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ネットショップの運営に便利な「Shopify」は、海外だけでなく、国内でも利用する企業が増加しています。一般向けの通常のプランに加え、エンタープライズ向けの「Shopify Plus」も用意されていますが、具体的にどのような点が異なるのでしょうか。
今回の記事では、どちらのプランを利用するか迷われている方に、Shopifyの通常プランと、Shopify Plusの違いを解説します。さらに、本記事の最後には、Shopify Plusをおすすめする方の特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
Shopify Plusとは?
Shopify Plusとは、法人企業向けに用意されたShopifyの上位プランのことです。一般向けに、「ベーシック」、「スタンダード」、「プレミアム」の3つのプランがありますが、大企業や取引量が多いユーザーに対して、最上位プランの「Shopify Plus」を提供しています。
通常のプランよりも機能性に優れているほか、各ECショップに応じて、自由にカスタマイズしやすいのが特徴です。利用料金は高く設定されていますが、ECサイトの売上アップに活用できます。
Shopify Plusのメリット
通常のShopifyと異なり、Shopify Plusにはどのようなメリットがあるのでしょうか。Shopifyから切り替える予定の方や、Shopify Plusが気になるという方は、メリットを確認してみましょう。
拡張機能によるEC運用の効率化
Shopify Plusには、独自の拡張機能を備えています。以下の拡張機能を利用することで、ECサイトの運営を効率化できます。
- プロモーション設定の自動化
Shopify Plusを利用することで、複合条件でのディスカウントやプロモーションを行えます。たとえば、「項目スクリプト」では、ユーザーが1つ購入すると1つ無料、2つ購入すると20%割引になるようなコードで、自動的にプロモーションを設定できます。各ユーザーに対して、手動でクーポンコードを発行する必要がありません。
ほかにも、サブスクリプションユーザーの送料を無料にする「配送スクリプト」や、決済サービスの名前の変更や非表示設定などの「決済スクリプト」を備えています。
- キャンペーンの自動化
キャンペーンの自動化は、ECサイトのセールや、新商品リリースといったイベントのスケジュールを設定する機能です。Shopify Plusでしか利用できない「Launchpad」を使用し、あらかじめイベントのスケジュールを設定できます。時差がある国でのECサイト運営や、キャンペーンイベントを予定通り開催する際に便利です。
- 既存システムからのデータ移行
既存システムからShopify Plusに切り替える際に、顧客情報や商品・注文データなどを自動で移行できます。また、データ移行の状況を可視化し、エラーの特定も簡単に行えます。
- ストア移行の通知
ほかのECサイトから、ShopifyのECサイトに移行すると、既存のユーザーに対して「ストア移行の通知」を自動で行なえます。細かいセグメントの設定も可能で、顧客に合わせながらカスタマイズできます。
- BtoBストアの開設
Shopify Plusでは、法人事業者向けに販売するBtoBストアを開設できます。また、現在取り扱っている商品を顧客ごとに別価格で表示したり、顧客からの問い合わせを自動化したりするなど、自由度の高い運営が可能です。
強固なサーバーで落ちないサイト構築
Shopify Plus向けに、Shopifyは強固なサーバーを用意しています。1分間に10,000件以上の注文を処理できるほどの性能を備えており、人気商品販売時やセール時のサーバーのダウンを防げます。実際に、日本でも有名アーティストや人気俳優などのECサイトでは、Shopify Plusが活用されていることが多いです。
充実したサポート体制
Shopify Plusには、専任のスタッフから直接サポートを受けることができます。また、ECサイトを構築する際にも、Shopifyのエンジニアと相談できるほか、ECサイト構築後にアカウントマネージャーから売上アップの改善を受けることも可能です。ECサイト構築だけでなく、ECサイト構築後のサポートまで行い、ECサイトの質を高められます。
Shopify Plusのデメリット
多くのメリットがあるShopify Plusですが、デメリットにも注意する必要があります。Shopify Plus利用時にデメリットになりやすい点を紹介します。
月額利用料が高額
Shopify Plusは、通常のShopifyのプランよりも、月額利用料が高額に設定されています。通常プランの月払いだと、ベーシックプランは4,850円/月、スタンダードプランは13,500円/月、プレミアムプランは58,500円/月ですが、Shopify Plusは1年契約で2,500米ドル/月・3年契約で2,300米ドル~/月です。
