ECサイトの売上アップを目指すには?代表的な施策16選

EC 売上アップ
最終更新日:2024 年 11 月 02 日

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ECサイトの売上が思うように伸びずに悩んでいるマーケティング担当の方も多いのではないでしょうか。

売上が上がらないのには「サイトの訪問者数が少ない」「購入率が低い」「客単価が低い」といった原因があります。これらを解決できる施策を行うことで、売上アップを目指せるでしょう。

本記事では、ECサイトの売上アップに繋がる施策を、原因となっている指標別にご紹介します。複数の施策を組み合わせて行うことで、売上アップを期待できます。ぜひ参考にしてみてください。

ECサイトの売上が上がらない原因

ECサイトの売上は、以下の数式のように「訪問者数」「購入率(CVR)」「客単価」の3つが関連しています。

 ECサイトの売上 = ①訪問者数 × ②購入率 × ③客単価

つまり、売上が上がらない原因は、この3つのいずれかが低いことにあると考えられます。業界の平均値や前年・前月のデータと比較して、どこに原因があるのか探りましょう。

商材によって異なりますが、ECサイト全体の平均購入率は2.6%(2023年時点 デジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポート2024年)です。この値を軸にして月50万円ほどの売上を目指す場合、訪問者数の目安は月1,000人、客単価の目安は2,000円程度となります。

訪問者数と似ている言葉にPV(ページビュー)がありますが、これはサイト内で閲覧したページ数のことであり、訪問者数と同一ではありません。ECサイトにより異なるため、自社でデータを収集しながら目安を探るのが無難です。

ECサイトの売上が上がらない原因を特定できたら、解決策を定めましょう。

①訪問者数に原因がある場合

訪問者数が少ない場合は、ECサイトへの「集客」を工夫することが必要です。そもそも、ECサイトに訪問者がいなければ購入されることはありません。まずはECサイトの認知度を上げ、ターゲット層を惹きつけましょう。

訪問者は「新規」と「既存(リピーター)」に分けられます。どちらが減ってきているのかデータから読み解き、対策を打つ必要があります。

②購入率に原因がある場合

訪問者数はあるものの購入率が低い場合、ECサイトの見せ方に問題があると考えられます。サイト内が移動しづらく、ユーザーが購入まで辿り着けていないのかもしれません。また、そのECサイトならではの魅力が伝わっていないことも原因でしょう。

<想定されるECサイトの問題点>

  • 商品数が少ない
  • 商品が探しにくい
  • 販売されている商品の魅力が分からない
  • 商品を購入するまでの導線が分かりにくい
  • いつも利用している決済手段が使えない

 

サイト内でのユーザーの行動を洗い出して、どこに課題があるかを探ります。たとえば、「商品のカテゴリで検索する→色で絞る→一覧から商品を選ぶ→詳細ページを見る→カートに入れる→カートで決済する」といった流れの中で、流れが止まっているところを見つけ出し改善します。Googleアナリティクスを活用するとよいでしょう。

③客単価に原因がある場合

単品での購入が多かったり、単価が高い商品が売れていなかったりすると、客単価は低くなります。一度に購入する商品数や合計金額を上げるような取り組みが必要です。

セット購入のおすすめや、一定金額以上を購入したら送料が無料になるなど、ユーザーにとってのメリットを工夫しましょう。

また、リピーターである既存ユーザーは商品に信頼を置いている可能性が高いため、客単価が高くなる傾向にあります。リピーターを増やす施策も有効的だと考えられます。

訪問者数をアップさせる施策

訪問者を増やす施策をご紹介します。

訪問者数をアップさせる施策

概要

SEO対策をする

サイト構造の最適化や、検索ニーズを満たすコンテンツの作成によって、Googleなどの検索結果に自社サイトを上位表示させる。

Web広告を出稿する

WebサイトやSNSでターゲットを絞って広告を配信する。

SNSを運用する

ECサイトで販売している商品に関連したコンテンツを、InstagramやXなどのSNSに投稿する。

インフルエンサーを起用する

SNSで影響力を持つインフルエンサーに報酬を支払って商品を紹介してもらう。

メールマガジンを配信する

リピーター獲得を目的とし、新商品やキャンペーン情報などをメール配信する。

1. SEO対策をする

SEO対策(Search Engine Optimization)とは、自社サイトをGoogleやYahoo!などの検索エンジンのランキングで上位表示させるために行う施策です。検索結果の上位にECサイトが表示されると自社サイトが発見されやすくなり、訪問者が増えます。

