無料発行でKOMOJU決済の売上金を即時使用できる

【2025年版】ライブコマースとは? 仕組み・方法・日本の業界別成功事例を解説

ライブコマース
最終更新日:2025 年 07 月 07 日

目次

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。

ライブ配信で商品を紹介し、視聴者の購入を促進する「ライブコマース」が、日本国内でも広がりを見せています。中国ではすでに大規模な市場が形成されており、日本でもアパレルや化粧品、食品などさまざまな業界が取り入れ始めています。

ライブ配信を通じて視聴者とリアルタイムでやりとりしながら商品の理解を深めてもらえるのがメリットです。従来のECサイトやテレビ通販とは異なり、参加型の購買体験として注目されています。

本記事では、ライブコマースの基本的な仕組みや市場の動き、導入のメリット、成功事例、配信の方法、活用されている主なプラットフォームについて、具体的に紹介します。

ライブコマースとは

ライブコマースは、「ライブ配信」と「Eコマース」(オンラインショップ)を組み合わせた販売手法です。ライブ動画で商品を紹介することで、ECサイトでの購入促進につなげます。

ライブ配信のメリットは、商品を手に取って見られない視聴者に、使用感や特徴を実演しながら伝えられることです。視聴者からの質問やコメントにその場で応答することも可能で、疑問が解消されれば購買の後押しになります。販売チャネルにとどまらず、ブランドのファンづくりやコミュニティ形成の手段としても注目されています。

ライブ配信からECサイトにつなげるには、ライブ動画の概要欄にECサイトのリンクを貼ったり、ライブ動画の画面上に商品アイコンなどを直接貼り付けたりする方法があります。

日本で盛り上がりを見せているライブコマースですが、注目される理由は何でしょうか。

ライブコマースと従来型テレビ通販との違い

ライブコマースとテレビショッピングの最大の違いは、リアルタイム性と視聴媒体です。

テレビ通販は一方的に商品情報を伝える形式で、視聴者の反応をリアルタイムでは受け取ることができません。一方、ライブコマースでは、視聴者は販売者にリアルタイムでコメントしたり質問を投げかけたりすることができます。視聴者は商品の理解を深めることができ、販売者も新たな視点に気づかされることがあります。

また、ライブコマースはスマートフォンやPCから気軽に視聴・購入できる利便性の高さもあり、動画配信に慣れた若年層を中心に支持が広がっています。

ライブコマースの仕組み

ライブコマースは、ライブ配信とECを連携させ、商品紹介から販売までを一貫して行う販売手法です。

一番シンプルな方法は、ライブ配信媒体の概要欄やプロフィール欄にECサイトのリンクを貼る方法です。視聴者はそこからECサイトに移って商品を購入することができますが、リンクを見逃してしまうこともあります。

ECサイトへの移動をスムーズにしたい場合は、SNSのショップ機能やライブ配信専用アプリ、ライブコマース専用のECモールなどを利用するのがおすすめです。ライブ配信の画面上に商品リンクや購入ボタンを表示でき、視聴者はそこからすぐに購入手続きに進むことが可能です。

また、ECサイトに移らずに、アプリ内でライブ視聴から購入・決済まで完結できるプラットフォームもあります。購買までの導線が短いと、視聴者の関心が高まっているうちに購入につなげることができます。

一般的なライブコマースの流れ 参考

画像引用:EBISUMART

主な配信プラットフォームには、YouTube・Instagram・TikTokなどのSNSのほか、SHOPROOMやHandsUPなどライブコマース専用アプリ、企業独自の配信ツールなどがあります。

配信者はインフルエンサーや芸能人のほか、企業の社員や販売スタッフが登場するケースも増えており、ブランドとの距離感や信頼性に応じて使い分けがなされています。

ライブコマースの市場動向

ライブコマースの市場は、拡大していくことが予想されています。中国と日本の状況をそれぞれ解説します。

中国の市場規模

中国のライブコマース市場は拡大を続けています。

▼中国ライブコマース取引規模(2017~2025年)

中国ライブコマース取引規模(2017~2025年)

注:2020年以降は予測値。なお、ライブコマースに関する公式統計は発表されていない。

出所:iResearch「2020年ライブコマース白書」(2021年2月)を基にジェトロ作成

2020年のコロナ禍の巣ごもり需要により、ライブコマースの取引規模は1兆2,299億元となり、前年より3倍近くも急増しました。その後も伸びは衰えず、2025年には取引総額が約6兆4,172億元に拡大し、中国のEC市場のうち23.9%を占める見通しです。

