アクワイアラとイシュアの違いは?それぞれの役割や国際ブランドとの関係を徹底解説

アクワイアラ イシュアの違い
最終更新日:2023 年 04 月 19 日

目次

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ポイントやマイルが貯まるなど、利用者にとってはメリットが多いクレジットカード決済

「アクワイアラ」も「イシュア」も共にカード会社ではありますが、それぞれ役割が異なります。今回の記事では、クレジットカード決済の導入を検討している事業者が知っておくべき、「アクワイアラ」と「イシュア」について徹底解説します。

アクワイアラとは?

アクワイアラとは

今回、「アクワイアラ」という言葉を初めて耳にした人も多いのではないでしょうか?

アクワイアラ (acquirer) とは英語で「取得者」「獲得者」という意味ですが、クレジットカード業界ではクレジットカードを利用できる加盟店の開拓や管理を担う「加盟店契約会社」を意味します。

アクワイアラの役割

アクワイアラはVISAやMastercardといった国際ブランドからライセンスを取得し、加盟店(クレジットカード決済ができるお店)との間の橋渡しとなって、加盟店でクレジットカードが利用できるようにする役割を持っています。具体的には次の3つの役割があります。

役割1:新規加盟店の開拓

利用者にクレジットカードをより多く使ってもらえるためには、クレジットカードを利用できる店舗や事業者を増やす必要があります。そのためにアクワイアラは一店一店を回り、クレジットカード決済のシステムを導入してもらうように新規開拓し、加盟店契約を締結します。

加盟店開拓には主に、①営業部門による開拓、②店舗やECサイトからの直接申込み、③決済代行会社を介した加盟店獲得、の3通りがあります。

役割2:加盟店の審査・管理

アクワイアラにとって、加盟店の審査も大きな役割の一つです。アクワイアラは加盟店が提供する商品やサービスに忌避商材がないか、不信行為がないかなどの審査が行われています。アクワイアラは、次に挙げる「加盟店への支払い取り次ぎ」の役割も担うため、安全なカード決済環境を維持し、リスクを回避するためにも審査は重要な工程です。

加盟店契約締結後には、加盟店の管理業務も行います。

役割3:加盟店への支払い取り次ぎ

利用者が加盟店で商品・サービスをクレジットカード決済した後は、アクワイアラが加盟店にその代金を利用者に代わって支払う仕組みになっています。

このように、実際にクレジットカード利用者側からは見えにくいアクワイアラの役割ですが、クレジットカード利用者が安心安全な取引を行うための大きな役割を担っています。

代表的なアクワイアラ

実際に日本にはどのようなアクワイアラが存在するのでしょうか?代表的なアクワイアラを見ていきましょう。

アクワイアラ

国際ブランド

株式会社オリエントコーポレーション

VISA、Mastercard、JCB

株式会社ジェーシービー

JCB

三井住友カード株式会社

VISA、Mastercard

ユーシーカード株式会社

VISA、Mastercard

海外ではアクワイアラの役割は銀行が担うことが多いですが、日本ではクレジットカード会社が行うことが多いです。また、日本ではこの後に解説する「イシュア」がアクワイアラ業務も兼務していることがほとんどです。

JCBについては、日本の国際ブランドでありながら、アクワイアラ、イシュアの3つの役割を兼任することで強固なセキュリティを確立しています。

イシュアとは?

イシュアとは

クレジットカードの審査や発行を行う会社を「イシュア(issuer)」と呼びます。英語で「発行人」を意味し、クレジットカード業界ではカードを発行する発行会社を指す用語です。

イシュアの役割

アクワイアラが国際ブランドと加盟店を取り次ぐ役割なのに対し、イシュアは国際ブランドと利用者(カード会員)との間に入って取り次ぐ役割を果たしています。大きく分けると次の3つの役割に分類されます。

役割1:新規カード会員獲得・クレジットカード発行

アクワイアラが新規加盟店開拓でクレジットカードが使える店舗を増やしていくように、イシュアはクレジットカードの新規会員の募集、獲得を増やしていくのが主な業務です。

利用者にとってイシュアは、カードの申込みや毎月の支払いで関わることの多いので、馴染みのある存在と言えます。

役割2:カード会員の管理・代金請求

毎月、カード会員が利用したクレジットカード利用代金の請求やポイントサービスなどの優待特典の管理・運営を行うのもイシュアの仕事です。

カード会員がクレジットカード決済で購入した代金を、イシュアが口座振替で引き落としします。引き落としした代金は、アクワイアラを経由して加盟店へ支払われるという流れになります。

また、カード会員が収入に対してどのくらいの金額を利用したか、支払いに遅延がないかなどといった利用状況をチェックし、ショッピング・キャッシング可能枠を確定するのも役割の一つです。

