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最終更新日:2024 年 08 月 30 日

EC決済とは?主要な決済方法や選定ポイントを解説

目次

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。

スマートフォンの普及やコロナ禍によって、ECサイトで商品を購入することが当たり前になりました。消費者がECサイトで商品を購入する際、サイト内の使いやすさだけでなく、いかに決済が簡単でスムーズに行えるかは重要なポイントになります。決済しづらいECサイトではカゴ落ちが多く発生し、売上が伸びにくいでしょう。

そこで本記事では、ECサイトで利用されている主要な決済方法を、実際の利用率データをもとにご紹介します。それぞれの決済方法のメリット・デメリットや向いている業界・商材も解説します。また、複数の決済方法を導入するにあたって、便利な決済代行サービスの選び方もご紹介します。

ECサイトで利用されている主要な決済方法

Shopifyとは

ECサイトで利用されている主要な決済方法として、クレジットカード決済、コンビニ決済、キャリア決済、電子マネー決済、後払い決済、代金引換、銀行振込、Pay-easy(ペイジー)の8つをご紹介します。それぞれのメリット・デメリット、そして導入に向いている業界・商材についても見ていきます。

 

メリット

デメリット

クレジットカード決済

  • インターネット上で利用されている決済方法No.1
  • ポイントがたまる
  • 不正利用によるチャージバックが発生する可能性あり
  • 年会費がかかることがある

コンビニ決済

  • クレジットカードを持たない顧客層を獲得できる
  • 24時間支払い可能
  • 消費者が支払わないことによる代金の未回収リスクあり
  • 支払うためにコンビニに出向く必要がある

キャリア決済

  • 携帯電話料金と一括して支払える
  • キャリアのIDとパスワードで決済できる
  • クレジットカードより決済手数料が高い
  • 利用限度額あり

電子マネー決済

  • 未回収リスクが低い
  • プリペイド型は使いすぎの心配がない
  • 高額の商品購入には向いていない
  • プリペイド型は利用可能金額に限度がある

後払い決済

  • 未回収リスクが低い
  • 商品到着後に支払いができる
  • 手数料がかかるサービスもある
  • 支払うためにコンビニや銀行に出向く必要がある

代金引換

  • 未回収リスクが低い
  • クレジットカードがなくても購入できる
  • 手数料が高い
  • 商品到着時に現金を用意して在宅している必要がある

銀行振込

  • 先払いの場合、未回収リスクがない
  • 即時決済される
  • 振込ミスの可能性がある
  • オンライン銀行口座がない場合は、銀行に出向く必要がある

Pay-easy

  • 入金額が入力されているため、再請求の必要がない
  • PCやスマホから休みの日でも支払いができる
  • インターネットバンキングでの事前登録が必要
  • インターネットバンキング利用者でないと利便性がない

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、消費者の信用(クレジット)により、商品を後払いで購入する決済方法です。決済時点では支払いは完了しておらず、後日消費者の口座から引き落としが行われ、EC事業者の元に振り込まれます。

EC事業者にとってのメリット・デメリット

クレジットカード決済は、後日支払いが行われますが、即時決済される仕組みのため、支払いのトラブルが少ないのがメリットです。消費者の利便性が高く最も普及している決済方法だからこそ、EC事業者が導入することで販売機会損失を抑えられるでしょう。ただし、不正利用によるチャージバックが発生する可能性があります。

消費者にとってのメリット・デメリット

クレジットカード決済は基本的に決済手数料がかからず、買い物をするとポイントが貯まることがメリットです。セキュリティも強固で、不正利用の場合も返金対応が可能なことが多く安心です。ただし、クレジットカードによっては年会費がかかるのがデメリットです。

向いている業界・商材

クレジットカード決済は幅広い業界・商材に向いています。食料品や生活家電、化粧品、家具・インテリアなどの物販、公共料金やチケット料金の支払いにもぴったりです。

コンビニ決済

コンビニ決済は、届いた商品に同封されているコンビニ払込票や、ECサイトでの購入時にコンビニを選択して表示された画面やシリアルナンバーを使って、消費者がコンビニで払い込みを行う決済方法です。コンビニにて支払いが行われた後、ECサイト事業者の元に代金が振り込まれます。

