この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。
近年、売り切り型で新規顧客を獲得し続けるビジネスモデルよりも、長期的に顧客と良好な関係性を築き、毎月定額で収益を上げて安定させるビジネスモデルが注目されています。
特に、音楽や動画の配信サービスは、サブスクリプション型モデルを取り入れ、毎月定額を支払うことで聴き放題・見放題になるサービスへと、ビジネスモデルを転換する傾向が高まっています。こうしたビジネスモデルは、ストック型ビジネスと言われています。
本記事では、継続的に収益を上げるストック型ビジネスの基礎知識、そしてストック型ビジネスとは対比的なフロー型ビジネスの基礎知識や、それぞれの違いを解説します。さらに、本記事の後半では、ストック型ビジネスの成功事例もご紹介します。
新たなビジネスモデルの検討にお役立てください。
ストック型ビジネスとは?
ストック型ビジネスには、サブスクリプション型ビジネスやリカーリングビジネスがあります。どちらも継続的に収益を上げることができるビジネスモデルです。
ここでは、ストック型ビジネスの定義、具体例、仕組み、メリット・デメリットをご紹介します。
ストック型ビジネスの定義
ストック型ビジネスとは、仕組みやインフラを作り、定額サービスまたは従量課金のサービスを提供することで、継続的に収益が入るビジネスモデルです。積み上げを前提としている収益継続型モデルと言えます。商品やサービスを継続的に利用してもらうことに意味があります。
ストック型ビジネスの中にはサブスクリプション型ビジネスとも呼ばれるビジネスがあります。サブスクリプションとは、定額料金を支払うことで商品やサービスが利用できるビジネスモデルです。利用者は商品やサービスを「所有」せず、「利用」する権利を購入します。一方でリカーリングビジネスは電気・ガス・水道を代表とする従量課金制のサービスを示すことが多いです。
ストック型ビジネスの具体例
もっとも身近で分かりやすいストック型ビジネスの具体例として、「カミソリと刃型」ビジネスが挙げられます。一度カミソリ本体を購入すると、消耗品である替刃は安価で販売されていることが多く、利用者は替刃を定期的に購入するようになる、という仕組みです。
最初の購入ハードルを下げて、定期顧客をより多く獲得していくことがポイントになることが分かります。
また、音楽や動画の配信サービス、スポーツジムや学習塾などのスクール型のサービス、レンタルオフィスなどもストック型ビジネスのひとつです。
エンタメ系サービスの場合、月額980円などの定額料金を支払い、何曲もの音楽が聴き放題になったり、何本もの映画や動画が見放題になったりします。購入ハードルを下げるための無料トライアルを設けたり、利用者の解約を防ぐようなサービス独自のコンテンツを投入したりと、さまざまな工夫を行うサービスが現れています。
スポーツジムや学習塾などもストック型ビジネスです。一度契約することで、月額定額で収益が上がります。プランやサービス内容によって月額料金が異なることがほとんどです。
ストック型ビジネスの仕組み
ストック型ビジネスの仕組みは、売り切り型のフロー型ビジネスとは異なり、利用者が一度契約すれば、解約されない限りは継続的に収益が上がります。
そして、新規の利用者が増えることでさらに収益アップにつながります。そのため、利用者の満足度を高めていく努力が求められ、解約率を下げて継続的に利用してもらうことがポイントです。
ストック型ビジネスのメリット・デメリット
ストック型ビジネスのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット1.安定的な収益を見込める
ストック型ビジネスは継続的に利用されるようなサービス設計のため、一度購入・契約されると毎月継続的に売上が上がります。そのため、安定的な収益を見込めることがメリットです。特に、サービス改善や新たな投資を検討している際には、安定的に収益が生まれるストック型ビジネスなら挑戦に踏み出しやすいでしょう。
メリット2.頻繁な営業活動は不要
営業活動が全く必要でないとは言い切れませんが、売り切り型のビジネスモデルと比べて、初期に利用者を獲得していれば安定的な収益につながるため、営業活動に力を入れなくとも安定した経営が可能になります。
メリット3.外的要因に左右されにくい
外的要因に影響されにくい点もストック型ビジネスのメリットです。例えばリーマンショックのような、企業が倒産や経営難に陥る経済状況の中でも、ストック型ビジネスであれば多少なりとも堅実に売上を積み上げることができます。
デメリット1.収益を上げるまでに時間がかかる
一方で、収益を上げるまでに時間がかかるのがストック型ビジネスの特徴です。フロー型ビジネスとは違って、継続契約やリピート購入を狙っていくため、初期投資・初期費用を上回る収益化まで時間がかかることがほとんどです。
デメリット2.初期投資にお金がかかる
ストック型ビジネスの場合、ビジネススタートにあたり商品やサービスが継続的に購入されるようにするための、初期投資がポイントになります。仕組みやインフラを作っていくための準備にお金がかかるため、ビジネスの走り出しにはある程度の資金が必要でしょう。
フロー型ビジネスとは?
