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ECサイトの構築方法として「ASPカート」を検討している方も多いのではないでしょうか。
ASPカートには、ECサイトに必要な機能が備わっており、低コストでネットショップを開設できます。中には、売上向上をサポートする機能がついているASPカートもあります。
今回は、ASPカートの機能や特徴、メリット・デメリット、代表的なASPカート5選、ASPカートの選び方をご紹介します。ECサイトの構築にASPカートを導入するか検討しているEC担当者の方は参考にしてください。
ASPカートとは?
ASP(Application Service Provider)とは開発済みのソフトウェアをクラウド上でレンタルできるシステムのことで、ASPカートはネットショップのショッピングカート機能を提供しているシステムです。ショッピングカート機能があれば、「ECサイト上でユーザーが購入したい商品をカートに入れて、支払い方法を選択して注文を行う」という一連の処理が行えます。ASPカートは、古くからある言葉で、最近はECプラットフォームなどとも呼ばれることが多いです。言葉が指す内容はほぼ同義と考えても良いでしょう。
独自に開発してホームページにショッピングカート機能を実装することも可能ですが、ASPカートを導入すれば、開発コストやサーバー費などを抑えて安価にショッピングカート機能を取り入れることができます。ASPカートの利用には月額費用がかかりますが、サービス側がメンテナンス作業やアップデートを行なってくれるため、常に最新の状態で使用でき、保守の手間はかかりません。
また、ASPカートにはショッピングカート機能以外にも、デザインが選べるものや在庫管理ができるものなど、さまざまな機能が搭載されています。
このように手軽にECサイトを立ち上げ、世界へと商圏を広げていく事業者が増えています。EC業界の最新トレンドやECサイトの成功事例について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
一般的なASPカートの機能
ASPカートに備わっている機能の一部をご紹介します。詳細はそれぞれのシステムのサイトをご覧ください。
カテゴリ | 機能 | 概要 |
構築 | ショッピングカート | ユーザーが商品を選びカートに入れる |
構築 | ページ作成 | ECサイトのページを作成する |
構築 | デザイン | 作成したページをデザインする、デザインテンプレートから選択する |
運営 | 商品管理・在庫管理 | 商品情報を管理する、在庫数などを管理する |
運営 | 受注管理・売上管理 | 受注した情報を管理する、売上状況を集計・管理する |
運営 | 顧客管理 | 顧客情報を管理する |
マーケティング | SEO・SNS連携 | ECサイトへの集客を強化する |
マーケティング | クーポン・キャンペーン | 販売促進のためユーザーに割引などのキャンペーンを発行する |
決済 | 決済 | クレジットカード、銀行振込など複数の決済方法に対応する |
ASPカートとパッケージ型ECカートの違いとよくある勘違い
ASPカートとパッケージ型ECカートの違いは、提供されている機能の種類と、カスタマイズ性、導入・運用にかかる費用に表れています。しかし、インターネット上にあふれている情報は古い情報を基にしたものが多いため、ASPカートに対する勘違いも多くなっています。特に後ほど紹介するShopifyなどの登場で、ASPカートもパッケージ型と同等の機能を持つことが可能になっています。
とはいえ、パッケージ型ECカート(ECパッケージ)は、ECサイトの構築・運営に必要な基本機能を網羅的に備えたシステムなので、より細かな機能を備えたECサイトを構築できます。ただし、インストールするサーバーが必要で、導入費用も非常に高額であることが多いです。
<提供されている機能の種類>
ASPカートは基本的な機能のみで、追加したい細かな機能は別途アプリケーションなどを連携して対応しますが、近年のASPカートは、パッケージ型と遜色のない機能数が備わっていることもあります。一方でパッケージ型ECカートには、初めからより多くの機能が備わっています。
<カスタマイズ可否>
ASPカートはECパッケージと比べてカスタマイズ性は高くないということを多く言われてきました。最近はデザインや機能を自由に変更・追加できるASPカートも増えていますが、パッケージ型ECカートのほうが柔軟にカスタマイズができます。
<費用>
ASPカートは導入費用が無料のものや月額数千円で利用できるものが多く、パッケージ型ECカートは導入に数十万円から数千万円かかります。
