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国ごとのECサイト購入金額はどのくらい?越境ECでの売れ筋アイテムやユーザーの本音も解説

最終更新日:2025 年 07 月 31 日

目次

越境ECとは、海外向けのオンラインショップのことです。実店舗を持たなくても、海外にいる人を対象に商品を売ることができます。「越境ECに参入したい」「越境ECで新たな市場に進出したい」と考えているのであれば、まずは対象国を決めるために、各国の売れ筋商品や購入金額のリサーチが欠かせません。

今回は、世界的な物流企業であるDHLのレポート「eCommerce 2024 ONLINE SHOPPER TRENDS」を基に、5カ国のオンラインショッピング動向をまとめました。レポートから見えてくるユーザーの本音をしっかり理解して、越境ECを成功に導きましょう。

【国別】月額オンラインショッピング購入金額

全世界のEコマース小売市場は年々拡大中です。2025年の6兆5640億ドルから、2028年には8兆920億ドルまで拡大することが予測されています。

それでは、オンラインショッピングで各国はどのくらい購入しているのでしょうか。ここからは、インド、中国、マレーシア、オーストラリア、タイの5か国の購入金額をご紹介します。

月額オンラインショッピング購入金額 国別 決済代行サービスKOMOJUブログ

参考:EMARKETER Worldwide Retail Ecommerce Forecast 2024 Midyear Update

インド

インドでは、オンラインショッピングで毎月2,500インド・ルピー(INR)(約4,300円)*(1)超支出する人が54%、2,500INR以下が45%という結果でした。

「今後一年間で、オンラインショッピングで海外からの買い物を検討している」と回答しているオンラインショッピングユーザーは56%に上り、本調査のなかの国で最多であることが分かりました。今後、越境EC事業を始めたいという人はインド市場への参入を検討するのも良いでしょう。

最も使われているeコマースプラットフォームはAmazonです。また、オンラインショッピングの際に音声アシスタントを活用している人が多いことも特徴です。音声アシスタントは商品名や説明文、タグ、カテゴリなどのテキスト情報を使って処理するため、シンプルで分かりやすいテキストが求められます。

*(1) 1INR = 1.708円のレートで算出

中国 

中国では、月額100人民元 (CNY)(約2,000円)*(1)超支出する人が88%、100CNY以下が12%を占めており、多くの人がオンラインショッピングを利用していることが分かりました。中国の越境EC市場は年々、拡大を続けており、2025年には2,149億米ドル(約31兆円)*(2) と前年比9%増加することが予測されています。

ECユーザーの特徴として、登録手続きを避ける傾向が挙げられます。会員登録なし(ゲスト登録)で購入する人や、メールマガジンに登録しない人が多いです。メールマガジンは登録すると割引が適用される場合がありますが、中国のECユーザーは特典よりも手続きに手間がかからないほうを優先するようです。

また、TikTok(抖音:Douyin)やWeChat(ウィーチャット)、快手(クアイショウ)といったSNSチャネルも販売に活用されています。

*(1) 1CNY = 20.42円のレートで算出

*(2) 1USD = 146.75円のレートで算出

マレーシア

マレーシアでは、200リンギット(MYR)(約6,900円)*(1)を超えて支出する人が35%、200MYR以下が65%でした。

Statistaのレポートによると、マレーシアの人口は今後も緩やかに上昇が続くことが予想されています。2025年時点の約3,385万人から、2030年には約3,566万人まで増加すると見られ、EC市場の拡大が期待されます。

マレーシアのEC市場を牽引するのは、東南アジア・台湾で最大級のECサイトであるShopee(ショッピー)です。国教であるイスラム教の断食月(ラマダン)明けの祭事・ハリラヤに合わせてキャンペーンが実施されるなど、マレーシア市場の特性に合わせたマーケティング展開が行われています。

*(1) 1 MYR = 34.47円のレートで算出

参考: Malaysia: Total population from 2020 to 2030JETRO 広告を通じたプロモーションがマレーシアEC市場拡大を後押し

オーストラリア

オーストラリアでは、月額の支出額が100オーストラリアドル(AUD)(約9,700円)*(1) 超が50%、100AUD以下が50%であり、越境ECにおいても購入額が高い国です。

オーストラリアは移民の受け入れによる人口増加もあり、EC市場は拡大が続いています。Klarna(クラーナ)やAfterpay(アフターペイ)といった「BNPL(Buy Now Pay Later:後払い決済サービス)」の利用が好まれていることが特徴です。

