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ECサイト運営をおこなううえで、カゴ落ちという言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。別名「カート放棄」とも呼ぶカゴ落ちは、消費者がカートに商品を入れたまま、決済を終えずにサイトを離れる行為です。
カゴ落ち率が高いほど、機会損失額が大きくなるため、売上低下につながります。この記事では、カゴ落ちが起こる10の原因と3つの対策を分かりやすく解説します。EC事業者で、売上をさらに上げたい人はぜひ最後までご覧ください。
ECサイトにおけるカゴ落ちの基礎知識
ECサイトで売上を上げるために無視できない問題がカゴ落ちです。カゴ落ち問題は、EC事業者の大半が直面するでしょう。
カゴ落ちはカートに商品を入れた状態なので、消費者が一度は商品に対して興味を抱いたということです。そのため、カゴ落ち対策をしっかりおこなえば、消費者の決済を促すことが可能です。ここでは、ECサイトにおけるカゴ落ちの基礎知識を解説します。
カゴ落ちとは?
カゴ落ちとは、ECサイトで顧客が商品をカートに入れたものの、決済をせずにサイトを離脱する行為です。別名「カート放棄」とも呼ぶカゴ落ちは、EC運営で売上を上げるために対策すべき課題のひとつです。
カゴ落ちが多いと、クリックに対して購入された割合を表すCVR(コンバージョンレート)が下がってしまいます。株式会社 イー・エージェンシーが2018年4月~2019年3月のカゴ落ちによる機会損失額を調査したところ、ECサイトにおけるカゴ落ちは売上に対して平均2.5倍の機会損失額を生んでいると判明。
参照:ECサイト、売上の約2.5倍がカゴ落ちによる機会損失 ~ イー・エージェンシー
つまり、カゴ落ち問題は、EC事業者にとって避けては通れない問題といえます。
カゴ落ち率の計算式
カゴ落ち率とは、ECサイトに訪れた消費者がどれくらいの割合でカゴ落ちしているかを表す指標です。ECサイトのカゴ落ち状況を把握するためにも、カゴ落ち率の計算方法を知っておきましょう。カゴ落ち率は、下記の計算式で算出できます。
- カートに商品を入れた人数 – 購入者数 = 購入していないサイトの離脱者数
- 購入していないサイトの離脱者数 / カートに商品を入れた人数 = カゴ落ち率
カゴ落ち率の平均
世界のECサイトにおけるカゴ落ち率は、アメリカのBaymard Instituteによると2022年の平均は69.99%だそうです。実に7割ほどの消費者が、商品をカートに入れたものの、決済まで至らなかったことが判明しています。
ECサイトの規模が大きいほどカゴ落ちによる機会損失額も大きくなるため、カゴ落ち率をいかに下げられるかがEC運営において重要なポイントのひとつです。世界の平均であるカゴ落ち率70%を目安に、前述したカゴ落ち率の計算式を用いて、現状のカゴ落ち率がどれくらいなのか確認してみてください。
カゴ落ちが発生する10の原因

Baymard Instituteが発表した資料によると、カゴ落ちが発生する主な原因は下記の10点です。カゴ落ちした原因の割合が高い順に記載しています。
- 送料や手数料が高い
- アカウント作成が必要
- 商品が届くまで時間がかかる
- クレジットカードの情報を記入したくない
- 決済手順が複雑
- 購入金額が分からない
- エラーが起こった
- 返品ポリシーに納得できない
- 決済方法の選択肢が少ない
- クレジットカード決済時に拒否された
それでは、一つずつ見ていきましょう。
送料や手数料が高い
決済する際に想定外の費用がかかることが判明すると、消費者はカゴ落ちしやすいです。商品ページには、販売価格や商品のアピールポイント、配達方法が記載してある場合が大半ですが、送料や手数料など追加費用は把握しにくい場合があります。
消費者はある程度の予算を立てて商品を探すケースが多いため、予想外の費用が発生するともっとよい商品がないか探し始めるため、カートに入れた状態でECサイトを離脱する傾向にあります。