SEO対策には、内部対策・外部対策・コンテンツ対策の3つの施策があります。

  • 内部対策:サイト構造やページを繋ぐ内部リンクの最適化、タイトルや見出しの調整など。
  • 外部対策:外部サイトでの自社サイトの被リンクや、自社商品の紹介などの獲得。信頼性の高いコンテンツが必要なため、コンテンツ対策と連動する。
  • コンテンツ対策:検索キーワードにヒットし、ユーザーのニーズを満たすようなコンテンツの作成。

 

SEO対策は短期的な効果は見込めませんが、上位表示されるページが増えれば、長期的に安定した集客が可能になります。

2. Web広告を出稿する

WebサイトやSNSなどに掲載する「Web広告」を出稿することで、広告からの流入を増やすことができます。以下のような広告があります。

Web広告の種類

概要

リスティング広告

検索結果ページの上部・下部に表示されるテキスト形式の広告

ショッピング広告

リスティング広告の上部、ショッピングタブに掲載される画像形式の商品広告

ディスプレイ広告

サイトやブログなどに表示されるテキスト・画像・動画形式の広告

アフィリエイト広告

アフィリエイトサービス登録者が所有するサイトやブログなどに掲載されるテキスト(リンクを含む)・画像・動画形式の広告

SNS広告

Instagram・X・YouTubeなどのSNSに掲載されるテキスト・画像・動画形式の広告

Web広告は、ターゲットの属性によって配信する広告を変えられるため、商品を購入するユーザーを獲得しやすい施策です。SEO対策と比較して早い効果が見込めます。1日数百円から出稿できる広告もあるため、短期的な施策として挑戦しやすいでしょう。

広告先のページでの体験が最適化できるよう、「購入率をアップさせる施策」とあわせて改善を進めることをおすすめします。

3. SNSを運用する

ECサイトで販売している商品に関連したコンテンツを、InstagramやXなどのSNSに投稿して、ユーザーを獲得する方法です。検索エンジンを利用しないユーザーや、利用者の多い若年層にもリーチを広げられます。

SNSの種類

日本国内での特徴

Instagram

女性ユーザーが約60%で、主に10代~30代が利用している。画像や動画をメインとして、ショッピング機能で商品画像からECサイトに進むこともできる。

X(旧Twitter)

日本人の2人に1人が利用し、特に20代の利用が多く80%を超えている。テキストや画像・動画での投稿が可能で、リポスト(リツイート)機能があり拡散性が高い。

YouTube

10代〜40代で90%以上が利用している。短尺・長尺問わず動画を投稿でき、商品の魅力を伝えられる。ショッピング機能も資格要件を満たせば利用できる。

TikTok

10代〜20代を中心に利用されている動画共有プラットフォーム。レコメンド(パーソナライズ)機能で多くのユーザーにリーチできる可能性がある。

LINE

コミュニケーションツールとして日本で95%近くのユーザーに利用されている。友だち登録をしたユーザーにメッセージを配信できる。LINEショッピングからECサイトに繋いだり、LINE公式アカウントでECサイトを構築したりすることも可能。

Facebook

30代を中心に、ビジネスシーンでの利用が多い。テキスト・画像・動画での投稿が可能。ショッピング機能があり、ECサイトにアクセスできる。

参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 総務省

ショップ機能がなくても、SNSでの投稿が広告代わりとなります。商品を購入するユーザー層がよく利用しているSNSを選ぶことがおすすめです。

4. インフルエンサーを起用する

SNSで影響力を持つ「インフルエンサー」に報酬を支払って商品を紹介してもらう方法もあります。

インフルエンサーとはビジネスとしてSNS上で情報発信する人のことで、一定数のフォロワーを抱えています。一般消費者の目線で商品のレビューなどを投稿してくれるため、宣伝色が薄く、そのインフルエンサーに憧れたり応援したりしているフォロワーへの訴求力が強いのが特徴です。

中にはフォロワーを購入しているインフルエンサーもいたり、投稿が炎上する可能性もあったりします。インフルエンサーの採用前のリサーチや、あらかじめ伝達する注意事項を整理しておくことが大切です。

5. メールマガジンを配信する

リピーターの訪問者数を増やすためには、メールマガジンを配信することも有効な施策の一つです。新商品やキャンペーンのお知らせを一斉配信したり、一部のターゲットに絞って興味のありそうな内容を配信したりします。