役割3:クレジットカード不正利用管理

利用者が安全にクレジットカードを利用できるよう、盗難、偽造などの不正利用から守るのもイシュアの大きな役割です。年々巧妙化する不正利用に対応できるよう、利用限度制限や不正検知システムを導入するなどして被害の低減策を講じています。

代表的なイシュア

日本の代表的なイシュアは次のような会社が該当し、銀行系・信販系・流通系の3つに分けられます。

種類

イシュア会社名

銀行系

三菱UFJニコス株式会社

三井住友カード株式会社

信販系

株式会社クレディセゾン

株式会社ジャックス

流通系

楽天カード株式会社

株式会社エポスカード

アクワイアラとイシュアの違い

ここまでの解説で、アクワイアラとイシュアの役割がまだクリアになっていない方もいるかもしれません。

クレジットカードにはVISA、Mastercardなどの世界で使える国際ブランドがあるとご説明しました。アクワイアラは国際ブランドとのライセンス契約をして加盟店を獲得する役割を、そしてイシュアは利用者(カード会員)を増やし、クレジットカードを発行する役割を担っています。

アクワイアラやイシュアがいることで、加盟店は現金利用客以外の客層の取り込みができ、利用者は国際ブランドのクレジットカードを国内外で安全に使うことができるというメリットがあります。

国際ブランドとの関係

クレジットカード決済では、国際ブランドも重要な役割を担っています。

国際ブランドとはクレジットカード決済のシステムを提供している会社のことを指し、VISA、JCB、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubが世界5大ブランドと呼ばれています。

利用者にとっては世界中のどこでもVISAやMastercardなどのマークを目印として、クレジットカードを利用できる店舗を提供し、カード会社にはライセンスを発行して決済システムを貸し出しています。

EC事業者としてはこの5大ブランドを取り扱えば、ほとんどのお客様の期待に沿うことができるでしょう。

決済代行会社との関係

事業者としてクレジットカードの各ブランドを取り扱えるようにすることはメリットも多いですが、それぞれの国際ブランドと加盟店契約を結ぶ必要があり、手続きやシステム構築に膨大な手間がかかってしまいます。

そこで事業者とカード会社などの決済機関を仲介し、複数のアクワイアラとの契約を一元管理する決済代行会社を利用することで、業務の効率化が可能になります。決済代行会社を利用すれば、クレジットカード決済だけでなく、コンビニ決済スマホ決済といった決済方法をECサイトや実店舗に導入できるので、事業者目線で見ると非常に便利です。

加盟店として関わる際の注意点

クレジットカードを導入すると、利用者がクレジットカード決済する毎に加盟店手数料が発生します。加盟店手数料は売上規模や業種によって異なりますが、個人経営の場合だと4%~7%、全国チェーンのコンビニや家電量販店では1%~2%と大きな開きがあります。

これは決済回数による未収リスクが考慮されていることが理由で、大規模展開しているビジネスでは未収リスクが低く、個人経営のビジネスでは未収リスクが高いと考えられていることが理由として挙げられます。

ここで注意したいのは、加盟店手数料を上乗せしてお客様に請求するのが禁止されている点です。加盟店の手数料上乗せは、ほとんどのカード会社の加盟店契約で禁止されており、加盟店規約違反となります。

加盟店手数料を抑えるには、複数の決済代行会社で相見積りをするのがおすすめです。加盟店手数料そのものを低くすることは原則できないものの、決済代行会社には加盟店手数料を低く設定している会社もあるようです。

まとめ

クレジットカードを安心して使えているのも、それぞれに役割を持った国際ブランド、アクワイアラ、イシュア、決済代行会社の存在があるからこそ。特に、加盟店にとってはアクワイアラや決済代行会社は欠かせない存在です。

クレジットカード業界全体の仕組みを正しく理解して、クレジットカード決済を取り入れていきましょう。

KOMOJUのブログでは「クレジットカード決済のアクワイアラ・イシュア」以外にもオンライン決済に関するサービスの導入についてさまざまなトピックをご紹介していますので、ショップ運営の参考にしてください。

よくある質問

アクワイアラとは、クレジットカード業界ではクレジットカードを利用できる加盟店の開拓や管理を担う「加盟店契約会社」を意味します。日本では「イシュア」がアクワイアラ業務も兼務していることがほとんどです。

イシュアとは、クレジットカード業界ではカードを発行する発行会社を指す用語です。

日本ではクレジットカード会社が代表的なアクワイアラとして挙げられ、株式会社オリエントコーポレーションや三井住友カード株式会社などが有名です。

日本の代表的なイシュアは次のような会社が該当し、銀行系・信販系・流通系の3つに分けられます。銀行系:三菱UFJニコス株式会社、信販系:株式会社クレディセゾン、流通系:楽天カード株式会社

アクワイアラはクレシットカードの国際ブランドとのライセンス契約をして加盟店を獲得する役割を、そしてイシュアは利用者(カード会員)を増やし、クレジットカードを発行する役割を担っています。

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