*(1) 1AUD = 96.72円のレートで算出

参考:三菱地所株式会社 日系総合デベロッパー初 オーストラリアでの大型物流施設開発事業 メルボルン「Enterprise Industry Park」に参画

タイ

タイでは、月額4,000タイバーツ(THB)(約18,200円)超支出する人は全体の13%に留まり、4,000THB以下が87%と大半を占めました。The Nation Thailandによると、ShopeeとLazada(ラザダ)の二大ECプラットフォームの合計売上高は2024年に782億5,500万バーツ(約 3,549億6,500万円)*(1) を超え、爆発的な成長を見せています。

また、タイのEC市場ではオンラインショッピングの際、常にSNSの情報を参考にすると回答した人が世界トップの59%に上りました。SNSを通じて商品を購入した経験がある人は世界的には2人に1人と言われていますが、タイでは10人中9人に上ります。なかでもTikTokは10人中7人が購入する最も人気のあるチャネルです。

*(1) 1THB = 4.539円のレートで算出

参考:The Nation Thailand E-Commerce Giants Shopee and Lazada Defy Thai Economic Woes with Soaring Revenues

越境ECで売れているアイテム

海外の人は越境ECでどのような商品を購入しているのでしょうか。ここでは、越境ECで売れているアイテムを見ていきます。

 

越境ECで売れているアイテムのリスト

衣服・靴

越境ECユーザーの65%が衣服や靴を購入しています。最も購入している国はインドでした。

インドは近年、手頃な価格で流行のアイテムを頻繁に発売するモデル「トレンド優先EC(Trend-first commerce)」が急成長しています。特にファッション分野では、2028年までに約80〜100億米ドルに成長し、そのうち、約半数以上がオンラインショッピングでの購入になることが予想されています。

この背景には、SNSをよく利用し流行に敏感なZ世代(1997年~2012年生まれ)が強く影響していると考えられています。インドではZ世代がECユーザーの4割を占めており、ファッションや美容カテゴリーのシェアが他の年齢層と比較して1.5倍に上ります。

参考:Bain & Company, Inc. How India Shops Online 2025

あわせてご覧ください:【対談】Z世代の消費行動に響くECサイトとは? ときめきが続く購買体験を解説

電子機器

オンラインショッピングで衣服や靴の次に売れているのは電子機器で、越境ECユーザーのうち35%が購入していることが分かりました。購入しているのが最も多いのが、ナイジェリアです。

ナイジェリアの人口は2023年時点で約2億2,380万人に達しました。インターネット普及率は2025年時点で約46%ですが、今後も拡大が見込まれ、テクノロジーに精通した若者も増えています。特にSNSの普及は最新トレンドを知るきっかけになったり、投稿を撮るためのカメラの購入に繋がったりするなど、影響力が大きいです。経済成長の後押しもあり、スマートフォンやノートパソコン、テレビなどの電子機器の需要は着実に増加しています。

参考:Wigmore Trading Nigeria The Latest Trends in Consumer Electronics Supply in Nigeria: A Look at Wigmore Trading

外務省 ナイジェリア連邦共和国(Federal Republic of Nigeria)基礎データ

Statista E-commerce in Nigeria – statistics & facts

化粧品

化粧品類は、34%の人がオンラインで購入していることが分かりました。なかでも、インドが最も多くの市場を占めています。

ファッションカテゴリーと同様に、トレンド重視のECはインドで急速に拡大しており、美容カテゴリーにも広がっています。EC消費者の4割をZ世代が占めるインドでは、ファッションや美容カテゴリーのシェアが他の年齢層と比較して1.5倍に上ります。SNSを積極的に活用する、若く価格意識の高い消費者層が多数存在するインドへの越境EC進出においては、化粧品は欠かせないアイテムと言えるでしょう。

参考:Bain & Company, Inc. How India Shops Online 2025

食品・飲料

食品や飲料を越境ECで購入すると答えた人は、越境ECユーザーの30%に上りました。最も食品・飲料を購入しているのは、経済的発展が著しいアラブ首長国連邦(UAE)でした。

UAEの食品市場は、2025年から2030年にかけて年平均成長率5.28%で伸び続けると予測されています。多文化・観光都市であるため、世界各国の食品ブランドやハラール食品(イスラム教徒向けの食品)、オーガニック食品などに対する需要が高いです。UAEは高いインターネット普及率や整備された物流体制、高所得者層の多さなど、越境ECの基盤が整った市場と言えます。