参照:日本貿易振興機構(ジェトロ)

 『新たなEC手法として存在感を高めるライブコマース(中国)』2022年2月

 『中国の動画配信に関する市場調査 2022年度更新版』2023年1月

中国ではコロナ禍前から、タオバオライブや抖音(Douyin)など大手プラットフォームでのライブコマースが盛んでした。

もともとKOL(キーオピニオンリーダー)という専門性のあるインフルエンサーを活用したマーケティングが定着しており、その文化がライブ配信と結びつく形で自然に広がっていきました。視聴者にとっては、信頼する配信者からリアルタイムで商品情報を得て、そのまま購入できることに大きな魅力があります。

政府の支援や、AR試着・決済連携などといった配信機能の高度化も追い風となり、中国ではすでに生活の一部としてライブコマースが浸透しています。

▶︎あわせて読みたい:【中国向け越境EC】市場規模や特徴、始め方を解説

日本国内の市場規模

日本におけるライブコマースは、まだ普及率が低いのが現状です。「NTTコム リサーチ」の2022年12月~2023年1月の調査によると、「ライブコマース」という言葉の認知率は31.9%、視聴経験にいたってはわずか3.9%にとどまりました。

では、ライブ配信を視聴した人は購入に至ったのでしょうか。以下のグラフは、ライブコマースでの購買経験についてのアンケート結果です。

▼ライブコマース購買経験(対象:ライブコマース視聴経験者)

ライブコマース購買経験(対象:ライブコマース視聴経験者)

画像引用:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社『「ライブコマース」に関する調査結果』2023年2月

視聴経験者の54.8%が実際に購入まで至っており、購買行動につながる効果が見られました。20〜30代では購入率が6割を超えるほか、60代以上でも50%を占め、世代を超えて需要が見込めそうです。購入者の8割が他者にライブコマースを勧めており、未利用者の約2割も「今後利用したい」と回答するなど、ライブコマースの成長の余地は十分にあります。

次に、ライブコマースを利用した人の特徴を見ていきましょう。下のグラフは、ライブコマースで商品を購入したことがある人に、商品購入の際に何を参考にするかを聞いたアンケート結果です。

 ▼商品購入の際のアドバイスの参考度(対象:ライブコマース商品購入経験者)

商品購入の際のアドバイスの参考度(対象:ライブコマース商品購入経験者)

画像引用:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社『「ライブコマース」に関する調査結果』2023年2月

購入の決定となったのは、企業のスタッフや店員など商品について詳しい人からアドバイスを受けたことが上位に挙げられています。また別のアンケートでは、ライブコマースの視聴のきっかけは、SNSの投稿よりも企業やプラットフォームからの情報発信が上位を占めました。ライブコマースの利用者は、プロの説明に信頼を寄せる人が多いようです。

ライブコマースと相性の良い商品

ライブコマースと相性の良い商品

ライブ配信は、使い方や質感を説明するのに適しています。ライブコマースと相性が良い商品を紹介します。

アパレル

アパレルは画像だけではサイズ感や素材のイメージがわかりにくいため、返品の原因にもなりかねません。しかしライブコマースでは、モデルやスタッフが実際に着ることでリアルなシルエットや動きを伝えられます。さらに、トップスに合うパンツやアクセサリーの紹介などライブならではのコーデ提案ができ、複数購入につなげやすくなります。

化粧品

化粧品の色味や質感を伝えるには、実演が最適です。ライブ中に配信者が肌に直接塗って見せることで、発色やツヤ感、伸びの良さなどを直感的に伝えることができます。視聴者からの「自分の肌質にも合いそう?」という質問にもその場で答えることで、安心感を与えられます。大手ブランドでは、美容部員によるライブ配信が行われていますが、視聴者からは「店頭以上に詳しく、判断しやすい」と好評です。

食品

食品の味を言葉だけで伝えるのは難しいですが、ライブ配信での食レポや調理シーンなどは、湯気のようなリアルな視覚要素や調理の音も加わり、「おいしそう」をアピールするのに効果的です。食品の調理方法は実演でわかりやすく、生産者のインタビューなども取り入れると食品に親近感が持てます。また、「今だけの旬」「限定販売」といった限定性を交えた訴求も大きな魅力です。

