越境ECとは
ターゲット国を決める際のチェックポイント
越境ECを展開するには、ターゲット国を絞り込む必要があります。以下のようなことを軸に決めるとよいでしょう。- 自社製品の知名度はどのくらいか
- 規制品があるか
- 言語対応が可能か
- 現地の決済方法に対応可能か
- 配送が可能か
世界のEC市場規模ランキング
2024年の世界のEC市場規模は、6兆3,000億ドル(約894兆6,000億円)に達しました。 以下は、2024年の国別のEC市場規模です。
参考:Global eCommerce Sales Growth From 2021-2027
ここからは、1〜5位の国の特徴を見ていきましょう。
1位:中国
中国は世界最大のEC市場としての地位を確立しています。Tmall GlobalなどのAlibabaグループが39.6%、続いてJD Worldwideが18.7%と圧倒的なシェアを誇ります(2024年 予測値)。
また、モバイル決済などデジタルウォレットによる決済がECにおいて80%の利用率(2024年)と、非常に普及しているのも特徴です。
2位:アメリカ
アメリカのECプラットフォームのシェア率ではAmazonが39.6%(2023年)を占め、強力な存在感を示しています。
2023年にはアメリカのEC売上の42%がモバイル経由で行われ、2025年にはこの割合が44%に達すると予測されています。
3位:イギリス
イギリスではAmazon UKが30%以上の市場シェアを占める圧倒的な存在であり、非常に高い人気を誇っています。消費者の約86%がAmazonを利用しており、そのうち約70%が月に1回以上、17%が週に1回以上利用しています。
また、ShopifyもイギリスのEC市場において21%のシェアを持つ主要なプラットフォームとして確固たる地位を築いています。
4位:日本
日本のEC市場をリードしているのは、楽天市場やAmazon Japanといった大手ECプラットフォームです。ECにおける決済方法ではクレジットカードがトップですが、デジタルウォレットの利用も増えてきています。
5位:韓国
韓国では、CoupangやGmarketといった国内ECプラットフォームが人気を集めています。EC化率は25.1%と日本よりも高い割合で(2024年)、人口が少ないながらEC市場が世界で5位ということからも、ネットショップの利用が盛んであることがわかります。
ECにおける決済方法では、日本と同様にクレジットカードの利用率が最も高いですが、デジタルウォレットも増えています。
参考:令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書
Global Payments Report | Payment Insights | Worldpay
越境ECの流れと全体像、取り組むための準備 JETRO 2023年
Global eCommerce Sales Growth From 2021-2027
Comprehensive Guide to Amazon UK in 2024
越境ECで売れている日本製品
越境ECを通じて売れている日本製品には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。
国によって購買行動が異なる背景には、各地域の文化・ライフスタイル・SNSでの情報拡散の度合いが深く関わっています。そのため、ターゲット国の特性にあわせた商品選定やプロモーション戦略を練るのが重要です。

中国
中国市場では、美容と健康関連の日本製品が人気傾向にあります。とくに日本製のスキンケアやヘアケア用品、サプリメントは品質の高さと安全性から現地の消費者に強く支持されています。
スキンケア用品の中では、美白や保湿といったケアが定番の人気カテゴリとして根強く支持されています。
アメリカ
アメリカ市場では、日本産のお茶や、アニメ・漫画、精巧なホビー関連商品が人気のカテゴリとして安定した売れ行きを見せています。中でも抹茶は、健康志向の高まりやSNSの影響を背景に空前のブームとなっており、アメリカでの需要が急増しています。
また、日本のアニメやホビー商品のファンはSNSを通じて積極的に情報を発信する傾向があり、これがさらなる認知拡大と販売促進につながる好循環を生んでいます。
イギリス
イギリス市場では、日本製の「お茶」「調味料」「文房具」「ファッション」への関心が高まっています。伝統的に紅茶文化が根付くイギリスですが、近年は抹茶が健康志向の若者を中心に注目を集めており、日本茶の新たなトレンドとして浸透しつつあります。
また、日本製の文房具は、豊富なデザインバリエーションに加え、消せるボールペンなどの高い機能性が評価されており、実用性と遊び心を兼ね備えたアイテムとして支持を集めています。
シンガポール
シンガポールでは、日本製の時計をはじめとするファッショングッズなどが安定した売れ行きを見せています。日本製品が支持されるのは、「壊れにくく長持ちする実用性」「シンプルで無駄のないデザイン」といった理由です。
日本製品は、「価格に見合うだけの優れた実用性と耐久性を備えている」という信頼を獲得していると言えます。大部分の品目に関税がかからないシンガポールは、越境ECにおいて狙い目の市場です。
参考:
Amazon Best Sellers JAPAN STORE (アメリカ)(2025年5月時点)
Amazon.co.uk Best Sellers JAPAN STORE(イギリス)(2025年5月時点)
株式会社ラクーンホールディングス 2024年BtoB越境ECランキング
EBISUMART Media 【2025年】化粧品の越境ECを市場動向から成功戦略・規制まで解説
日本のアニメ文化の世界的な広がり

日本のアニメ関連グッズは緻密な作り込みや多様な商品展開により、国境を越えて多くのファンを魅了し続けています。2022年における日本のアニメ関連市場の規模は約2兆9,277億円に達し、およそ半分にあたる1兆円4,592億円が海外での売上でした。そして2023年には、海外市場が日本市場を上回るまで成長しました。
動画配信サービスなどで10代からアニメに触れてきた世代が成長し、経済力を持ったのが海外市場が大きくなった一因です。くわえて、「推し活」のためのグッズ購入が、越境ECを通じて行われるようになった点もあげられます。
フィギュアやファッションアイテム、ポケモンカードゲームなどの人気がとくに高いです。「見るだけで終わらない趣味」として、関連商品を通じてアニメ作品の世界がより深く楽しまれています。
参考:
シアターテイメントNEWS「アニメ産業市場2022年史上最高値! 3兆円が目前の2兆9,277億円を記録」
AJA「アニメ産業レポート2024 サマリー」
BEENOS株式会社「日本のアニメ受容とグッズ購入」に関するアンケート調査」「【越境EC世界ヒットランキング2024】」
国や地域の特徴を把握して海外展開しよう!
2023年のEC市場は、中国とアメリカを中心に拡大を続けています。海外に販売するなら、やはり強みは日本製のよさです。アニメや漫画など日本の文化に関連したものや、質の高い商品をアピールしていくのが得策です。
自社製品にあった国や地域を見極め、最適なマーケティング戦略を考慮しつつ海外展開を検討しましょう。
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