もちろん、Shopify Plusは機能的に最も充実していますが、ECサイトの運営で元を取れるほどの売上を達成する必要があります。大企業や、すでにECサイトで成功している方以外だと、月額利用料が負担となります。
機能を活用しきれない可能性がある
また、Shopify Plusは、通常のプランより機能が多い一方で、十分に使いこなせない可能性もあります。すでに解説した自動化・効率化機能に加え、後述するさまざまな機能を揃えていますが、すべてのECサイト運営者に活用できるとは限りません。まずは、Shopify Plusの機能を確認し、自社のECサイトに必要かどうかを考慮した上で、利用するようにしましょう。
Shopify Plusの料金
Shopify Plusと通常の3つのプランの価格を比較します。月額利用料は、通常プランだと最大でも58,500円ですが、Shopify Plusは約37万円(1米ドル=150円の場合)ほどの利用料を支払わなければなりません。
一方で、クレジットカード利用時の手数料は、国内発行カードだと2.9%、海外発行カードでも3.75%と、国内・海外いずれの場合でも最安値です。外部の決済代行サービスを利用する場合は、Shopify ペイメントが適用されず、追加で取引手数料が0.2〜2.0%かかります。
Shopify Plus | ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
月額利用料 | 1年契約:2,500米ドル 3年契約:2,300米ドル~円
| 月払い:4,850円 年払い:3,650円 | 月払い:13,500円 年払い:10,100円 | 月払い:58,500円 年払い:44,000円
|
クレジットカード手数料 | 国内発行カード:2.9% 海外発行カード:3.75% | 国内発行カード:3.55% 海外発行カード:3.9% | 国内発行カード:3.4% 海外発行カード:3.85% | 国内発行カード:3.25% 海外発行カード:3.8% |
Shopify ペイメント 不使用時の追加手数料 | 0.2% | 2.0% | 1.0% | 0.6% |
Shopify Plusで利用できる機能
Shopify Plusには、メリットでも解説した効率化・自動化機能に加え、Shopify Plusにしか備えていない機能を利用することができます。ECサイトの運営をスムーズに行うためにも、どのような機能を利用できるのか確認しておきましょう。
EC業務の自動化
EC業務を効率化・自動化するために、以下の機能が利用できます。各機能の詳細は、メリットの「拡張機能によるEC運用の効率化」の項目で確認してみてください。
- プロモーション設定の自動化
- キャンペーンの自動化
- 既存システムからのデータ移行
- 事業者への通知
- ストア移行の通知
- BtoBストアの開設
最大9ストアの追加
Shopify Plusに登録すると、Shopify Plus仕様のECサイトを最大9ストアまで利用できます。通常プランではストアの追加には追加料金が発生しますが、Shopify Plusでは同一ブランド・同一商品の販売に限り無料での追加が可能です。複数のストアを追加することで、日本国内ユーザー向けのストア、越境EC向けのストアなどに分け、運営者側だけでなく、ユーザーにとっても利便性を高められます。9ストア以上のストアの追加には1ストアごとに月額250ドルの追加料金がかかります。
決済画面のカスタマイズ
Shopify Plusは、通常プランでは制限されている決済ページのカスタマイズも行えます。具体的には、決済ページの画像の構造の変更、入力フォームのバリエーション追加、配送先の国で輸入が禁止されている商品の除外など、よりコンバージョン率を上げるための施策が可能です。
Googleタグマネージャーの利用
Googleタグマネージャーとは、Googleが提供するツールと連携し、一括で管理できる機能です。通常のWEBサイト同様にユーザーの集客力を高めるためには、「Google Analytics」や、「Google広告」といったツールが必要です。そこで、Shopifyで、Googleのツールを一元管理し、利用しやすい状態を維持できます。
Shopify POS Proの無料利用
Shopify Plusでは、通常プランでは月額89ドル必要なShopify POSの最上位プランであるShopify POS Proを無料で使うことができます。大規模な実店舗をお持ちの事業者が、Shopify POS Proを利用して、日本で実店舗を運営しているという事例もあります。
Shopify Plusサイトに日本の人気決済を導入するならKOMOJU
KOMOJUは、Shopifyの日本進出時からパートナーを組み、多くのエンタープライズ系企業で採用されています。大規模な開発なしでカード決済やスマホ決済、後払い決済などの決済方法をネットショップに一括導入することができます。