フロー型ビジネスは、売り切り型ビジネスとも呼ばれます。一回きりの販売で顧客に商品やサービスを提供します。
ここでは、フロー型ビジネスの定義、具体例、仕組み、メリット・デメリットを解説します。
フロー型ビジネスの定義
フロー型ビジネスとは、商品やサービスを販売して売上や収益が上がるのが一度限りであるビジネスモデルです。その都度契約を結んで、サービスを提供したり仕事を請け負ったりします。
売り切り型のビジネスであり、必要とする利用者に対して必要なときにサービスを提供できます。幅広いニーズに応えやすく、短期的ではあるものの一気に大きな収益を上げることも可能な点が特徴です。
フロー型ビジネスの具体例
フロー型ビジネスの具体例として、飲食店、美容室、コンビニエンスストア、家電量販店などが挙げられます。
利用者が都度、飲食店で買い物をしたり、美容室に訪れたりすることで売上が立ちます。毎月の売上予測を立てることはできますが、外部要因などによって売上の増減が生まれます。
また、Web制作や士業などの単発契約も、一度限りの売上が上がるようなビジネスモデルであるためフロー型ビジネスになります。
フロー型ビジネスの仕組み
フロー型ビジネスの仕組みは、売り切り型であるため、利用者による商品購入・サービス契約のタイミングで売上が上がります。そして継続的な売上は見込めず、常に利用者を獲得する必要があります。
フロー型ビジネスのメリット・デメリット
フロー型ビジネスのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット1.すぐに収益を上げることができる
ストック型ビジネスとは異なり、利用者が集まれば収益がすぐに上がるのがメリットです。例えば、新規店舗のオープン時には注目が集まり、利用者が集まりやすいでしょう。初期投資はかかりますが、比較的すぐに収益化につながりやすいです。
メリット2.外的要因によって大きく売上を上げられる可能性がある
新規オープンやリニューアルなどの集客向上施策や、周辺環境の変化などの外的要因によって、大きく収益を上げられる可能性があります。競合サービスが提供終了したり、SNSでの反響が大きかったりすることで、一気に注目を集めることもあり得ます。
デメリット1.単発購入のため収益が安定しづらい
常に利用者を獲得しなければ、収益が安定しづらいことはデメリットです。継続的に契約があるわけではなく、単発で購入されれば関係性が途切れるため、毎月安定した収益を見込むことは難しいです。
デメリット2.継続的に営業活動が必要
収益が安定しないこともあり、集客を強化するための営業力は必要です。新たな利用者を獲得したり、継続的に購入してもらうためのアプローチをしたりと、営業力をもって展開していかなければ、売上を積み上げていくことは難しいでしょう。
ストック型とフロー型の違い
それでは、ストック型ビジネスとフロー型ビジネスの違いを整理しましょう。
フロー型ビジネスの場合、継続的に売上が立たないため安定しておらず、さらには外的要因を受けやすいため、月によっては収益が見込めないこともあるでしょう。
一方で、ストック型ビジネスの場合、継続的に利用者が契約・購入するため、売上は右肩上がりになりやすく、外的要因の影響も受けづらいです。
改めて、以下にストック型ビジネスとフロー型ビジネスの違いをまとめます。収益形態、サービス例、メリット・デメリットを確認しましょう。
| フロー型ビジネス | ストック型ビジネス |
収益形態 | 単発 | 定期的・継続的 |
サービス例 | 飲食店、美容室、コンビニエンスストア、家電量販店など | 音楽や動画の配信サービス、スポーツジムや学習塾などのスクール型のサービス、レンタルオフィスなど |
メリット | ・すぐに収益を上げることができる ・外的要因によって大きく売上を上げられる可能性がある | ・安定的な収益を見込める ・都度の営業活動が不要 ・外的要因に左右されにくい |