参考:Food – United Arab Emirates | Statista Market Forecast

家電

越境ECで家電を購入すると回答した人は、26%でした。最も購入しているのはタイでした。

タイの家電市場規模は2024年に42億5,000万米ドルと推定され、2025年から2030年にかけて年平均成長率8.1%で拡大が見込まれています。成長の背景には、中間層の増加や所得の増加により、生活必需品の買い替えを中心に消費が促進されていると考えられます。

参考:Grand View Research, Inc. Thailand Household Appliances Market Size, Share & Trends Analysis Report By Product (Major Appliances, Small Appliances), By Distribution Channel (Electronic Stores, Online), And Segment Forecasts, 2025 – 2030

趣味・ホビーグッズ

趣味・ホビーグッズのカテゴリーでは、越境ECユーザーの30%の人がオンラインショッピングで購入すると答えました。購入者が最も多い国はカナダでした。

カナダにおける趣味・ホビーグッズのEC市場は、2024年に約136億2,900万米ドルに達し、年平均成長率は5~10%と堅調です。

参考:Ecom Logistics Understanding Canadian E-commerce Consumer: Insights & Strategies

Statista Toys & Hobby – Canada

ECDB GmbH Hobby and Leisure Industry in Canada 

書籍(本)

書籍を購入する人は越境ECの18%を占め、最も購入する国はオーストラリアでした。

Statistaのレポートによれば、オーストラリアの書店市場の収益は2025年時点で12億1,000万米ドルで、2025年から2030年までの年平均成長率は1.98%とのことです。特に作品への没入体験を提供するオーディオブックは、人気が高まっています。

参考:Statista Books – Australia

IBISWorld. Online Book Sales in Australia – Market Research Report (2014-2029)

越境ECユーザーの本音

インターネットやスマートフォンの普及により、世界のどこにいても手軽に海外製品が手に入るようになりました。しかし、海外の越境ECユーザーは購入体験に対してどのような意見を持っているのでしょうか。ユーザーの本音を探っていきましょう。

参考:DHLのレポート「eCommerce 2024 ONLINE SHOPPER TRENDS

35%が越境ECで「もっと買いたい」と前向き

越境ECユーザーのうち、75%の人が月に一度、17%が週に一度、海外から商品を購入していると回答しています。そして、35%が今後さらに越境ECで買い物をしたいと前向きな回答です。

購入元の国のトップは中国で60%、2位はアメリカで38%、3位はドイツで22%となっており、購入理由は手頃な価格やバリエーションの豊富さ、商品の希少さや品質の高さなどが挙げられています。また、レビューを参考にする越境ECユーザーは95%と多く、レビュー表記を多言語化しておくとよいでしょう。

約5割が送料の高さや配送の遅さに不満

越境ECでは、配送もサービスポイントの一つです。越境ECユーザーの52%が送料の高さに、48%が配送日数の長さに不満を感じていると回答しています。配送業者の選定や、送料込みの値段表示などの工夫が必要になります。

購入者はできる限り、安く早く受け取りたいと考えるものです。しかし、配送事情は国によっても大きく左右され、世界的な燃料価格の高騰など送料を抑えることは難しい場合もあります。近年は「グリーン物流」というエネルギー消費を抑えた配送の考え方も広まってきています。配送事情について説明し、ユーザーの理解を求めることも大切です。

67%が希望の決済方法がなく購入を見送り

購入しなかった理由として、67%の越境ECユーザーが希望する決済方法がなかったことを挙げました。越境ECでは多くの決済方法を用意することが、購入者の取りこぼしを防ぐ秘訣と言えます。

クレジットカード決済のほか、AlipayKakao Payのようなデジタルウォレット決済やBNPL(後払い決済)など、ターゲット国で多く利用されている決済方法をできるだけ取り入れるようにしましょう。

決済方法の多様化で購買意欲の促進を

海外ではそれぞれの国で異なる文化や習慣があり、決済方法もその国々で好まれる方法があります。越境ECを運営する際は、現地で普及している決済方法を導入することでスムーズな決済に繋がり、購入者の利便性を高めることができます。

決済代行サービス「KOMOJU」では、日本の決済方法だけではなく、世界中の各地域で広く使われている決済方法も導入できる、日本発の決済代行サービスです。現地で使われている決済方法を導入することは、越境ECの成功には不可欠です。新たな決済方法の導入を検討している越境EC事業者の方は、ぜひご相談ください。

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