そのためECサイトによっては、設定額を超える購入に対しては送料を無料にすることも考えられます。送料の無料はEC事業者にとって負担が大きくなるため悩ましいポイントといえますが、大切なのは料金を明確にすることです。送料が無料でなくても、送料込みであることや送料別であとどのくらいかかるかを分かりやすくしておきましょう。
アカウント作成が必要
大半のECサイトで商品を購入するには、アカウントを作成しなければなりません。EC事業者からすると、会員になってもらったほうがメールなどでイベントやキャンペーンを通知しやすく、リピート率が高まるからです。
消費者にとっても一度アカウントを作れば、住所や決済情報などの登録を何度もおこなう必要がなくて便利です。その反面、アカウント作成がめんどうで躊躇する部分でもあります。
商品の決済時にアカウント作成が必要であると、購買意欲がなくなり、ECサイトを離脱する消費者も少なくありません。したがって、アカウントがなくても購入できるようにしたりアカウント作成を簡素化したりする取り組みが重要です。
商品が届くまで時間がかかる
従来に比べて昨今はECサイトにおける商品の到着スピードが大幅に早まり、即日での受け取りも可能になりました。その分できるだけ早く商品を手に取りたいという顧客ニーズが高まっており、商品が届くまで時間がかかり過ぎるとカート落ちの原因となります。
とはいえ、海外から輸入する商品など、どうしても数日から数週間は時間が必要なケースもあるでしょう。商品ページに商品到着までの目安となる日数を記載するのはもちろん、国外発送であるため時間がかかる旨を記載するとカート落ちを防ぐのに効果的です。
クレジットカードの情報を記入したくない
消費者が商品を購入する際、Amazonや楽天、Yahoo!など有名な媒体ならクレジットカードの情報を記入するのに抵抗はないかもしれません。一方で、あまり知名度がない企業が運営する自社ECサイトの場合だと、セキュリティ面やサービスへの信頼性に不安を抱く消費者もいます。
その結果、クレジットカードの情報を記入したくないと考え、カートに商品を入れたもののECサイトを離れてしまうことが考えられます。ECサイト自体の信頼性を上げるのも、カゴ落ちを防ぐ対策のひとつです。
決済手順が複雑
決済までのフローが複雑だと、消費者は購買意欲をそがれてしまい、ECサイトを離脱してしまいます。ECサイトの魅力は、手軽かつ簡単に商品を購入できる点です。したがって、決済手順が複雑だとカゴ落ちを招いてしまいます。
一般的には、商品をカートに入れ、配達先の住所や決済方法を入力し、確認画面に移動して決済が完了します。決済手順をいかに簡素化できるかが、カゴ落ちを防ぐポイントのひとつです。手順を購入ページに表示しておき、あと少しで手続きが終わることが分かるようにしておくのもひとつの方法でしょう。
購入金額が分からない
商品ページによっては、決済画面に移動するまで購入金額が分からないケースもあります。消費者は予想より商品の金額が高いと、ほかに安い商品がないか探しにいきたいと考えかねません。
カートに入れている段階で購入金額がはっきりしている状態だと、消費者も安心できるでしょう。カートページの編集が可能な場合にはできるだけ明確な金額の提示に変更すべきです。
エラーが起こった
商品をカートに入れる際や決済をおこなう際にエラーによってECサイトから強制的に離脱させられた場合、そのままサイトに戻らない人もいます。どうしても欲しい商品やキャンペーン中なら再びECサイトに戻ってくる場合もありますが、同じ作業を繰り返す面倒を考えて離脱するケースが多いです。
できるだけエラーが起こらないよう定期的に作動状況を確認するのも、ECサイト運営では必要な業務といえます。
返品ポリシーに納得できない
ECサイト内に返品ポリシーが記載されていない、または内容に納得ができない場合にはカゴ落ちとなる可能性があります。消費者にとって、商品に問題があった場合に返品ができるかどうかは重要な点です。
仮に返品できても消費者側に有利な条件ではない場合には、購入まで至らないかもしれません。消費者が安心して商品を購入できるよう、返品ポリシーの記載は確認すべき項目のひとつです。
決済方法の選択肢が少ない
ECサイトでは基本的にクレジットカード決済での利用者が多いですが、ほかの決済方法を希望する人も少なからず存在します。そもそもクレジットカードを保有していない人や、家族会員で購入履歴を家族に知られたくない人などです。この場合クレジットカード決済しか選択できないと、カゴ落ちする可能性があります。
