売スペースが各国で展開されています。
越境EC参入時にクリアすべき課題と解決策

越境ECを成功させるためには、いくつかの課題を事前に解決しておく必要があります。以下では、主な課題とその解決策を紹介します。
関税や輸出入規制への対応
各国の関税制度と輸出入規制は、企業に予期せぬ追加コストや法的リスクをもたらす可能性があります。事前に必要な手続きを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
【課題】
- 国ごとに異なる関税率
- 商品カテゴリーによる輸入制限
- 原産地証明書の要求
- 通関手続きの複雑さ
- 突発的な規制変更
【解決策】
- 各国の最新規制情報の収集(法的リスクの事前評価、通関手続きの最適化など)
- 対象国の関税率・輸入禁止品目を事前に調査し、必要書類を事前準備する
- 関税率の低い商品カテゴリーへの注力
- 商品仕様の部分的変更を行う
- 現地で生産する
対象国への物流体制の構築
適切な物流体制を構築することは、消費者満足度を向上させるための重要な要素です。配送スピードやコスト、追跡システムの充実度を考慮した選択を行いましょう。配送途中で商品が破損することもあるため、保険に入ったり補償制度を利用したりするのも対策の一つです。
【課題】
- 国際配送の複雑さ
- 高額な配送コスト
- 配送時間の不確実性
- 追跡システムの信頼性
- 返品・交換プロセス
【解決策】
- 物流パートナーへのアウトソーシング
- 現地倉庫の活用による迅速な配送・通関コスト削減の実現
- 配送追跡システムの導入で顧客への透明性確保
- 配送システムが整ったECモールへの出店
- 保険への加入
現地スタッフ・パートナーによる運用体制の確立
現地の文化や商習慣を熟知したスタッフを確保することで、よりスムーズな運営が可能です。特にカスタマーサポートやマーケティング活動において、現地の知識は非常に役立ちます。
【課題】
- 文化的理解の不足
- 言語コミュニケーションの困難
- 現地消費者行動の理解
- マーケティング戦略の最適化
【解決策】
- 現地マーケティングチームの編成
- 徹底的な市場調査と定期的な消費者からのフィードバック
- 現地パートナーとの協業
- 現地語を理解するスタッフの確保
越境ECの成功事例
越境ECで成功した事業者の事例をご紹介します。
成功事例1. SEO・Google広告などで約2年で売上が20倍に|Sazen Tea
高級茶葉や茶器を販売するSazen Tea株式会社は、集客施策としてSEO対策とGoogle広告に取り組みました。工夫したのは、検索キーワードに合ったコンテンツの作成です。Google広告からの受け皿のページとしても活用し、購買につなげる流れを作りました。
その結果、越境ECサイト構築から約2年で売上が20倍となりました。リピート率も5割と好調です。
成功事例2. 中国向け越境EC上で記事・動画による商品訴求|コーセープロビジョン
「米肌(まいはだ)」は、株式会社コーセーの通信販売専門子会社コーセープロビジョン株式会社が販売しているスキンケア用品です。海外向けに中国の越境ECプラットフォーム「豌豆公主(ワンドウ)」で販売されています。日本製品に特化した越境ECを選択することで、日本の化粧品に関心のあるターゲット層にリーチしました。
「豌豆公主(ワンドウ)」は、ブランドにまつわるエピソードや商品の詳しい使い方などを記事や動画コンテンツで発信できることが特徴です。また、専用アプリ内のSNSで消費者とのやりとりもできます。
参照:https://service.openlogi.com/openlogi_mag/cross-border-ec-attracting-customers/
まとめ|越境EC参入国の消費者を理解し集客方法を選定
越境ECで成功するためには、対象国の消費者の特性を理解し、それに適した戦略を立てることが重要です。よく使われているSNSやECモール、決済手段などを把握しておきましょう。また、関税や輸入が禁止されている商品など、国のルールを遵守することも大切です。
本記事で紹介した参入方法や集客方法、課題への対応策を参考に、自社に最適な戦略を構築してください。事前の準備をしっかりと行い、海外市場での成功を目指しましょう。

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。