雑貨・ギフト

日用品や雑貨も、使い方や質感をその場で見せることで、視聴者が利用シーンをイメージしやすくなります。通常とは違った使い方も紹介することで、一つのアイテムでいろいろできるお得感を演出することも可能です。

ギフト商品であれば、ライブ限定セットを用意すると特別感が出ます。また、最近では相手の住所を知らなくてもLINEやメールで手軽に贈れる「eギフト」の需要も高まっています。ライブ配信中にeギフトとして贈れる導線を用意すれば、視聴者の選択肢が広がります。

家具・家電製品

家具や家電はサイズ感や設置イメージが重要なため、ライブ配信で実際に使っている様子が見られるのはメリットです。電動式の家具は使い方や可動中の音の程度など、気になる細かい情報も知ることができます。

近年はARやVR技術も発展しています。ライブ配信と融合し、スマートフォン越しに自宅の部屋に家具を仮想配置したり、バーチャルショールームで複数の製品を比較したりするといったことも、今後は普及するかもしれません。家具や家電のように高単価で検討期間が長くなりがちな商品において、視聴者の購買決定を後押しできる効果が期待できます。

ライブコマースのメリット

ライブコマースのメリット

ライブコマースは、配信者とのやり取りを通じて視聴者の疑問にその場で答えられたり、インフルエンサーを通じて新しい顧客層に広がったりと、販売とファンづくりの両面で高い効果が期待できます。

ECサイトだけでは伝わりにくい魅力を伝えられる

ライブ配信では、写真や文章だけでは伝えにくい「使い方」や「質感」を、視覚的にわかりやすく届けることができます。たとえば、アパレルなら着用時のシルエットや動きに応じた変化、化粧品なら肌にのせたときの発色やツヤ感など、商品ページでは補いきれない情報を伝えることができます。

また、他の視聴者のコメントで実際に使った感想などを見ることで安心感が生まれ、購買意欲が高まることもあります。

ライブの視聴から購入へ誘導できる

ライブを視聴して購入したいと思ったら、ライブ配信のページに貼り付けてあるECサイトのリンクから購入手続きに進むことができます。

SNSのショップ機能やライブコマース専用アプリなどを活用すれば、ライブ配信の画像に購入ボタンやリンクが表示され、そこからECサイトに移って買い物ができるのが大きな特徴です。ライブ配信を閉じてECサイトを探すといった一連の流れをカットできるため、気になったタイミングで即購入できます。H3 インフルエンサー起用により新たな顧客と出会える

SNSで影響力を持つインフルエンサーの起用を通じて、これまで接点のなかった層にも商品やブランドを届けることができます。

インフルエンサーによる商品紹介はフォロワーにとって信頼性があり、広告以上の訴求力を持つこともあります。「推しが使っているなら自分も」といった共感から購入につながることも多く、新規顧客の獲得や話題づくりにもつながります。

顧客とコミュニケーションを取れる

リアルタイムで視聴者のコメントに応えることで、疑問や不安をその場で解消し、購入へのハードルを下げることができます。やり取りを通じてブランドに対する親しみや信頼感が高まれば、リピーターやファンの育成にもつながります。

アーカイブの活用で、見逃した顧客にリーチできる

ライブ配信を録画し、アーカイブとして公開することで、リアルタイムで参加できなかったユーザーにも情報を届けられます。特に、使い方の解説や比較レビューのような実用的な内容は、何度も見返され、動画自体を販促ツールとして活用できます。

ライブコマースを成功させるポイント

ライブコマースを成功させるポイント

ライブコマースを成功させるには、視聴から購入までをいかにスムーズに設計できるかが鍵です。ユーザー体験を最適化するUI/UX、集客戦略、適切な配信者の起用、そしてトラブル対応まで、あらゆる要素を事前に整えておくことが求められます。

購入までの導線をシンプルにする

ライブ配信中の視聴者が購入へスムーズに進めるよう、導線をわかりやすく整備しましょう。スマートフォン視聴が中心のため、モバイル最適化されたUI/UXを意識することがポイントです。

独自の配信ツールを利用する場合は、ショップカートや商品アイコンがどこにあるか一目でわかるようにしましょう。ECサイトのリンクがプロフィール欄などに貼ってある場合は、配信の画面上でそのことをアピールするのも一つの方法です。購入先のECサイトには、決済手段を複数用意しておくと決済がスムーズになるでしょう。