Shopify Plusの活用事例
充実した機能を備えているShopify Plusは、大手ECサイトを中心に取り入れられています。実際に、どのように利用されているのかを参考にするためにも、Shopify Plusの活用事例を紹介します。
事例1:化粧品ECサイト
海外での人気が高い化粧品を取り扱う企業は、Shopify Plusを活用し、柔軟性の高いECサイトの構築を実現しています。これまでのECサイトでは、自由度が制限されていたことから、自社商品のコンセプトを最大限引き出せない点が課題でした。
一方で、Shopify Plusは、拡張性に優れているほか、通常のECサイトにはない機能を備えており、理想とするECサイトを構築できます。SNSやYouTubeへの誘導にも成功し、売上アップを実現した事例です。
事例2:アパレルECサイト
2つ目の事例は、アパレル商品のECサイトを運営する企業です。Shopify Plusを利用する以前から、高い売上を達成している一方で、膨大なアクセス数に耐えきれず、損失を生み出していました。
Shopify Plusは、膨大なアクセスがあった場合でも、サーバーのダウンを回避し、安定的な運営を行え、顧客満足度もアップしています。既存ECサイトから、Shopify Plusに移行した結果、これまでに発生していた機会損失の防止や、経費の削減に成功しています。
事例3:実店舗からのECサイト移行
新型コロナウイルスによる実店舗への影響を受けて、ECサイトを立ち上げる企業も増加しています。たとえば、小売業の企業では、すべての店舗を一時的に閉店せざるを得ない状況となり、Shopify Plusを使い、ネットショッピングに移行しました。
Shopify Plusは、90日程度でECサイトを構築できるため、実店舗からの切り替えもスムーズに行なえます。ECサイトと配送システムと統合することで、早期の売上回復に成功しました。
Shopify Plusがおすすめな運営者とは
Shopify Plusは、通常プランよりも月額利用料が高額であることから、すべてのECサイト運営者が満足して使えるとは限りません。Shopify Plusを導入するか迷われている運営者向けに、あらかじめ確認しておきたいポイントを紹介します。
1. 地域や言語ごとに複数のECサイトを持っている
複数のECサイトを運営している場合、Shopify Plusの導入をおすすめします。Shopify Plusでは、本ストア+最大9ストアのECサイトを同時に運営できるため、国内向け、海外向けにストアを分ける際に便利です。利用料金は高額になりますが、一括での管理も可能となることから、ECサイト運営の効率化にもつながります。
2. ECサイト内の取引量が多い
Shopify Plusは、通常のプランよりも決済手数料が低いのが特徴です。つまり、ECサイトでの取引量が多ければ多いほど、手数料の負担を軽減できます。また、Shopify Plus向けに強固なサーバーを採用しており、新商品の発売や、一時的にアクセス数が増加した場合にも、サーバークラッシュせずに運営を続けられます。
3. カスタマイズ性能を重視している
自社のコンセプトや商品の特徴を表現する際にも、Shopify Plusはおすすめです。一般的に、自社で一からECサイトを構築すると、サーバー料金、デザイン料金、ECサイトのランニングコストなど、さまざまなコストが発生します。
一方で、Shopify Plusは、機能性・拡張性ともに優れているため、自由度の高いECサイトを構築できます。また、Shopify Plusだけで完結することから、別途ツールを準備する必要もなく、コストの削減にもつながります。
まとめ
Shopify Plusは、通常のプランよりも高額な点に注意が必要ですが、自由度の高いカスタマイズ性に優れており、自社が理想とするECサイトを構築できます。また、決済手数料も安く抑えられるため、複数のECサイトや、取引量の多いECサイトを運営する方におすすめです。
ただし。機能性が充実している反面、目的を整理しておかないと、すべての機能を使いこなせない可能性があります。ECサイト運営に関するコストを計算したうえで、Shopify Plusを導入するか検討してみてください。
KOMOJUのブログでは「Shopify」以外にもオンライン決済サービスの導入についてさまざまなトピックをご紹介していますので、ショップ運営の参考にしてください。
【この記事の監修者】
豊田 亮太
グロースマーケター
Shopify Japanの初期メンバーとして、日本市場におけるShopifyの普及に貢献。ECプラットフォーム、決済代行サービス等に関して豊富な知見を持つECのエキスパート。LinkedInページ:https://www.linkedin.com/in/ryota-toyoda-b45127138/
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