マルチチャネルとは? メリットや成功事例を解説

マルチチャネル

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デジタルデバイスの普及や顧客の購買行動の多様化により、企業が顧客との接点を増やして多様な顧客層にアプローチする「マルチチャネル」を採用する傾向が強まっています。マルチチャネルを活用すれば販売機会が増え、顧客満足度も高まります。

マルチチャネルに取り組む前に、本記事でマルチチャネルの定義やオムニチャネルなどとの違い、メリット・デメリット、注意点を押さえておきましょう。成功のためのポイントと成功事例も解説していますので、参考になれば幸いです。

マルチチャネルとは

マルチチャネルとは、企業が顧客との接点を複数持つマーケティング戦略のことです。具体的には、実店舗、ECサイト、SNS、電話、メールなど、複数の販売経路や顧客とのコミュニケーション手段を活用します。

マルチチャネルによって顧客との接点(タッチポイント)を増やし、商品の認知度向上と販売機会の拡大を図ります。オンラインとオフライン、両方のチャネルを活用することで、より広範な顧客層にアプローチできます。ただし、各チャネルは独立して運営されるため、情報や顧客体験の連携は限定的です。

マルチチャネルで活用されるチャネルの例

マルチチャネルで活用されるチャネルには、以下のような種類があります。

 

オンライン

オフライン

その他

販売

  • 自社ECサイト
  • ECモール(Amazon、楽天市場など)
  • ライブコマース
  • 実店舗
  • 電話営業
  • 訪問販売
  • テレアポ
  • テレビ通販
  • カタログ通販

コミュニケーション

  • 自社サイト
  • SNS(X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、YouTube、TikTokなど)
  • メールマガジン
  • アプリのプッシュ通知
  • 問い合わせフォーム
  • チャットボット
  • 店頭での接客
  • 電話での問い合わせ対応
  • ご意見はがき
  • FAX

広告宣伝

  • デジタル広告
  • SNS広告
  • ダイレクトメール
  • 店頭ポスター
  • チラシ、パンフレット
  • テレビCM
  • ダイレクトメール
  • 雑誌/新聞広告
  • 街頭看板

これらのチャネルを効果的に組み合わせることで、企業は幅広い顧客層にリーチして販売機会を獲得できます。各チャネルの特性を理解し、ターゲット顧客に適したアプローチを選択することが重要です。

マルチチャネル、クロスチャネル、オムニチャネルの違い

マルチチャネル、クロスチャネル、オムニチャネルの違い

マルチチャネルと似た言葉に「クロスチャネル」、「オムニチャネル」があります。3つの共通点は、いずれもオンラインとオフライン両方の複数のチャネルを持っており、顧客との接点を増やして認知度向上や販売機会の拡大を図るところです。

クロスチャネルは、マルチチャネルの進化形で、複数のチャネル間のデータ連携が行われます。例えば、実店舗とECサイトで在庫情報や顧客データが共有できるのです。

オムニチャネルは、クロスチャネルをさらに進化させたもので、すべてのチャネルが統合されており、シームレスな顧客体験を提供できます。顧客はチャネルの違いを意識することなく、一貫したサービスを受けられます。

マルチチャネル、クロスチャネル、オムニチャネルの違いをまとめると以下のとおりです。

 

マルチチャネル

クロスチャネル

オムニチャネル

目的

顧客との接点を増やし、認知度向上と販売機会の拡大を図ること

チャネル間のデータ連携により販売活動の最適化を図ること

顧客に一貫したサービスを提供し、ロイヤリティを高めること

データ連携

各チャネルは独立しており、データ連携はない

チャネル間でデータ連携がある

すべてのチャネルが完全に統合され、データが一元管理される

顧客体験

各チャネルを別々のものとして認識する

同一ブランドの複数チャネルとして認識して、使い分ける

チャネルの違いを意識せず、シームレスな体験ができる

顧客体験の違い

それぞれの違いが分かりやすいよう、実店舗とECサイトを運営する企業から顧客が商品を購入する際の流れを見てみましょう。

【マルチチャネルの顧客体験】

  1. 顧客がECサイトで商品を見つけ、在庫があることを確認します。
  2. 実店舗で商品を確認したいと思い、店舗に行きます。
  3. 店舗では商品が見つからず、店員に尋ねると在庫がないと言われます。
  4. 顧客は再度ECサイトにアクセスし、オンラインで購入します。
  5. 商品が自宅に配送されます。

 

この例では、実店舗とECサイトが独立して運営されており、顧客は各チャネルで別々に対応を受けています。

【クロスチャネルの顧客体験】

  1. 顧客がECサイトで商品を見つけ、在庫があることを確認します。
  2. ECサイトで「店舗での受け取り」オプションを選択し、近くの店舗を指定します。
  3. 店舗に行くと、予約した商品が用意されています。
  4. 店舗で商品を確認し、そのまま購入して持ち帰ります。

 