EC事業者にとってのメリット・デメリット

コンビニ決済を導入すれば、未成年などクレジットカードを持たない消費者も含め、EC決済の大半をカバーできます。商品発送前に支払いするように設定すれば、代金の未回収や購入キャンセルのリスクを軽減できるのがメリットです。また、クレジットカードの不正利用によるチャージバックは、コンビニ決済には発生しえません。しかし、消費者が払い込みを忘れてしまい、代金を回収できないリスクがあります。

消費者にとってのメリット・デメリット

コンビニ決済は、クレジットカードを持たない消費者でも利用でき、24時間いつでも支払えるのがメリットです。また、インターネット上にクレジットカード情報を入力したくない消費者にも好まれます。コンビニに支払いに出向く必要があるのがデメリットでしょう。

向いている業界・商材

未成年などクレジットカードを持たない消費者をターゲットとする業界・商材に向いています。コンビニ決済は特にチケット販売サービスでよく利用されています。その他、書籍や音楽ソフト、旅行サービスなどの決済にも向いています。

キャリア決済

キャリア決済は、キャリアの携帯電話料金とあわせてECサイトでの購入代金を支払う決済方法です。消費者がキャリアに事前登録した情報を入力することで本人認証が完了し決済が行われます。キャリア決済は、ソフトバンク、NTTドコモ、au、ワイモバイルのみで提供されています。総務省のデータによると16.2%が利用しており(2023年8月時点)、若い世代を中心に支持されています。

EC事業者にとってのメリット・デメリット

キャリア決済もコンビニ決済と同様、未成年などクレジットカードを持たない消費者も利用しやすい決済方法です。キャリア決済は決済までの手続きや操作が簡単なことから、購入ハードルを下げることもできるでしょう。デメリットは、クレジットカード決済よりも決済手数料が高いことです。

消費者にとってのメリット・デメリット

キャリアで携帯電話を契約している消費者であれば、クレジットカードを持っていなくても簡単に決済できるのがメリットです。クレジットカード番号のような長い番号は不要で、キャリアに事前に登録した情報だけで本人認証ができ、支払うことが可能です。利用限度額が決まっているため、高額な支払いをする際にはデメリットになり得ます。

向いている業界・商材

キャリア決済は、若年層がよく利用するデジタルコンテンツなどの決済と相性がよいです。その他にも、チケット販売や衣服、化粧品などの決済に向いています。

電子マネー決済

電子マネー決済は、主にレジなどに置いてある決済端末にスマートフォンやICカードをかざすことで支払いが完了する決済方法です。SuicaやICOCAなどの交通系ICカードや、nanaco、WAON、楽天Edyなどが挙げられます。電子マネーは、あらかじめ決めた金額をチャージして使用する「先払い(プリペイド)」型と、登録したクレジットカードから決済後に引き落とされる「後払い(ポストペイ)」型があります。

EC事業者にとってのメリット・デメリット

ECサイトでの決済において、電子マネー決済は未回収リスクを抑えることができるのがメリットです。特にプリペイド型であれば、決済時に消費者があらかじめ入金しているため、代金が未回収になるリスクが減ります。ただし、少額課金での利用に最適な決済方法であるため、高額商品を販売しているEC事業者が導入しても、利用頻度が少なくかえってデメリットになるでしょう。

消費者にとってのメリット・デメリット

電子マネー決済は、特にプリペイド型であれば、お金の使いすぎの心配がないのがメリットです。オンライン上でも簡単に決済できます。チャージした金額しか使えなかったり、ポストペイ型であれば使いすぎてしまう恐れがあるのがデメリットです。

