
この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。
自社商品をオンラインで販売するECサイトを立ち上げる際に、よく比較されるのが「Shopify」と「WooCommerce」の2つです。
Shopifyは、ネットショップに必要な機能が揃ったクラウド型サービスで、専門知識がなくても使いやすく、アプリやテンプレートを使って柔軟なカスタマイズも可能です。
一方のWooCommerceは、WordPressに追加して使うプラグイン型サービスで、自由度が高いのが特徴です。設定に多少の知識は必要ですが、WordPressに慣れていれば問題なく扱えます。
本記事では、ShopifyとWooCommerceの特徴や、集客・販促・決済などの機能、導入や運用にかかる費用、サポート体制などを比較し、自社に合ったECプラットフォームの選び方を解説します。
Shopify(ショッピファイ)の特徴

画像引用:Shopify
Shopifyは、世界175ヶ国以上で利用されているクラウド型のECサイト構築プラットフォームです。世界のeコマース利用状況では、Shopifyが約25%のシェアでトップでした(BuiltWith / 2025年7月時点)。日本国内でも導入が進んでおり、個人のネットショップから大手ブランドまで、幅広い事業者に選ばれています。
特徴的なのは、ネットショップに必要な機能が最初からそろっていることです。商品登録、在庫管理、決済、配送設定など、専門的な知識がなくても操作しやすく、初心者にも扱いやすい点が強みです。
また、デザインテンプレートやアプリでのカスタマイズも手軽にできます。Shopify専用のアプリストアでは、集客やマーケティング、海外販売対応などを拡張できるアプリが数多く提供されており、事業の成長にあわせて柔軟に機能を追加できます。
▶︎あわせて読みたい:Shopifyとは?機能や最新の料金プランと手数料、メリットについて解説
WooCommerce(ウーコマース)の特徴

画像引用:WooCommerce
WooCommerceは、WordPressに追加して使うプラグイン型のサービスです。すでにWordPressで運用しているサイトがあれば、WooCommerceプラグインをインストールすることでEC機能を追加できます。世界のeコマース利用状況では、WooCommerceが約13%のシェアを持ち、Shopifyに次ぐ利用率を誇っています(BuiltWith / 2025年7月時点)。
ShopifyのようにEC機能一式がセットになったサービスとは異なり、WooCommerceでは必要な機能を自分で選んで構築できる柔軟性が魅力です。たとえば、在庫・配送・決済などの管理サービスを自由に組み合わせて、自社のビジネスに合ったストアを細かく設計できます。オープンソースであるため、導入コストを抑えられる点も大きな利点です。
一方で、追加するプラグインの選定や保守・セキュリティ管理など、ある程度の知識や運用体制が必要になるケースもあります。WordPressに使い慣れていたり、既存サイトを活かしてEC展開を始めたりしたい場合に適しています。
▶︎あわせて読みたい:WooCommerceとは?基本機能やメリット、導入ステップや事例を解説
ShopifyとWooCommerceの機能比較
ShopifyとWooCommerceはいずれもECサイトを構築・運営できるサービスですが、提供されている機能やカスタマイズ性には違いがあります。ここでは、構築のしやすさから、集客・販促・セキュリティ・決済まで、両者の機能を比較します。
構築や維持の難易度
ECサイトの構築や維持の難易度は、WooCommerceのほうがShopifyより高いです。
Shopifyには、商品管理・注文管理・決済処理・配送設定・マーケティングツール・分析機能といったオンラインストアの構築に必要な主要機能が備わっています。アカウントを作成すればすぐに利用でき、最短でその日のうちにECサイトの公開が可能です。サーバーの契約や複雑な初期設定も不要なため、初めてのネットショップでも安心して始められます。
一方で、WooCommerceの場合、WordPressの基本設定に加えて、サーバー契約やドメイン取得が必要です。また、機能を使うには一つひとつを外部から追加しなければなりません。商品管理・注文管理・決済処理・配送設定は管理画面から操作できますが、日本向けに利用する場合はJapanized for WooCommerceプラグインを利用します。さらに、プラグインやWordPress本体のバージョン管理・更新も自社で行う必要があり、セキュリティを保つには一定のスキルを持った人材が求められます。
EC構築をスピーディに行いたい場合にはShopify、運用管理のノウハウがある場合にはWooCommerceが適しています。
ECサイト構築機能
ECサイトの構築機能の違いを紹介します。
| Shopify | WooCommerce |
商品登録数 | 無制限 | サーバー性能が上限(約100万点) |
商品写真数 | 1商品につき250枚まで(画像・3Dモデル・動画含む) | サーバー性能が上限 |
デザインテンプレート数 | 無料:24種類 有料:850種類 | WordPressのテンプレートを使用 無料:13,000種類 有料:複数あり |
編集のためのプログラミング言語 | HTML・PHP・CSS・Liquid | HTML(要ブロックエディタ)・PHP・CSS・JS |
独自ドメイン | ◯(Shopifyで直接購入 or 外部で購入) | ✕(外部で購入) |
SSL対応・証明書(データのやりとりの暗号化) | ◯(無料かつ自動でSSL対応) | △(サーバーによっては無料かつ自動でSSL対応。非対応の場合は、管理画面から専用のプラグインをインストール) |