総じて、ASPカートは、ECサイトを初めて立ち上げる事業者や自社ECサイトで売上を上げていきたい事業者におすすめで、パッケージ型ECカートは、事業規模が大きくすでに売上も安定している事業者に向いていると言えそうです。なお、ShopifyなどのASPカートは、パッケージ型ECサイトのように、大規模な事業者でも使用できるプラン(Shopify Plus)を持っていたりするので、ASPカートとパッケージ型ECサイトの良いとこどりをすることもできます。
ASPカートのメリット
ASPカートを導入するメリットは以下の3つです。
1. 低コストでECサイトを構築できる
ASPカートの中には、初期費用が無料、月額費用も数千円で利用できるシステムもあり、低コストでECサイトを立ち上げることができます。
ECサイトの構築方法の中でも、ECパッケージやオープンソースは数百万円、ゼロからすべてを構築するフルスクラッチなら数千万円ほどかかることと比較すれば、ASPカートは初期費用や月額費用を抑えて運営開始できるのが特徴です。
2. 必要な基本機能をすぐに利用できる
ECサイトの構築・運営に必要な基本機能が備わっているため、ASPカートを導入すればすぐに立ち上げ・販売開始できます。早ければ1日でECサイトを公開可能です。
また、足りない機能を追加できるシステムもあります。後ほどご紹介しますが、世界175ヶ国以上で利用されている「Shopify」なら、「Shopify アプリ」上で公開されているアプリと呼ばれる追加機能を追加して、欲しい機能を加えることが可能です。
3. 保守管理が不要で、常に最新バージョンを利用できる
ASPカートのメンテナンスやシステムアップデートは、ASP提供会社が行うため、EC事業者には保守管理の手間がかかりません。自動的にアップデートが行われ、常に最新バージョンを利用できます。公開されていなかった機能が追加されたり、発生していた不具合が迅速に改善されたりするのも、クラウド上で展開されるASPカートならではの特徴です。
ASPカートのデメリット
便利なASPカートですが、以下のデメリットを把握した上で、導入を検討してみてください。
1. カスタマイズ性・拡張性が高くない
ECパッケージやフルスクラッチなどのECサイト構築方法と比べて、ASPカートはカスタマイズや機能拡張の自由度が高くありません。そのため、使いたい機能がASPカートに備わっておらず追加も難しい場合は、費用をかけて他の構築方法に乗り換える必要があります。
ASPカートの中には、ECサイトのデザインに関して、豊富にデザインテンプレートを用意しているものもあります。また、オプションを利用して機能を拡充することができるASPカートもあります。
あらかじめ提供されている機能やテンプレートを確認してから導入すると安心でしょう。
2. 外部システムと連携しにくい
外部システムと連携しにくいASPカートもあります。連携先としてよく検討されているのが、顧客情報や受注情報を管理するシステム、実店舗の販売状況・在庫状況を管理するシステムなどです。
こうした既存システムとASPカートを接続できなければ、売上などのデータ分析に時間と手間がかかります。手作業でデータを集計・反映しているとミスも発生しやすいです。
事前に外部連携機能が備わっているかどうか確認することをおすすめします。
代表的なASPカート
代表的なASPカートとして、以下の5つのシステムをご紹介します。後ほどご紹介する「ASPカート導入前に検討すべき5つのポイント」とあわせて確認できるよう、表形式でまとめました。
1. Shopify
Shopifyは、世界175ヶ国以上で利用されているEC構築プラットフォームです。Shopifyの「テーマストア」には、デザインテンプレートが無料・有料あわせて145ほど掲載されており、販売する商品の業界や必要な機能から絞って選ぶことができます。また「Shopify アプリストア」を活用すれば、在庫管理やマーケティング、販売促進、翻訳など様々な機能を追加できます。
URL | |
初期費用 | 0円 |
月額費用 | ベーシックプラン:33米ドル/月 スタンダードプラン:92米ドル/月 プレミアムプラン:399米ドル/月 ※3日間無料体験のあと、最初の3ヶ月は1米ドル/月で利用可能 ※年払いの場合はそれぞれ25%オフ |
主な機能 | ECサイト作成、デザインカスタマイズ、販売促進、対面販売、国際販売、SNSマーケティング、メールマーケティング、注文管理、在庫管理、分析レポートなど |
商品登録数 | 無制限 |
決済方法 | クレジットカード、ECスマホ決済、PayPal、Amazon Pay、コンビニ決済、キャリア決済、後払い決済、国外の決済方法など |