集客しやすい配信時間・曜日を選定する

ターゲット層の生活リズムに合わせて配信の時間帯を調整することで、視聴者数や購入率を最大化できます。

たとえば、主婦層がターゲットなら平日午前〜昼、ビジネスパーソンをターゲットとする場合は平日夜や週末が適しています。また、週末限定のライブ配信や「金曜夜の特集」など、視聴者が予定を空けやすい時間に定期開催するのも効果的です。事前告知をし、確実に視聴者を集客できる仕組みを整えましょう。

商品の魅力を伝えられる配信者を起用する

商品の魅力を伝えるには、配信者の商品への理解力と発信力が必要です。「NTTコム リサーチ」の調査にもあるように、信頼性があるのはプロによるおすすめです。

有名インフルエンサーでなくても、店舗スタッフや企業社員など、商品を熟知した人材が信頼を得やすい傾向があります。インフルエンサーを起用する場合は、フォロワー層と商品のターゲット層が一致しているかも必ず確認しましょう。

リアルタイムならではのトラブルに備える

通信環境や機材トラブルといった予期せぬ事態に備えておくことは、視聴者の信頼を維持し、機会損失を防ぐために重要です。配信中の音声トラブルや映像の乱れ、接続切れなどは、せっかくの視聴体験を損なうだけでなく、購入意欲そのものを削いでしまうリスクがあります。以下のような対策が効果的です。

  • 配信前に必ず機材・通信回線のテストを行う
  • 予備のスマホ・マイク・Wi-Fiを用意しておく
  • トラブル時の対応フローをあらかじめ共有しておく(例:「配信再開までの待機メッセージを表示」など)
  • 進行役のほかにサポート役を設ける

 

配信終了後の振り返りで、改善点を整理し次回に活かすことも大切です。

ライブコマースの始め方・配信方法

ライブコマースの始め方・配信方法

ライブコマースに初めて取り組む際に押さえておきたい5つのステップを紹介します。

ライブコマースのプラットフォームを選定

扱う商品やターゲット層に合わせて、適切なライブ配信プラットフォームを選びましょう。ライブコマースは、どの媒体で配信するかによって成果が大きく左右されます。主な選択肢は以下の4つです。

  • SNS型(例:Instagram、TikTok、YouTubeなど)

   :すでにフォロワーがいる場合に効果的。リーチ拡大や新規獲得にも向いている。

  • モール型(例:楽天市場ショッピングチャンネル、au PAYマーケット ライブTVなど)

   :購入までの導線が整っており、配信と販売を一体で管理しやすい。

  • アプリ型(例:SHOWROOM、17LIVEなど)

   :アプリ内でライブ配信視聴から決済まで完結できる。

  • 自社サイトにライブ機能を組み込む

   :ブランディングやCRM(顧客関係構築)を重視する企業におすすめ。

 

目的と予算に応じて、短期施策か継続的な取り組みかも加味して選びましょう。

配信環境を整備

映像・音声の品質が視聴体験を左右するため、安定した配信環境を構築することが欠かせません。最低限必要な機材としては、以下のようなものが挙げられます。

  • カメラ(スマホ可、ただし画質はHD以上が望ましい)
  • 三脚やスタンド(手ブレ防止)
  • 照明機材(リングライト等で被写体を明るく照らす)
  • 外部マイク(ノイズを抑え、声をクリアに届ける)
  • 安定したインターネット接続(Wi-Fiだけでなくモバイル回線も予備として用意)

 

配信中にトラブルが発生しないよう、事前にリハーサルや機材チェックを行いましょう。

配信者の選定と事前打ち合わせ

商品の魅力を正しく伝えられる配信者を選び、十分な事前打ち合わせを行うことで、スムーズで説得力のある配信が実現します。配信者は、商品に対する理解が深く、ターゲット層と相性が良い人物を選定することが重要です。

配信前には以下の点を確認・共有しておくと、当日の進行がスムーズになります。

  • 紹介する商品の特徴・強み・価格帯
  • 想定される視聴者のペルソナと質問内容
  • 配信の構成・進行スクリプト(冒頭のあいさつ、クロージング含む)
  • 商品紹介中に実演すべきポイントや訴求順序

 

即興性も大切ですが、伝えるべきことを確実に伝えるための事前準備が配信の完成度を大きく左右します。

ライブ配信の告知

ライブ配信は時間が限られているため、配信の告知が重要になります。以下のような、事前の告知と誘導の工夫が重要です。

  • SNSでの事前予告(ライブ日時・内容を複数回投稿)
  • メールやLINEで既存顧客にリマインド通知
  • ECサイトやブランドページでのバナー掲載
  • 配信直前のカウントダウン投稿やストーリーでの誘導