Shopifyはドメインの購入方法やデザインテンプレートなどがある程度限定されており、サイト構築のための材料が選びやすいのが特徴です。WooCommerceは、サーバーによって商品登録数やSSL対応が変わるため、サーバー選びが重要といえます。どちらもプログラミング言語を使うことで、デザインの幅を広げることができます。
集客機能
ShopifyもWooCommerceも、SEO対策やSNS上での商品販売、広告配信、メルマガ配信といった集客機能が使えます。ShopifyはShopifyアプリストアからアプリを選び、WooCommerceはWordPressへのプラグインで実装できます。
| Shopify | WooCommerce |
SEO対策 | 専用の無料・有料アプリあり。コード編集により、Google サーチ コンソールとの連携も可能 | WordPress自体にSEO機能あり。Yoast WooCommerce SEOなどをプラグインすることで、機能の強化が可能 |
SNS連携(SNS上での宣伝・販売) | Facebook・Instagram・TikTok・X・Pinterestのショッピング機能と、専用アプリで連携可能 | Facebook・Instagram・TikTok・Pinterest・LinkedInなどのショッピング機能と、プラグインで連携可能 |
広告連携 | Google・YouTube・Facebook・Instagramなどの広告と、専用アプリで連携可能 | Googleタグ マネージャー(GTM)をプラグインにより連携し、GTM上にGoogle広告のタグを設定する |
メルマガ機能 | Shopifyメールのアプリで月1万通まで無料 | MailPoetなどのプラグインで自動化可能 |
Shopifyは専用アプリストアから必要な機能を追加できるのに対して、WooCommerceは外部から追加するのが大きな違いです。限られた機能から必要なものを選ぶならShopify、機能を一つひとつ自社に合ったものを選ぶならWooCommerceがよいでしょう。
販促機能
ShopifyもWooCommerceも、クーポン発行やセール価格の設定といった販促機能を備えています。
| Shopify | WooCommerce |
クーポン発行 | クーポンコード発行やディスカウント機能あり。ディスカウントの種類は、割引・商品をプラス(Aを買ったらBももらえる)・配送料無料。自動ディスカウントもあり | 管理画面の設定から、クーポンコードの使用を有効化する。ディスカウントの種類は、割引率・一回の買い物の割引・商品ごとの割引。配送料の無料設定や、クーポンの制限設定も可能 |
セール価格 | 管理画面から設定可能。アプリの利用で、開始日時・終了日時の設定も可能 | クーポンが適用されれば、自動で表示される。表示の仕方はCSSなどでカスタマイズ可能 |
ポイント | アプリで導入可能 | プラグインで導入可能 |
アップセル・クロスセル | アプリで導入可能 | 関連商品を表示する機能あり。プラグインで高度な設定も可能 |
ShopifyもWooCommerceも高機能なものが必要なければ、クーポン発行とセール価格の設定はアプリやプラグインがなくても利用できます。
アップセル・クロスセルとは、たとえば「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった形で関連商品を提案するマーケティング手法です。アプリやプラグインを利用するのも一つの方法ですが、メルマガなどを駆使するのも有効でしょう。また、WooCommerceにはもともと関連商品の表示機能があり、商品ページに表示されるアップセルか、カートの関連商品が表示されるクロスセルかを商品ごとに設定できます。
参照:Shopify App Store、WordPress プラグイン
サポート体制
Shopifyはチャットやメールでの問い合わせ対応のほか、ShopifyヘルプセンターやShopify コミュニティで回答が探せる仕組みになっています。ヘルプセンターのアシスタントチャットは24時間対応可能です。
WooCommerceにも、質問の答えを探せるようドキュメントやWordPressのユーザーコミュニティなどが用意されています。AIアシスタントやプロによるサポートを24時間体制で受けたい場合は、有料プランへの加入が必要です。
セキュリティ
Shopifyは、セキュリティ対策があらかじめ組み込まれているクラウド型のECプラットフォームです。SSL証明書の自動付与や不正アクセスの防止、PCI DSS準拠の決済処理などが含まれており、ユーザー側で複雑な設定を行う必要はありません。
WooCommerceはオープンソースであるため、セキュリティ管理はすべて管理者側の責任となります。SSL証明書の取得・設定、セキュリティプラグインの導入、WordPress本体やプラグインのアップデート管理など、継続的な対策が欠かせません。特にクレジットカード決済を導入する場合は、不正利用や情報漏洩といったリスクへの備えが重要です。
▶︎あわせて読みたい:クレジットカードの不正検知システムとは? 仕組みやメリット、注意点を解説
決済機能
ShopifyとWooCommerceはいずれも主要な決済手段を導入できます。
Shopifyには「Shopifyペイメント」という機能がついており、クレジットカード・Apple Pay・Google Payに対応できます。外部サービス取引料が無料になったり、不正解析の機能がついてきたりするのもメリットです。また、WooCommerceはプラグインの追加により、Apple Pay・Google Pay・銀行振込などに対応できます。