頻繁に配信しすぎると受信ブロックをされたり、ECサイトへの好意度が下がったりするリスクもあるため注意が必要です。

購入率をアップさせる施策

商品の購入率を上げるために、ECサイトを見直してみましょう。以下のような施策があります。

購入率をアップさせる施策

概要

デザインや導線を見直す

コンセプトを明確にしてターゲットの興味をひくデザインに統一する。商品を見つけやすく、購入しやすいサイト設計にする。

商品の写真を増やす

商品全体の写真だけでなく、実際に商品を使用しているシーンや、角度を変えた写真などを掲載する。

商品情報を細かく記載する

商品のサイズや素材、到着予定日、返品の可否など、ユーザーが購入時に知りたいと思われる情報を掲載する。

カゴ落ち対策をする

アカウント作成を不要にしたり決済手段を増やしたりすることで、商品をカートに入れたままサイトを離脱する要因を解消する。

商品レビューを掲載する

実際に商品を購入したユーザーによるレビューや口コミを掲載し、商品購入の不安を取り除く。

決済手段の選択肢を増やす

ターゲット層がよく利用している決済手段を導入する。複数の決済手段の導入には決済代行サービスを活用する。

キャンペーンを実施する

セット割引、期間限定セール、ポイントアップ、送料無料といったキャンペーンを実施する。

Web接客ツールを導入する

ユーザーの疑問点をチャットやAIの自動回答などで受け付ける。

1. デザインや導線を見直す

ECサイトのデザインや導線を見直しましょう。ターゲット層を惹きつけ、デザインでスムーズに購入手続きができるサイト設計にすることで、購入に繋げやすくなります。

ECサイトのデザインは、ユーザーが「私にぴったりな商品だから買いたい」と思えるかどうかを左右する重要な要素です。ターゲットとコンセプトを明確にし、統一感を持たせて伝えることがポイントです。

その上で、商品を検索しやすいよう商品の色や使用場面などでカテゴリ分けしたり、商品を購入しやすいようボタンやページ遷移を設計したりするなど、使いやすさにも配慮しましょう。

2. 商品の写真を増やす

ECサイトで商品を購入する際、ユーザーは実際の商品を手に取って確認することができません。少しでも不安を減らすべく、商品の写真を工夫して増やすことがおすすめです。

商品全体の写真だけでなく部分的にズームされた写真や、実際に商品を使用しているシーン、角度を変えた写真など、様々な種類の写真を並べましょう。

3. 商品情報を細かく記載する

商品の写真とあわせて、商品情報を詳細に記載しておくことも、購入率アップに繋がるポイントです。商品の素材・サイズ・重さ・カラー・到着までの日数・返品の可否などを記載します。ユーザーが購入時に知りたい情報を載せておくことで、問い合わせの手間を減らし、ユーザーのサイトから離脱も防げます。

競合ECサイトがどのように商品を紹介しているかを調べて、より魅力的なサイトへとアップデートするのも、一つの方法です。

4. カゴ落ち対策をする

カゴ落ちとは、ユーザーが買い物カゴに商品を入れたまま、決済をせずにECサイトから離脱してしまうことです。売上に対して約2倍の機会損失額を生んでいるという調査結果(2021年4月~2022年9月調査)もあるため、カゴ落ちを防ぐことができれば、購入率はアップするでしょう。

<カゴ落ちの主な原因>

  • 送料や手数料が高い
  • 商品の到着までに時間がかかる
  • 支払い手順が複雑
  • クレジットカード情報を入力したくない
  • いつも利用している決済手段が選べない
  • 買い物途中であることを忘れている

 

上記の原因でカゴ落ちが発生していると仮定し、それぞれに対策をしていきましょう。

アカウント作成を不要にしたり、ターゲット層がよく利用している決済手段を取り入れてクレジットカードなしで利用できるようにしたりすることが、対策の一例です。

カゴ落ちの原因や対策の詳細については、以下の記事をご覧ください。

▶️あわせて読みたい :カゴ落ちとは?発生する原因や11のカゴ落ち対策を解説

5. 商品レビューを掲載する

実際に商品を購入したユーザーによる商品レビューや口コミを掲載することで、ECサイトでの商品購入の不安を取り除くことができ、購入率アップを期待できます。

販売者側からの宣伝ではないため、商品の押し付け感がありません。また、商品の使用感やサイズのフィット感などデータ以外の面も分かるため、購入の後押しができるでしょう。

6. 決済手段の選択肢を増やす

ECサイトで使用できる決済手段の選択肢を増やすことで、カゴ落ちを防ぎやすくなり、購入に繋がります。

<ECサイトでよく利用されている決済方法>

  • クレジットカード決済
  • QRコード決済
  • コンビニ決済
  • 銀行振込
  • 後払い決済
  • ネットバンキング
  • キャリア決済
  • 代金引換(代引き)

 