外部連携機能 | 決済管理、注文管理、在庫管理、配送・ロジスティクス管理、メールマーケティングなど |
2. BASE
参照:BASE 公式サイト
BASEは、誰でも簡単にネットショップを作成できるサービスとして、集客からマーケティング、運営効率化をはかる機能まで幅広く備わっています。費用は売れたときのみ発生し、初期費用・月額費用は無料です。
2023年4月に提供開始された「BASE AI アシスタント」機能では、ChatGPTの機能が活用され、文章作成の負担を軽減してくれます。キーワードを入力するだけで、商品説明文やメールマガジンの文章、SNS投稿文章の作成ができます。
URL | |
初期費用 | 0円 |
月額費用 | スタンダードプラン:0円 ※新規会員登録時はスタンダードプラン グロースプラン:5,980円 |
決済手数料 | スタンダードプラン:決済手数料 3.6%+40円、サービス利用料 3% グロースプラン:決済手数料 2.9%、サービス利用料 0% |
主な機能 | SNS連携、予約販売、抽選販売、広告効果測定、メールマガジン、注文管理、商品管理、送り状データダウンロードなど |
商品登録数 | 無制限 |
決済方法 | クレジットカード、後払い決済、銀行振込、キャリア決済、コンビニ決済、Pay-easy、Amazon Pay、PayPalなど |
外部連携機能 | 外部サイトへの商品掲載、商品情報の一括編集、BASE Appsの編集、会計ソフトなど |
3. futureshop
futureshopは、デザインや機能などのカスタマイズ性が高いECプラットフォームです。リピート率を高めるサブスクリプションでの販売方式や、エンゲージメントを高めるライブコマースでの販売など、新たな販売方法にチャレンジしやすいでしょう。実店舗を持つ事業者は「futureshop omni-channel」プランを利用してください。
URL | |
初期費用 | futureshop:22,000円〜52,000円(登録商品数によって変動) futureshop omni-channel:752,000円 |
月額費用 | futureshop:22,000円〜52,000円(登録商品数によって変動) futureshop omni-channel:152,000円 |
販売手数料 | なし |
主な機能 | ECサイト作成、レコメンド、分析レポート、商品管理、受注管理、割引設定、予約販売、バンドル販売、ライブコマース、LINE連携など |
商品登録数 | futureshop :50〜10,000商品 futureshop omni-channel:30,000商品まで |
決済方法 | クレジットカード、Amazon Pay、楽天ペイ、PayPay、d払い、キャリア決済、NP後払い、Paidy、コンビニ決済など |
外部連携機能 | 商品管理、在庫管理、受注管理、入金管理、発送管理、会員管理、ポイント・会員ステータス管理など |
4. ecforce
ecforceは、稼働済みネットショップの平均年商が2億円以上とあるように、大規模ECサイトで導入されているECプラットフォームです。毎月10〜20個の新機能をリリースしており、事業成長に寄与する様々な機能をアップデートし続けています。コンバージョン率の改善に役立つ機能が豊富です。
URL | |
初期費用 | 要問合せ |
月額費用 | 要問合せ |
主な機能 | ECサイト作成、パーソナライズ、セット販売、離脱防止ポップアップ、広告管理、オペレーション自動化、クーポン、顧客管理、受注管理など |
商品登録数 | スタンダードプラン:2,000件/月 エキスパートプラン:無制限 |
決済方法 | クレジットカード、後払い、代金引換、コンビニ郵貯後払い、Amazon Pay、LINE Pay、PayPalなど |
外部連携機能 | 受注管理、倉庫管理、顧客管理、マーケティングなど |
5. カラーミーショップ
カラーミーショップは、手軽に0円でネットショップを立ち上げられるサービスで、80種類以上あるデザインテンプレートから選んで魅力的なECサイトを構築できます。SNS連携やメルマガ配信も可能です。商品登録数が多い事業者や、より豊富な機能を利用したい場合は上位のプランを確認してください。
URL | |
初期費用 | フリープラン:0円 レギュラープラン:3,300円 ラージプラン:3,300円 プレミアムプラン:22,000円 |
月額費用 | フリープラン:0円 レギュラープラン:4,950円(30日間無料お試しあり) ラージプラン:9,595円(30日間無料お試しあり) プレミアムプラン:39,600円 |
