リカーリングビジネスとは?

リカーリングとは?サブスクリプションとの違いやメリット・デメリットについて解説

リカーリングとは?

リカーリング(Recurring)とは、英語で「繰り返される」「循環する」を意味します。企業が顧客との契約に基づき、一時的ではなく、継続的に提供するサービスから発生する収益のことを経常収益(Recurring Revenue)と呼びます。

リカーリングビジネスとは、継続課金から得られる経常収益に頼るビジネスモデルのことです。リカーリングは、サブスクリプションやシェアリングなど、所有から利用へと移行する現在の消費トレンドにおいて、注目を集めているビジネスモデルです。

リカーリングビジネスモデルの仕組み

リカーリングビジネスは、1回ごとの売り切り契約ではなく、企業が消費者に継続的に提供するサービス契約から収益を得ます。

リカーリングビジネスモデルの歴史上の例としては、米国ジレットが、替え刃の取り替え需要を狙ってカミソリ本体を無料で配布した事例が広く知られています。同じく米国ゼロックスが、オフィス用コピー機本体からではなく、交換トナーからの継続収益を確立したのもリカーリングのビジネスモデルです。

このように、リカーリングビジネスモデルでは、プリンターとトナーやインク、ゲーム機とソフトやサービス、携帯電話と通話料金のように、ユーザーが繰り返し使用するサービスやプロダクトから収益を得る仕組みとなっています。

リカーリングビジネスとサブスクリプションとの違い

リカーリングビジネスとサブスクリプション

Apple Music、Spotify、Netflix、Microsoft 365などのサブスクリプションサービスも、継続的に提供されるサービスの経常収益に基づくビジネスモデルです。よってサブスクリプションは、リカーリングビジネスに含まれるビジネスモデルといえます。

もともと、雑誌や新聞の「定期購読」を意味するサブスクリプションでは、契約期間中の利用料金が定額に設定されているのが一般的です。そのため、継続契約に基づく携帯電話料金や電気・ガス・水道などの従量課金制のサービスは、リカーリングビジネスではありますが、サブスクリプションとは呼ばれません。

リカーリングビジネスのメリット

リカーリングビジネスは、収益の見通しが立てやすい

収益の見通しが立てやすい

リカーリングビジネスは、継続課金から得られる経常収益に基づいているため、売り切り型のビジネスモデルに比べて、長期的に安定した収益を見込めるというメリットがあります。契約者数の伸びや解約率(チャーンレート)を測定することで、投資や融資、ピボットを含めたビジネスの戦略的判断がスピーディに行える点もメリットといえます。

カスタマーサクセス戦略の実現

リカーリングビジネスモデルは、顧客の契約の継続が前提となります。そのためには、企業は顧客の声や不満を丁寧にすくい上げてサービスを改善し、顧客満足度を高めることが重要です。このようなフィードバック循環が機能すると、アップセルやクロスセルを含め、企業のカスタマーサクセス戦略に貢献し、経営基盤を強靭なものにしてくれるでしょう。

ブランディング戦略の実現

カスタマーサクセスの実現により、顧客がブランドのより良いファンとなってくれれば、ビジネスは持続的に成長していきます。顧客自身が自発的にブランドのアンバサダーとなり、SNSなどで発信することで、持続可能性の高いブランディングにつながります。カスタマーサクセスやブランディングにおける知見は、ほかのリカーリングビジネスを新たに展開する場合にも、強い味方となってくれます。

リカーリングビジネスのデメリット

リカーリングビジネスの収益の安定化やブランディングへの寄与など、その特長を見てきましたが、企業にとってデメリットとなる点はないのでしょうか?

経常収益より支出が上回るリスク

リカーリングビジネスによる経常収益よりも支出が上回ってしまい、結果的に利益が出ないというケースがあります。消費者にとって魅力的なサービス料金の設定が、損益分岐点を超えるためには低すぎたということです。要因としては、デジタルサービスでは発生しない、物品の定期的な梱包・配送費用や、製品管理やメンテナンスなどの人件費が、想定以上に掛かってしまったことなどが挙げられます。

初期投資が回収不能になるリスク

リカーリングビジネスでは、初期の顧客獲得のために投入する、広告やキャンペーン費用が膨らんでしまう傾向が見られます。このため、チャーンレートが高くなり、顧客のLTV(ライフタイムバリュー)が伸び悩んでしまうと、初期投資が回収不能となり、サービスの継続が困難になってしまいます。

新規参入による価格競争

事業者のリカーリングビジネスモデルが、模倣しやすく独自性の低いものである場合、新規参入による価格競争に陥ってしまう可能性があります。利益率が著しく下がった場合には、事業継続が困難になってしまうことが考えられます。

リカーリングビジネスと相性の良い業界・業種

独自のロジスティクスネットワークを利用できる企業

独自のデジタルサービス

Adobe Creative CloudやMicrosoft 365など、クリエイティブやオフィスワークに特化したデジタルサービスは、リカーリングビジネスとして持続可能性が高いカテゴリーだといえます。デジタルサービスは、輸送や配送コストが掛からないため利益率が比較的高く、カスタマージャーニーをトラッキングしやすいというメリットがあります。

独自のロジスティクスネットワークがある

食品や野菜を定期的に配送してくれるリカーリングビジネスでは、独自のロジスティクスネットワークを利用できる企業が有利です。また、生産者の顔やストーリーを共有することで、デジタルサービスにはない人の温もりを感じるサービスを提供することができます。

独自のファンがいる業界

ゲームやアニメ、フィギュアなどの根強いファンを持つサービスは、リカーリングビジネスと相性が良いでしょう。コーヒーやチョコレート、ラーメンなどの独自のファン層がいる食品分野も、継続課金に向いているカテゴリーだと考えられます。

リカーリングビジネスの成功事例

会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ」

キリンの「ホームタップ」は、工場から自宅に直接届く生ビールを、専用のビールサーバーで楽しめる会員制サービス。専用ビールサーバーは無料でレンタルし、月2回ビールを配送するサブスクリプションサービスです。定額制でありながら、ニーズに応じて追加注文や注文スキップが簡単にできる柔軟性があります。

2021年2月末時点の会員数は3万人で、年末までに会員数10万人到達を目標に、大々的な広告戦略やPR活動で認知を広げることを発表しています。 

SONYの有料会員サービス「PlayStation Plus」

SONYの「PlayStation Plus (PS Plus) 」は、有料会員のリカーリングビジネスです。PS Plusでは、加入者限定のサービス限定割引、ボーナスコンテンツやオンラインマルチプレイなどの加入者特典で会員ユーザーを魅了し、経常収益を成長させています。

その結果、SONYのリカーリングビジネスは会社の全売上の4〜5割を占めるまでになっています。

リカーリングビジネスの注意点

リカーリングビジネスを成功させるためには、新規顧客を効率的な投資で数多く集め、カスタマーサクセスを通して独自のサービス、ブランディングを実現していく地道な努力が必要です。追加注文や従量制に対応したサービスを提供したい場合は、柔軟に対応できる決済サービスを実装する必要があります。

まとめ

リカーリングビジネスは、所有から利用へと移行する消費トレンドに伴って、今後も成長を続けていくと予想されます。決済サービスの充実などで顧客満足度を高め、カスタマーサクセスを実現することが、リカーリングビジネスの成功要因となります。

本記事ではリカーリングについて解説してきましたが、サブスクリプション型ビジネスの概要や事例の解説記事もありますので、ぜひ参考にしてください。

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