上記の決済方法を参考に、ターゲット層にあわせて導入しましょう。たとえば、若年層がメインターゲットの場合、クレジットカード保有率が低いため、電子マネー決済やコンビニ決済、キャリア決済などに対応しておくとよいです。

複数の決済手段を導入する際、一つずつ契約すると導入・運用時に手間がかかります。決済代行サービスを活用すれば、まとめて複数の決済手段を導入できるだけでなく、決済・入金管理も一括でできます。

7. キャンペーンを実施する

商品購入を後押しする施策として、キャンペーンは有効的です。セット購入での割引、期間限定セール、ポイントアップ、送料無料といったキャンペーンを実施することで、購入率を高められるでしょう。

新規ユーザーだけでなく既存ユーザーに対してもリピート効果を得られます。SNSやメールマガジンなどで定期的にキャンペーン情報を知らせましょう。

8. Web接客ツールを導入する

ECサイトでは、実店舗のように対面での接客はできませんが、Web接客ツールを活用して対応できます。

配送料や配送にかかる時間、決済手段、返品、在庫の問い合わせなどをチャットで受け付けます。AIを組み込んだツールであれば、既存のヘルプページをもとに自動で応答することも可能で、人手が不要です。ポップアップで「何かお困りですか」などと表示することで対応する方法もあります。

客単価をアップさせる施策

客単価を上げる施策をご紹介します。

客単価をアップさせる施策

概要

アップセル・クロスセルを狙う

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」などとレコメンド表示し、より高価な商品や、関連商品を提案する。

まとめ買い割引キャンペーンを実施する

「2点以上購入すると10%OFF」「2,000円以上購入すると5%OFF」のようにお得さを訴求する。

一定額以上の支払いで送料を無料にする

「5,000円以上購入すると送料無料」と訴求し、一定額以上の購入を促す。

1. アップセル・クロスセルを狙う

アップセルとは、購入検討中の商品や過去に購入した商品よりも、高価な商品を提案する手法です。「この商品を買った人はこんな商品も買っています」などとレコメンドを表示し、同じ用途で単価の高い商品を並べるのが一例です。

クロスセルは、これまでに検討や購入した商品と関連する商品を提案する手法です。「この商品を買った人におすすめの商品」として関連商品をレコメンドします。

いずれもユーザーの隠れたニーズに訴求することで、客単価を上げる手法です。

2. まとめ買い割引キャンペーンを実施する

まとめ買い割引キャンペーンは、「2点以上購入すると10%OFF」「2,000円以上購入すると5%OFF」といったように、あと少し追加して商品を購入するとお得になることを訴求する手法です。

割引だけでなく、新商品のサンプルやノベルティのプレゼントなど、特典をつけるケースもあります。

3. 一定額以上の支払いで送料を無料にする

「5,000円以上購入すると送料無料」というように、一定金額以上を購入すると送料無料にする施策です。送料無料の対象金額にあと一歩及ばないユーザーが、気になっていた商品をもう一つ買う可能性が高まります。

EC売上アップに成功した事例|Daniel Wellington

エレガントな腕時計とアクセサリーで知られるDaniel Wellington(ダニエル・ウェリントン)はスウェーデンの会社ですが、2013年後半には日本と韓国で事業を開始するなど、グローバルな展開を起こしています。2023年にオンラインストアをShopifyに切り替え、決済代行サービス「KOMOJU」を導入しました。

KOMOJUの導入を決めたのは、現地の決済方法を導入することで、ユーザーの満足度を高められると考えたためです。日本市場では楽天ペイ・PayPay・コンビニ決済などを導入、韓国ではToss・Payco・NaverPayなどを導入しました。

今後も、オンラインとオフラインの両方で顧客体験を高めていくことを目指しています。

まとめ|適切な打ち手を実行して売上アップを実現しよう

今回はECサイトの売上が上がらない原因と、その解決策としての施策をご紹介しました。訪問者数・購入率・客単価のどこに原因があるのかを特定し、適切な打ち手を実施していきましょう。

また、購入率アップには、ユーザーが求める決済方法が利用できることが重要になります。ターゲット層にあわせて決済方法を選択し、決済代行サービスを利用してまとめて導入すると便利です。

決済代行サービス「KOMOJU」は、初期費用・月額費用が無料で、ECサイトでよく利用されている決済方法を導入することが可能です。日本だけでなく、韓国・中国・ヨーロッパ・東南アジア・ブラジルの現地の決済方法までカバーしています。KOMOJUで導入可能な決済方法の一覧も参考に、ご検討ください。

この記事はKOMOJUが提供しています。
KOMOJU(コモジュ)は個人から世界的大企業まで様々な事業者が利用している日本の決済プラットフォームです。

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