決済手数料 | フリープラン:決済金額の6.6%+33円 レギュラープラン・ラージプラン:4%〜 プレミアムプラン:3.14%〜 |
販売手数料 | 0円 |
主な機能 | ECサイト作成、商品管理、受注管理、配送管理、顧客管理、SNS連携、売上分析など |
商品登録数 | 無制限 |
決済方法 | クレジットカード、後払い、コンビニ払い、代引き決済、Amazon Pay、楽天ペイ、LINE Pay、PayPay、Pay-easy、電子マネーなど |
外部連携機能 | 受注・商品・顧客・在庫データ管理、複数店舗のデータ一元管理など |
ASPカート導入前に検討すべき5つのポイント
ASPカート導入前に検討したいポイントを5つご紹介します。サービスによって導入の可否や容易さが異なってくるので、以下の要素をしっかり考えて導入を検討しましょう。
1. 多様な決済方法を導入できるか
ECサイトでユーザーが商品を購入する際に、選べる決済方法が多いほうがユーザーの利便性が増します。その分、購入されやすく売上拡大に繋げやすくなります。
導入できる決済方法が何かを事前に確かめてください。クレジットカード、コンビニ支払い、後払い決済、スマホ決済など幅広い決済方法に対応できていることで、商品をカゴに入れたのに決済せずにECサイトから離脱してしまう「カゴ落ち」を防げます。
一方、決済手段によっては決済手数料が高かったり、未回収リスクが高まってしまったりとデメリットもあります。決済代行サービスならまとめて複数の決済方法を導入でき、未回収リスクを抑えられるので検討してみてください。なお、決済サービスのKOMOJUなら、初期・月額料金無料で、クレジットカードからスマホ決済、コンビニ決済、中国系の決済方法など多種多様な決済方法を導入できます。今回挙げたASPカートの中だとShopifyと連携をしています。
2. 登録できる商品数に上限があるか
登録できる商品数に上限があるか、また商品登録数によって月額費用が異なるかを、導入前に確認しておきましょう。登録数が無制限の場合は安心して利用できます。なお、商品数によって月額費用が異なるASPカートの場合、登録数が少ないうちはランニングコストを抑えられますが、上限を超えた際は追加の契約などが必要です。
3. ランニングコスト(月額費用・手数料)がどのくらいか
ASPカートを継続的に利用すると、ランニングコストが発生します。月額費用・サービス利用料・決済手数料・販売手数料・振込手数料など、毎月発生するコストは様々です。月額費用が一見安いからと契約してしまうと、売上が増えてきた頃に販売手数料がかさむリスクもあります。
売上予測をもとに運用コストを計算して、予算内に収まるかどうかを確認してください。
4. 集客や販売など機能が充実しているか
ECサイト立ち上げ後、集客や販売の機能強化が重要です。単にECサイトを公開しただけでは商品は売れないからです。
もともと備わっている機能や追加機能を使うことで、販売チャネルを拡充したり、定期購入・サブスクリプションモデルで販売したり、SEO対策したりと、さまざまなマーケティング施策が打てます。ECサイトを知ってもらい、購入までの流れをスムーズにすると、より安定した売上を見込めるようになります。
各ASPカートごとに機能が異なるため、詳細はそれぞれの公式サイトをご覧ください。
5. 外部連携機能があるか
ASPカートにない機能は、外部連携機能で補うことができます。外部連携できる機能にどのようなものがあるかもチェックしておきましょう。
代表的なものは顧客管理や受注管理などで、既存店舗とASPカートの情報を一元化できる機能もあります。機能を充実させてサイト管理がしやすくなれば、次の販売促進の打ち手を増やすきっかけになります。
まとめ|低コストで便利なASPカートでECサイトを構築しよう
今回はECサイトの構築方法の一つである「ASPカート」の特徴やメリット・デメリット、代表的なASPカート、選び方をご紹介しました。
ASPカートはショッピングカート機能以外にも基本的な機能が揃っています。カスタマイズしにくい面もありますが、「まずはECサイトを低コストで立ち上げたい」という方におすすめです。API連携やオプション契約などで、販促機能など業務効率化できる機能を追加可能なASPカートもあります。
ECサイトでの商品販売において、決済方法が充実していることは重要です。今回ご紹介した中でも世界中で利用されている「Shopify」には、初期費用・月額費用が完全無料でスマホ決済・コンビニ決済など多数の決済方法に対応できる決済代行サービス「KOMOJU」がおすすめです。あわせて検討してみてください。
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