決済手段を増やしたり、一括で複数の決済手段を導入したりする場合は、決済代行サービスがおすすめです。キャリア決済・スマホ決済・コンビニ決済などが利用できるようになります。
決済代行サービス「KOMOJU」は、Shopify・WooCommerceどちらでも利用でき、国内外の多様な決済手段を一括導入できるのが特徴です。ShopifyではKOMOJUのアカウントから決済手段を申請すれば導入でき、Shopifyペイメントと組み合わせて柔軟に補完が可能です。WooCommerceでもKOMOJU Paymentsのプラグインを使えば簡単に導入できます。KOMOJUが提供する決済手段については、公式サイトをご覧ください。
ShopifyとWooCommerceの費用比較
ShopifyとWooCommerceでは、料金体系に大きな違いがあります。Shopifyは月額固定制のプラン型、WooCommerceは基本的に無料で使えるオープンソース型という点が大きな特徴です。
| Shopify | WooCommerce |
月額費用 (年払い) |
| WordPress
※いずれも初年度 |
販売手数料 |
Basic:2% Grow:1% Advanced:0.6% | 無料 |
決済手数料 | クレジットカード(Shopify ペイメント):3.25%〜3.9% | 決済手段ごとの手数料 |
Shopifyは売上の拡大に合わせて上位プランへの切り替えも可能です。2025年7月時点ではBasic・Grow・Advancedのプランにおいて、3日間の無料体験後、3ヶ月間は月150円で利用できるキャンペーンも実施されています。
WooCommerceはプラグイン自体の利用は無料で、無料プランを選べば定額料金もかかりませんが、WordPressのサーバー代や独自ドメイン費用など、周辺コストが別途発生します。
ShopifyとWooCommerce間の移行は可能か?

ShopifyとWooCommerceのどちらを選ぶかを検討する際、「途中で切り替えられるのか」をあらかじめ確認しておきたい方もいるでしょう。
結論から言うと、ShopifyとWooCommerceの間でのデータ移行は、どちらの方向でも可能です。両社がそれぞれ公式に移行ガイドや専用アプリを提供しており、ショップの規模や要件に応じて最適な方法を選べます。
以下で簡単に移行ステップをご紹介します。
【WooCommerce → Shopify の移行】
- Shopifyに移行する方法の決定(手動でのデータ貼付け・「Store Migration」などのアプリ・CSVインポート・Shopify パートナーへ依頼など)
- WooCommerceから商品・顧客・注文履歴・レビューなど移行対象のデータをエクスポート
- Shopifyの形式に合わせてCSVファイルを編集
- Shopify管理画面からデータをインポート
- デザイン・配送・決済などの設定を再構築
- テスト注文・ドメイン設定・公開前確認
(参照:Shopify「WooCommerceから移行する」)
【Shopify → WooCommerce の移行】
- WooCommerceに移行する方法の決定(CSVインポート・「S2W」「WP All Import」などのプラグイン)
- Shopifyから商品・顧客・注文履歴のデータをCSV形式でエクスポート(プラグインによっては、レビューやクーポン情報なども移行が可能)
- WooCommerceの形式に合わせてCSVファイルを編集
- WooCommerceの管理画面からデータをインポート
- デザイン・配送・決済などを再構成し、表示を確認
- テスト注文・ドメイン設定・公開前確認
(参照:WooCommerce「Shopifyからの移行方法」)
CSV方式でも対応可能ですが、中には移行できないデータがあったり、移行に時間がかかったりすることもあります。データ量が多い場合や再設定が煩雑な場合は、有料のアプリかプラグインの利用がおすすめです。いずれの場合も、移行前には必ずデータのバックアップとテスト環境での検証を行い、リスクを最小限に抑えましょう。
Shopifyがおすすめなケース
Shopifyは、使いやすさとスピード感を重視する場合に適したECプラットフォームです。特に以下のようなニーズがある場合におすすめです。
- ネットショップの構築をスムーズに始めたい
- とにかく短期間でストアを開設したい
- WordPressの使い方が分からない
- セキュリティが設定・管理されているほうがいい
WooCommerceがおすすめなケース
WooCommerceは、費用を抑えて柔軟にカスタマイズするのに適したサービスです。次のような場合におすすめです。
- 初期費用や月額料金をできるだけ抑えたい
- すでにWordPressでサイトを運用しており、EC機能を追加したい
- デザインや機能を自由にカスタマイズしたい
- 必要な機能だけを選んで、ECサイトの運用を自社でコントロールしたい
まとめ|必要な機能を理解し、ShopifyかWooCommerceを選定
ShopifyとWooCommerceは、どちらも優れたECサイト構築ツールですが、活用スタイルは異なります。手間をかけずにすぐに始める場合はShopify、費用を抑えながら柔軟に作り込みたい場合はWooCommerceが適しているでしょう。
大切なのは、自社の商品・販売戦略・運用体制に合った機能が使えるかどうかを見極めることです。初期費用、集客や決済の自由度、サポート体制など、複数の観点から比較して、自社に最適なECプラットフォームを選定しましょう。

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。