向いている業界・商材

電子マネー決済は、音楽ストリーミングサービスやアプリの課金など、デジタルコンテンツの少額課金に向いています。

後払い決済

後払い決済は、ECサイトで商品を購入後、商品到着後にコンビニや銀行で支払う決済方法です。NP後払いやPaidyなどがあります。

EC事業者にとってのメリット・デメリット

後払い決済は、決済完了後に決済会社が事業者に入金し、消費者が決済会社に入金する仕組みです。そのため、消費者が支払いができなかったとしても、事業者の未回収リスクはありません。一方で、決済代行サービスを利用していない場合は、請求書の発送手続きをする必要があります。

消費者にとってのメリット・デメリット

後払い決済は、商品を確認してから支払いを行えるのがメリットです。クレジットカードも必要ないため、気軽に購入できます。銀行振込の場合は振込手数料がかかりますが、それ以外の支払い方法では手数料がないこともあります。支払いのためにコンビニや銀行に出向かなければならないのが、デメリットです。

向いている業界・商材

後払い決済が利用されている商品1位は、ファッションでした(株式会社SCORE 2023年)。20代以降の世代別で見ても同様です。服や小物のサイズ感や色、質感などを実際に確かめてから購入したい人が多いようです。

代金引換

代金引換(代引き)は、購入した商品が自宅に届いた際に、消費者が配達員に現金で支払う決済方法です。

EC事業者にとってのメリット・デメリット

代金引換は、商品の配達時に代金を回収できるため、未回収リスクが少ないのがメリットです。一方、代金引換は手数料が高いのがデメリットです。消費者側に手数料を負担させるケースもあります。また、玄関口で現金を受け渡しすることに不安を感じる人や、一人暮らしの女性など、ドアを開けるのに抵抗がある人もいるでしょう。

消費者にとってのメリット・デメリット

代金引換は、ECサイトでの購入時にクレジットカード情報などを入力しなくても済むため、セキュリティの観点から安心して購入できるでしょう。ただし、手元に現金を十分に用意しておかなければ支払いができないことと、手数料が高いことがデメリットです。

向いている業界・商材

代金引換は、生活家電やAV機器、PCなど、配達員によって消費者の自宅まで配達されることが多い商材に向いています。その他、食料品や家具、化粧品、衣服なども代金引換が利用されやすいです。

銀行振込

銀行振込は、ECサイトで商品を購入後、指定された振込先口座に商品代金を振り込む決済方法です。EC事業者は振込を確認した後、商品を発送します。

EC事業者にとってのメリット・デメリット

銀行振込は、先払いの場合は代金が支払われないと商品を発送しない仕組みのため、代金が不払いになるリスクがないのがメリットです。即時決済のため安心です。デメリットとしては、入金の消込作業を行う必要があり、手間がかかることが挙げられます。

消費者にとってのメリット・デメリット

銀行振込は、口座から口座へとお金が移動する仕組みで、誰でも分かりやすい決済方法です。オンライン口座があれば、手間も少なくスムーズに支払いができます。ただし、オンライン口座を持っていない場合は、銀行に行って振り込む必要があります。

向いている業界・商材

銀行振込は、公共料金をはじめとしたサービス系の商材に向いています。旅行サービスや金融サービスなどは、支払う金額も高額になることもあり、銀行振込が便利と感じる消費者もいるでしょう。

Pay-easy(ペイジー)

Pay-easy(ペイジー)は、インターネットバンキングやATMを使って料金を支払う決済方法です。税金や公共料金の支払いによく利用されています。

EC事業者にとってのメリット・デメリット

Pay-easy(ペイジー)は、請求金額以外に支払いできない仕組みになっているため、入金額の入力ミスは発生しません。正しく代金を回収できるのがメリットです。そのため入金金額の確認や再請求作業が不要です。また、リアルタイムに入金を確認できます。一方、消費者がPay-easy(ペイジー)を利用できるインターネットバンキングに登録が必要で、利用できる人が限られる可能性があります。