この例では、ECサイトと実店舗間で在庫情報が共有されており、顧客はチャネルを跨いで購入プロセスを完了しています。

【オムニチャネルの顧客体験】

  1. 顧客がスマートフォンアプリで商品を見つけ、在庫を確認します。
  2. アプリ上で実店舗での試着予約をします。
  3. 店舗で試着し、気に入ったものの、サイズが合わないことがわかります。
  4. 店員がタブレットで在庫を確認し、他店舗にある適切なサイズを即座に取り寄せられることを伝えます。
  5. 顧客は商品を注文し、自宅への配送を選択します。
  6. 後日、顧客がサイズ交換を希望し、アプリでリクエストします。
  7. 近くのコンビニエンスストアで商品を交換し、そのまま返品処理も完了します。

 

この例では、全てのチャネルが完全に統合されており、顧客はシームレスな購買体験を得ています。オンラインとオフライン、実店舗、配送、カスタマーサービスなど、全てのタッチポイントが連携しています。

マルチチャネル、OMO、O2Oの違い

マルチチャネルと似たような概念に「OMO」「O2O」があります。3つの共通点は、複数のチャネルを持ち、オンラインとオフラインの垣根を越えて新たな販売チャネルを作ることにあります。

OMO(Online Merges with Offline)は、オンラインとオフラインの境界を取り払い、顧客にシームレスな体験を提供することを目指したマーケティング手法です。

O2O(Online to Offline)は、オンラインからオフラインへの顧客誘導を指すビジネス戦略です。オンラインでのマーケティング活動や広告を通じて、ユーザーを実店舗に誘導し、そこでの商品の購入を促進する仕組みを指します。

マルチチャネル、OMO、O2Oの違いをまとめると以下のとおりです。

 

マルチチャネル

OMO

O2O

目的

複数のチャネルで商品を提供すること

オンラインとオフラインの融合により優れた顧客体験を実現すること

オンラインの活動を通じてオフラインでの購買や体験を促進すること

データ連携

各チャネルは独立で、連携はない

すべてのチャネルやデータが完全に連携・融合している

オンラインとオフラインのデータ連携がある

顧客体験

各チャネルを別々のものとして認識する

オンラインとオフラインの境界を意識せず、シームレスな体験を得る

オンラインで情報を得た後、オフラインで購買や体験を行う

マルチチャネルのメリット

マルチチャネルには以下の3つのメリットがあります。

販売の機会が増える

実店舗・ECサイト・SNSなど多様なチャネルを通じて商品を提供することで、企業は顧客との接点、つまり販売機会を増やすことができます。例えば、実店舗のみの運営にECサイトを追加することは、地理的な制約を超えて新たな顧客層を獲得することにもつながります。

チャネルごとの分析や違ったアプローチができる

各チャネルが独立しているマルチチャネルでは、チャネルごとに詳細な分析を行い、それぞれに最適化された戦略を立てることができます。ECサイトでの購買履歴、実店舗での接客データ、SNSでのエンゲージメント率など異なる指標で顧客行動を分析し、チャネルの特性を活かしたアプローチを展開することが可能です。例えば、若年層向けにはSNSを活用し、高齢者層向けには電話や実店舗でのアプローチを行うといった施策があります。

顧客体験、顧客満足度が向上する

マルチチャネルによって顧客は自身の状況や好みに応じて最適なチャネルを選択できるようになるため、顧客体験や顧客満足度が向上します。例えば、実店舗で商品を目で確認してからECサイトで購入するといった購買行動が可能になります。

また、企業はチャネルごとに適切なコミュニケーションを取ることができ、それは顧客のニーズを細かく満たすことにつながります。例えば、実店舗では対面での接客、ECサイトでは24時間いつでも購入可能な環境の提供、SNSでは最新キャンペーン情報の提供、というように各チャネルの特性を活かしたサービスを提供することで、顧客満足度が高まります。

マルチチャネルの注意点

マルチチャネルにはメリットが多くありますが、以下のような注意点もあります。

チャネル間を跨いだ情報共有が難しい

マルチチャネルでは、各チャネルが独立して運営されているため、チャネル間での情報共有が困難になります。これは経理管理や顧客情報の連携に大きな影響を与えます。例えば、ある顧客が実店舗でポイントカードを作成しても、その情報がECサイトに反映されず、顧客は同じ情報を再度登録する必要があるかもしれません。

また、売上や顧客データが各チャネルで別々に管理されると、統合的な分析や意思決定が難しくなります。

在庫管理が複雑になる

各チャネルが独立しているため、リアルタイムでの在庫情報の共有が難しくなります。例えば、ECサイトで売り切れた商品が実店舗にはまだある、あるいはその逆のような状況が発生する可能性があります。これにより、販売機会の損失や顧客からの信頼の低下につながる恐れがあります。

チャネルが増えると管理コストが増える

マルチチャネル戦略を展開すると、各チャネルに専門スタッフや設備、運営費用が必要となり、必然的に管理コストが増加します。例えば、実店舗とオンラインストアを運営する場合、店舗スタッフ・サイト管理者・カスタマーサービススタッフなどの人件費、店舗維持費、サイト運営費、マーケティング費用などが発生します。