デメリット | ・単発購入のため収益が安定しづらい ・継続的に営業活動が必要 | ・収益を上げるまでに時間がかかる ・初期投資にお金がかかる |
ストック型ビジネスの成功事例
最後に、ストック型ビジネスの成功事例をご紹介します。ストック型ビジネスの中にも、「定期購入型」「レンタル型」など、さまざまな種類があります。
事例1.定期購入型|コープ・生協の宅配
定期購入型として、食料品から日用品までネットで簡単に注文できる「コープ・生協の宅配」が成功事例として挙げられます。
品揃えが豊富で、生活シーンに合わせた商品が購入できるようになっているのが選ばれる理由の一つです。週1回、決まった曜日・時間帯に届くため、計画的な買い物ができることが利用者にとっての魅力です。
このような定期購入型は、利用者の利便性が高いと継続的に契約・利用されやすくなります。定期購入型は通販事業に多く導入されています。
事例2.レンタル型|airCloset(エアークローゼット)
レンタル型として、洋服をレンタルできる「airCloset」が人気です。プロのスタイリストがコーディネートした洋服が借り放題で、30万着から試せるのがポイントです。
忙しいビジネスパーソンや、クローゼットが洋服でいっぱいになりやすい消費者に人気で、自宅やコンビニで好きな時間に受け取り、返したいときに即返却が可能です。お試し利用もでき、いま利用者が拡大しているサービスです。
このようなレンタル型は、「必要なときだけ利用したい」「所有せずに利用したい」「交換を容易にしたい」といったニーズに応えることができるビジネスモデルとなっています。
事例3.スクール型・会員制型|SOELU(ソエル)
スクール型・会員制型として、月額定額でオンラインフィットネス&ヨガのレッスンを受けられるサービス「SOELU」をご紹介します。ライブレッスンの受講回数によってプランを選べます。
ライブレッスンとビデオレッスンの両方を受講でき、200名以上のインストラクター・100以上のレッスンとサービスが充実しています。サイトから簡単に予約・キャンセルもでき、利用者にとって利便性が高いのが特徴です。
こうしたスクール型・会員制型は、サービス内容の充実度がポイントです。学習塾やスポーツジムなど、一度契約したとしても利用が継続しなかったり、内容に満足しなかったりすると解約されてしまいます。
まとめ|安定的な収益を目指すならストック型ビジネス
今回は、ストック型ビジネスとフロー型ビジネスの違いをご紹介しました。それぞれの定義や具体例、仕組み、メリット・デメリットを比べて、どちらのビジネスモデルが安定しているのか分かったのではないでしょうか。
これからは売り切り型ではなく、利用者の信頼を獲得し囲い込み、継続的・安定的に収益を上げていくことが求められます。こうした流れから、ストック型ビジネスであるサブスクリプション型ビジネスが盛り上がっています。
サブスクリプション型ビジネスの概要や事例の解説記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
よくある質問
ストック型ビジネスは、ジムの会費や動画配信サービスなど収益の積み上げを前提にしているビジネスモデルで、フロー型ビジネスは、コンビニや飲食店など収益が単発で入るビジネスモデルのことです。
音楽や動画の配信サービス、ジムの会費、学習塾などの例があります。
飲食店、コンビニ、家電量販店など様々な例があります。
顧客さえ獲得できれば、安定的な収益を見込めるというのが一番のメリットです。
すぐに収益を上げることができるということがメリットです。ストック型ビジネスとは異なり、収益までのハードルが低くなっています。
この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。