消費者にとってのメリット・デメリット

Pay-easy(ペイジー)は銀行窓口やコンビニに行かなくても、PCやスマートフォンからいつでも支払いができるのがメリットです。公共料金などの支払いの場合、請求書や納付書に記載された収納機関番号、納付番号、確認番号などを端末上に入力する手間がかかりますが、ECサイトでの決済の場合はインターネットバンキングで簡単に支払いができます。デメリットとしては、Pay-easy(ペイジー)を利用できるインターネットバンキングへの事前登録が必要な点が挙げられます。

向いている業界・商材

Pay-easy(ペイジー)は税金や公共料金の他、チケット料金などの支払いに向いています。

決済代行サービス選定のポイント

決済サービス選定のポイント

ECサイトでの決済の利便性を向上させることは、消費者の購入ハードルを下げることにつながります。商品のターゲットの年代にあわせて決済方法を複数導入することがおすすめです。しかし、複数の決済方法を導入するには手間がかかります。

そこで利用を検討してほしいのが、決済代行サービスです。クレジットカード決済やコンビニ決済、キャリア決済などの複数の決済方法を、一括で契約したり管理したりできます。

各決済機関との契約の手間を軽減でき、ECサイト上のシステム開発の負担も軽減できるのがメリットです。運用時にも一つの管理ページで複数の決済方法の情報を閲覧でき、売上の一元管理もできます。

どのような点で決済代行サービスを選べばよいのかご紹介します。

1. 希望の決済方法を扱っているか

さまざまな決済方法がある中で、希望の決済方法を決済代行サービスが取り扱っているかどうかをまずは確認してください。特にキャリア決済の場合、すべてのキャリア会社の決済ではなく特定のキャリア決済しか取り扱っていない場合もあります。

今後も新たな決済方法が登場してくることが想定される中、取り扱い決済方法を積極的に増やしている決済代行サービスを選ぶことも重要です。

2. 毎月の手数料とサービスの質が見合っているか

決済代行サービスを利用するには、費用がかかります。導入時には初期費用がかかり、運用中もランニングコストが発生し、さらに決済手数料が注文1件あたりに発生します。

その分、契約が一括で済んだりシステムを提供してもらえたりと、業務の効率化に便利です。早期入金サービスを提供しているところもあります。自社の経営状況も考慮しながら、費用対効果のある決済代行サービスを選びましょう。

3. セキュリティ面での安全性が担保されているか

決済代行サービスを導入したことで、消費者の個人情報漏洩などが起こらないよう、セキュリティ面で安心できるサービスを選んでください。一度セキュリティ事故が発生してしまうと、会社への社会的信用は下がり、売上が大きく下がるでしょう。

決済代行サービスの導入前には、個人情報保護に取り組んでいる証明である「プライバシーマーク」や、情報資産の保護の観点で安全である「ISMS認証」、クレジットカード情報の保護が行われている「PCI DSS」などの認証が取得されているか確認してみてください

まとめ|ECサイトでの決済は決済代行サービスで一元管理しよう

今回はECサイトでの決済によく利用されている決済方法と、それらの決済方法をまとめて管理できる決済代行サービスの選定方法をご紹介しました。

決済方法には、クレジットカード決済やコンビニ決済、キャリア決済、電子マネー決済などがあります。販売している商品のターゲットの年代にあわせて、EC事業者は適切な決済方法を導入する必要があります。

複数の決済方法を導入して運用していくには、決済代行サービスの利用が便利です。契約や運用中の管理も簡単にできるようになるため、決済において手間をかけすぎることなく事業を行えます。

今後も新たな決済方法が増えていくことが予想されます。自社のECサイトに適切な決済方法、決済代行サービスを利用してみてください。

【この記事の監修者】

豊田 亮太

グロースマーケター

Shopify Japanの初期メンバーとして、日本市場におけるShopifyの普及に貢献。ECプラットフォーム、決済代行サービス等に関して豊富な知見を持つECのエキスパート。LinkedInページ:https://www.linkedin.com/in/ryota-toyoda-b45127138/

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