また、各チャネルに適したコンテンツの制作と運用にも多くのリソースが必要となり、特に小規模な企業にとっては大きな負担となる可能性があります。

マルチチャネルに向いているケース

マルチチャネルに向いている企業の特徴を見ていきましょう。

  • 顧客層が幅広い
  • 複数チャネル化の予算が限られている
  • 事業規模が比較的小さい

 

複数チャネルを独立して運営するため、顧客層が幅広く各チャネルの特性を活かしたマーケティング活動を行いたい企業に向いています。

また、マルチチャネルの進化形であるオムニチャネルは、各チャネルを連携する管理システムや配送システムなどの導入・構築が必要であり、マルチチャネルと比較するとコストや手間がかかります。予算が限られている小規模な事業であれば、オムニチャネルでは費用対効果が見合わない恐れもあるため、マルチチャネルを選択するほうが望ましいでしょう。

マルチチャネルで成功するためのポイント

マルチチャネルを効果的に展開し成功させるためのポイントをご紹介します。

事業に合ったチャネルを選択する

自社の商品の特性を理解し、それぞれに最適なチャネルを選択することが重要です。高級品であれば直接店舗で体験できるリアルなチャネル、手軽に購入できるものであればECサイトやSNSなどのデジタルチャネルが適しているでしょう。また、顧客の行動を分析してどのチャネルを好むかを把握することも大切です。

チャネルに一貫性を持たせる

マルチチャネルを効果的に実施するためには、各チャネルで一貫性のあるメッセージを伝えて、ブランドイメージを強化することが重要です。チャネルにより顧客体験が大きく異なると、競合と誤って認識される可能性があります。統一したトーンやスタイルで伝えることで、顧客の自社への認識を高めていきましょう。

データ分析をし、PDCAサイクルを回す

継続的にデータを分析し、PDCAサイクルを回すことも成功のためのポイントの一つです。各チャネルの販売データやアクセスデータを収集し、どのチャネルが効果的か、どのチャネルが顧客満足度に寄与しているかを見極めます。また、購買後のアンケートや顧客からのフィードバックを活用することで、顧客がどのような体験を求めているのか、どのチャネルに対してどのような期待を持っているのかを理解し、戦略を継続的に改善することができます。

マルチチャネルの成功事例

マルチチャネルの成功事例をご紹介します。

成功事例1. SNSとSEOでサイト流入・CVが増加|ユアマイスター株式会社

YOURMYSTAR

画像引用:YOURMYSTAR

ハウスクリーニングのECプラットフォーム「YOURMYSTAR」を運営するユアマイスター株式会社は、SNSとSEOを組み合わせたマルチチャネルを展開しました。その結果、サイト流入数が2倍、コンバージョン数が6倍に増加し、Instagram・TikTokで合計35万人以上のフォロワーを獲得しています。

成功事例2. サポートセンターをマルチチャネル化|東日本旅客鉄道株式会社(モバイルSuicaサポートセンター)

モバイルSuicaサポートポータル

画像引用:モバイルSuicaサポートポータル

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、モバイルSuicaサポートセンターのマルチチャネル化を推進しました。電話のみだった問い合わせ窓口に、Webフォーム、AIチャットボット、有人チャットなどを導入し、会員数増加と音声を介さないカスタマーサポート(ノンボイスチャネル)設置に対応しました。その結果、ノンボイスチャネル利用率は80%になり、問い合わせが分散したため電話のつながりやすさも改善しています。

成功事例3. 採用ミスマッチ防止に複数のSNSで発信|Netflix

Netflix LinkedInページ

画像引用:Netflix LinkedInページ

動画配信サービス「Nextflix」の採用活動は、マルチチャネル展開されています。X(旧Twitter)では求人情報や候補者からの質問と回答を発信、Instagramでは社員の様子を画像・動画でリアルタイムに発信、YouTubeでは社員の対話を配信、LinkedInではビジネス哲学を発信しました。チャネルごとに反応する層が異なる点に着目し、多様なコンテンツを展開することで、ミスマッチの防止につなげています。

まとめ|マルチチャネルで販売機会と顧客満足度を向上

マルチチャネルは実店舗やECサイト、SNSなど複数のチャネルで顧客との接点を持つことで、販売機会と顧客満足度を向上させることができます。

独立したチャネルを複数運営することから、幅広い顧客層へアプローチしたい場合に使い分けがしやすいでしょう。ただし、在庫管理などが複雑になりやすいため、各チャネルのデータ分析をもとにPDCAを回し、より効果的なマルチチャネルを実行していくことが求められます。

マルチチャネルでは、データを一括管理できるサービスを利用することがおすすめです。

KOMOJUターミナル管理画面

上記のようにシンプルな管理画面で使いやすい管理画面でオペレーション周りを簡素化できます。

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