ライブ配信後のデータ分析・改善

ライブ配信後は、視聴データや売上データを分析して次回につなげることが重要です。収集・分析したい主な指標は以下のとおりです。

  • 総視聴者数、平均視聴時間、最大同時接続数
  • コメント数やエンゲージメント(いいね、質問数)
  • 商品ごとのクリック数や購入率
  • ライブ配信への流入経路

これらのデータから、配信の時間の長さや告知方法など、次回に向けて改善できるポイントを洗い出せます。

ライブコマースの業界別成功事例

ライブコマースは、日本国内でもさまざまな業界で活用が広がっています。ここでは、アパレル・化粧品・飲食・雑貨など、各業界での成功事例を紹介します。

アパレル業界:季節感と双方向性でファンをつかむ(BEAMS)

BEAMS

画像引用:MR_BEAMS CHANNEL

アパレルブランドのBEAMSは、YouTubeで「MR_BEAMS CHANNEL」を2022年に立ち上げ、定期的にライブ配信をしています。スタッフが季節にあわせたファッションやコーディネートを紹介し、視聴者とのリアルタイムのやり取りを通じて、ブランドとの接点を深めています。

動画の概要欄には紹介アイテムの購入リンクや限定クーポンも掲載し、視聴から購入へつなげています。

化粧品業界:美容部員による実演とライブ限定セット(FANCL)

画像引用:FANCL LIVE SHOPPING

化粧品ブランドFANCLは、「HandsUP」というライブ配信アプリを使い、「FANCL LIVE SHOPPING」を配信しています。美容部員がスキンケアやメイク製品の使い方を見せながら、視聴者からの質問にもリアルタイムで回答しています。ライブ限定セットやサンプルプレゼントといった特典も盛り込み、購入動機を高めています。

2023年までの3年間で累計145回のライブを実施し、総視聴者数は約52万人に上ります。視聴経験者の購入頻度は、未視聴層に比べて約15%高いという結果になりました。

飲食業界:生産者の顔が見える配信(全国津々浦々ライブコマース)

画像引用:全国津々浦々お取り寄せスーパーつつうら【つつうら公式】 – YouTube

ネットスーパー「つつうら」は、全国各地の食の魅力を紹介する「全国津々浦々ライブコマース」をYouTubeから展開しています。ライブ配信では、バイヤーが選び抜いた旬の食材を、生産者との対話や現地の様子を交えながら紹介しており、視聴者は商品の背景やこだわりを知ったうえで、安心して購入できます。さらに、ライブ配信中限定で特価販売を行うなどして、購買を促進しています。

雑貨・ギフト・家具:見て、聞いて、納得できるライブ配信(ニトリ)

ニトリ

画像引用:ニトリLIVE

インテリア大手のニトリは、週に4〜5回のペースで自社のライブショッピングサイトから「ニトリLIVE」を配信しています。

2人のスタッフの掛け合いにより、テンポよく進むのが特徴です。商品の画像アイコンがライブ中の画面上部に表示され、気になるアイテムをクリックするとショッピングカートに画像が移動します。興味を持った商品をストックしておき、後でクリックしてECサイトで詳細を見るといったことも可能です。

配信後はアーカイブ動画をライブショッピングサイトに掲載し、自社ECに動画リンクを貼ったり、店舗スタッフで情報共有として利用したりしています。

代表的なライブコマースアプリ・サービス8選

最後に、ライブコマースの代表的なアプリやサービスをご紹介します。

ライブコマースで利用したことのあるSNSやアプリ・サービスについて、株式会社ネオマーケティングが国内の男女1,000人にアンケート調査を行った結果、トップがYouTubeで42.8%が、次いでInstagramが19.2%利用されていることが分かりました。

利用しているライブコマースアプリ・サービス

画像引用:株式会社ネオマーケティング『ライブコマース利用者は商品購入前の情報収集に積極的、購入理由は「もともと気になっていた」が過半数』(2022年1月)

本記事では上記調査で回答があったSNSにおけるショップ機能や、ライブコマースアプリ・サービスを中心に8つご紹介します。

※上記のうち「Rakuten LIVE」「Live Shop!」はサービスを終了しました。

YouTube

画像引用:YouTube のショッピング

YouTubeは、外部ECと連携して商品を紹介できるライブコマース対応プラットフォームです。ショッピング機能を利用すると、ライブ配信中に商品タグを表示したり、配信画面やチャット欄に商品をピン留めしたりすることができます。