そのため、決済方法の選択肢を増やす施策も重要です。
クレジットカード決済時に拒否された
クレジットカード情報の入力ミスや残高不足などによって決済できず、購入を諦める人もいます。このようなカゴ落ちは、基本的に消費者が原因である場合がほとんどです。
EC事業者は、決済方法の選択肢を増やしたり、何が原因で決済できないのか消費者に知らせるようにしたりするのが有効な対策といえます。
カゴ落ちする割合を減らす3つの対策

カゴ落ちをできるだけ減らすために、ここでは下記3つの対策を紹介します。
- 決済方法を増やしつつ、フローを簡素化する
- 返品や交換に関する条件を明確にし、安心してもらえるサイトを作る
- カゴ落ちメールを送る
カゴ落ちは、一度はカートに入れているため消費者が商品に対して少なからず興味を抱いていることを表しています。しっかりと対策し、購入を促すことができればECサイトでの売上アップは間違いないでしょう。それでは、カゴ落ち対策を一つずつ見ていきましょう。
決済方法を増やしつつ、フローを簡素化する
決済方法の選択肢を増やしつつ、フローを簡素化できればカゴ落ち率は下がります。決済方法が増えれば幅広いニーズに応えられ、支払いまでの流れがシンプルで入力事項も少なければ途中のサイト離脱を防げます。
基本的にECサイトでの決済方法はクレジットカード決済が多いですが、現金を使用したい人向けに代金引換を取り入れるのも選択肢のひとつです。ID決済やスマホ決済、コンビニ決済など幅広い決済方法を用意し、決済手順の簡素化を目指しましょう。
返品や交換に関する条件を明確にし、安心してもらえるサイトを作る
自社ECサイトで商品を出品する場合、消費者に信用されるサイト構築が重要です。返品や交換に関する条件を明確に記載しつつ、運営元の情報やセキュリティ面の対策を公表しておきます。
丁寧な説明が消費者からの信用につながり、リピーターを増やしていくでしょう。
カゴ落ちメールを送る
カゴ落ちメールとは、カートに商品が入っている状態を消費者に知らせるフォローメールです。購入の手続きが完了していない状況を消費者に知らせることで、決済を終わらせる可能性が高められます。
ただし、メールを送るタイミングや回数に注意しなければ、逆に消費者の購買意欲をそぐ恐れもあるでしょう。初めのタイミングはカートに商品が入った1〜2時間後となるべく早い方が理想的で、回数は当日・3日後・7日後と3回ほどに分けると良いでしょう。消費者がカートに入れた商品のことを覚えていて、かつ必要としているであろう期間が一週間くらいと考えられるためです。
送信内容は、商品にカートが入ったままである状況の説明はもちろん、件名にサイト名をしっかりと明記することがおすすめです。
まとめ|カゴ落ち対策として決済方法を増やそう
この記事では、カゴ落ちが起こる原因や対策について解説しました。カゴ落ちが起こる原因のほとんどが、EC事業者側で対策できる内容です。信用性の高いサイト構築や決済手順の簡素化、フォローメールの送信など、取り組めるカゴ落ち対策は率先しておこないましょう。
弊社が運営するKOMOJUは決済代行サービスで、EC事業者向けにさまざまなオンライン決済を用意しています。初期費用や月額費用は0円。導入実績も豊富なため、ECサイトでの売上アップにつながります。
売上サイクルは1週間ですので、キャッシュフローが悪くなる心配もありません。最短即日から利用できるため、カゴ落ち対策として決済方法を増やそうか検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
【この記事の監修者】

豊田 亮太
グロースマーケター
Shopify Japanの初期メンバーとして、日本市場におけるShopifyの普及に貢献。ECプラットフォーム、決済代行サービス等に関して豊富な知見を持つECのエキスパート。LinkedInページ:https://www.linkedin.com/in/ryota-toyoda-b45127138/

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