ショッピング機能を利用するには、チャンネル登録者数が500人以上であるなど条件を満たしていることが必要です。

▶︎あわせて読みたい:YouTubeショッピングで売上アップ!新たな販売チャネルの可能性と成功例

Instagram

instagram

画像引用:Meta Instagramショッピングについて

Instagramでショッピング機能を使うと、Instagramショップページを作ることができます。ライブ配信(インスタライブ)中にタグ付けした商品から、Instagramショップの商品ページへと誘導できます。さらに進むとECサイトに移り、決済手続きができる仕組みです。

コマースマネージャを通じてFacebookショップと一元管理することもでき、ターゲット層が広がります。

Facebook

画像引用:Meta ”Facebookショップを国内で提供開始、中小ビジネスのオンライン事業をサポート

Facebookでは、ライブ配信機能「Facebook Live」と、オンラインショップ機能「Facebookショップ」を連携させることで、ライブコマースを実施できます。配信中に商品を紹介し、Facebookショップの商品ページに誘導してからECサイトにつなげる形式です。ユーザーはMessengerやInstagramのダイレクトメッセージを使って、配信以外の時間帯でもショップに問い合わせをすることができます。

ECサイトに移ることなく、Facebook上で購入や決済が完結できるのはアメリカのみです。Instagramも同様です(2025年6月現在)。

Tiktok

TikTok

画像引用:TikTok Shop

TikTokでは、2025年6月から「TikTok Shop」の日本展開が本格化し、ライブ配信中に表示された商品をタップして、そのままアプリ内で購入・決済まで完了できるようになりました。視聴から購入までがシームレスにつながる環境が整っています。

ショート動画やプロフィール内のショップページにも商品タグを設定でき、ライブ配信に限らず購買導線を強化できます。

SHOPROOM(SHOWROOM)

画像引用: SHOWROOM(ショールーム)

SHOWROOMが提供する「SHOPROOM」は、アイドルによる配信が多いのが特徴です。ライブ配信中に画面に表示されている商品をタップすると、商品の詳細が見られます。商品は購入することはもちろん、配信者にギフトとして贈ることもできます。

HandsUP(17LIVE)

HandsUP

画像引用:HandsUP

「HandsUP」は、ライブ配信の視聴からアプリ内での購入・決済まで完結できる17LIVEのライブコマースツールです。ECショップ構築やクーポン発行といった販売支援機能が備わっています。企業向けに、番組制作や配信の代行、コンサルティングなどのサポートサービスも用意されています。

ライコマ

ライコマ

画像引用:ライコマ

「ライコマ」は株式会社The Unitが提供する、ECサイトと連携型のライブコマースシステムです。視聴者は配信を見ながら商品をカートに追加し、最後にまとめて購入できます。配信ツールの提供にとどまらず、番組企画やキャスティング、配信・分析などのサポート体制も整っています。

au PAYマーケット ライブTV

au PAYマーケット ライブTV

画像引用:ライブTV

KDDIが運営する「au PAYマーケット ライブTV」は、スマートフォン専用アプリです。出演者が実演しながら商品を紹介します。PONTAポイントを活用したキャンペーンが行われるのが特徴です。利用するにあたっては、会員登録が必要です。

まとめ|ライブコマースで商品の魅力を伝えよう

ライブコマースは、ライブ配信とECサイトを組み合わせた販売形態です。視聴者とのリアルな対話やブランド体験を通じて、ファンを育てる場としても機能します。

今後は、ECサイトやSNSと連動した販売チャネルの一つとして、さらに多くの業界で活用が進むと考えられます。自社の商品やターゲットにあった方法で、ライブコマースの可能性を探ってみてはいかがでしょうか。

【この記事の監修者】

豊田 亮太

グロースマーケター

Shopify Japanの初期メンバーとして、日本市場におけるShopifyの普及に貢献。ECプラットフォーム、決済代行サービス等に関して豊富な知見を持つECのエキスパート。LinkedInページ:https://www.linkedin.com/in/ryota-toyoda-b45127138/

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。

関連する記事

Payment methods

All Payment Methods

日本の主要な決済方法を全て提供しています

韓国の主要な決済方法を全て提供しています

中国の3つの主要な決済方法を提供しています

ヨロッパーの主要な決済方法を提供しています